和議第64号
原子力発電所の再稼働について再考を求める意見書(案)
政府は、関西電力大飯原発3号機および4号機の再稼働について正式に決定した。
しかし、福島原発事故についてはいまだに原因究明がされていないこと、再稼働にむけてとりあえず実施するべきとした安全対策さえ十分でないこと、地震・津波の学問的知見を見直す必要性が指摘されていること、原子力規制機関が設置されていないことなど、再稼働にむけての条件は整っておらず、このようななかでの再稼働決定は国民の安全をないがしろにした無謀きわまりないものと言わざるをえない。
政府は、ことさら夏場の電力不足などを強調するが、本来、この問題と再稼働とは天秤にかけられる問題ではない。
いま政府がすべきことは原子力規制機関による新たな安全基準などが整備、実行されるまでは過酷事故は起こらないという「安全神話」を復活させることではなく、電力需給が問題なら具体的な節電対策を官民あげて知恵をしぼり進めることである。
よって原発再稼働については、慎重な態度で臨むよう再考を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年6月29日
様
和歌山県議会議長 山下 直也
(提 出 者)
長坂 隆司
雑賀 光夫
松坂 英樹
角田 秀樹
(意見書提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣(原子力行政)
内閣官房長官