和議第68号
            登記の事務・権限等の地方への移譲に反対する意見書(案)

 平成22年6月に閣議決定された「地域主権戦略大綱」において、国の出先機関の抜本的な改革に当たっては、「原則廃止」の姿勢の下、ゼロベースで見直すこととされた。
 こうした中、政府の地域主権戦略会議において、出先機関改革の一環として、法務局が行っている登記の事務・権限等についても地方に移管すべき対象として検討されている。
 もちろん、国と地方の役割分担を見直し、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組んでいけるようにするための改革は、今後とも強力に推し進めるべきなのは言うまでもない。
 しかしながら、法務局が担う登記制度は、国民の重要な財産を守り、不動産取引等の安全に寄与する信用制度であり、高い中立性・公正性が求められる。また、国民の権利擁護に係るものであり、全国統一した法解釈や運用により実施されることが必要である。
 加えて、登記事務の執行に当たっては、高度な法律的専門知識に裏付けられた判断が不可欠であり、地方に移譲された場合、地域によって運用に格差が発生することが懸念される。
 よって、国においては、法務局が担う登記の事務・権限等を地方への移譲対象としないよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成24年6月29日

          様

                                        和歌山県議会議長 山下 直也

                                                    (提 出 者)
                                                    大沢広太郎
                                                     長坂 隆司
                                                     雑賀 光夫
                                                     角田 秀樹
                                                     山下 大輔
(意見書提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
内閣官房長官