和議第83号
                 気象事業の整備拡充を求める意見書(案)

 気象庁の事業目的は、気象や地震などを観測・監視し、観測の成果や現象推移の予測を適時・的確に広く周知することによって災害を未然に防ぎ、軽減させることにある。2005年に神戸で開かれた「国連防災世界会議」では、2004年にスマトラ沖で発生した大地震を教訓に「すべての国が領域内の国民と財産を災害から守る第一義的な責任を持っている」との「兵庫宣言」が採択されている。
 しかし、気象庁の職員数や事業予算は年々減らされ、観測施設の維持管理や技術水準の確保にも苦慮する状況に陥っている。また、気象の観測・予測になくてはならない気象衛星の打ち上げにも巨額の費用がかかり、予算を圧迫している。
 近年、国際的な関心を集めている地球環境問題については、一層の体制強化が求められており、また、過去の自然災害の教訓から、注意報・警報などの防災情報を高度化し、活用していくためには、予報精度の向上にとどまらず、自然現象の確実な捕捉と防災関係機関への確実な情報の伝達、そして利用者に対して十分な支援・指導ができることが必要である。さらに地域の産業や日常生活に役立つ気象情報の提供も強化すべきである。
 よって、政府におかれては、より精度の高いきめ細かな防災情報、暮らしや産業に密接にかかわる気象情報が提供できるよう、気象事業全般の基盤強化を図るよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成24年 9月28日

                                           和歌山県議会議長 山下 直也

                                                      (提 出 者)
                                                       大沢広太郎

                                                       長坂 隆司
                                                       雑賀 光夫

                                                       角田 秀樹

                                                       山下 大輔

(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 国土交通大臣
 内閣府特命担当大臣(防災)