和議第113号
          アルコール健康障害対策基本法(仮称)の制定を求める意見書(案)

 アルコール飲料は、古くから生活の中で親しまれており、これを適度に楽しむことは、私たちの暮らしに豊かさと潤いを与える等の効能をもたらすほか、人間関係の円滑化を図る有効な手段としても利用されているが、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせている。
 平成20年に行われた厚生労働省調査によれば、我が国のアルコール依存症者は約80万人、その予備群を含めると約440万人にも上り、また、アルコール健康障害による死者数は年間約3万5千人とも言われている。
 国際的には、世界保健機関(WHO)が平成22年に「アルコールの有害な使用を低減する世界戦略」を全会一致で採択し、「国が適切な行動をとれば、アルコールの有害な使用は低減できる」として、加盟国に施策の推進と報告を求めており、既に多くの国々が対策に取り組んでいるところである。
 しかし、我が国では、飲酒運転、うつ、自殺、震災後のストレス障害、DV、児童虐待、生活習慣病、認知症など、現在直面している多くの問題にアルコールが深く関連しているにもかかわらず、多岐にわたるアルコール健康障害対策について、総合的な施策を定めた法律がなく、十分な対策が講じられていない。
 よって、国におかれては、アルコール健康障害対策を総合的かつ計画的に推進し、アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止を図り、あわせてアルコール健康障害を有する者等に対する支援の充実を図るため、アルコール健康障害対策基本法(仮称)を早急に制定するよう強く要望する。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成25年9月27日
           様
                                               和歌山県議会議長 山田 正彦
                                                          (提 出 者)
                                                           冨安 民浩
                                                           長坂 隆司
                                                           雑賀 光夫
                                                           角田 秀樹
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 厚生労働大臣
 内閣官房長官