2013年9月県議会 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録
○ 福祉保健部
環境生活部


9月24日
【福祉保健部】

《質問》奥村規子 委員
 社会保障制度改革の骨子が閣議決定されたということで、介護保険制度の中で、サービス実施にあたっては市町村や関係の意見を聞くと書かれているが、これはどんな形でいつ頃までというのはあるのか。意見を聞くというのはどんな風に考えられているか。医療や介護や福祉や年金の問題も含めて社会保障全般に関わる問題になってくるので、その点で部長の考えはどうか。

《答弁》 福祉保健部長
 市町村等の意見を聞くということであるが、いま改革を進めるにあたり、いろいろ国の会議等に諮っている中で、地方の代表等が入って別途意見を聞いているということだと考える。

《要望》奥村規子 委員
 例えば、70から75歳未満の医療費の負担が2割になるとか、要介護、要支援の問題も含めて、直接県民の暮らしに関わるような問題を、県として県民の皆様の声をどう反映するかということをぜひ考えていただきたい。よろしくお願いしたい。
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《質問》奥村規子 委員
 東北の震災の時に、障害者や高齢者が避難所生活ができなくて自宅にいたので情報がなかなか入らなかったと報道されているが、福祉避難所を整備していくことが大事だと思うが現状はどうか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 6月末現在で、県下23市町で131箇所が指定または協定されている。

《質問》奥村規子 委員
 今の答弁は県内の箇所数だと思うが、各市でなかなか指定や協定ができていないと聞いているが、今後、進んでいくのか、何か進まない原因があるのか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 4市が未指定になっているが、各市に確認したところ、重要性は認識しており早急に指定または協定をするように事務を進めていくという返事をいただいている。

《要望》奥村規子 委員
 ぜひ、協定を進めて、できるだけ福祉避難所ができるようにしていただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 高齢者の肺炎球菌ワクチンの予防接種の実施に対する助成をしていただきたいという要望である。肺炎で高齢者が亡くなる率がまだまだ高い中で、医療費の問題も含めてワクチン効果があると思うので、考えを聞かせていただきたい。

《答弁》 健康推進課長
 成人用肺炎球菌ワクチンについては、昨年5月に国の予防接種部会において、7ワクチンについて定期予防接種化すべきであるという提言がされている。今年の3月に国において、子宮頸がん、ヒブと小児肺炎球菌ワクチンの3つについて定期予防接種化されている。
 残りの4つのワクチンについては、定期接種の対象とすることについて検討して平成25年度末までに結論を得ることという衆議院、参議院の附帯決議がされている。現在、国の予防接種ワクチン分科会において、成人肺炎球菌ワクチンを含む4つのワクチンについて、定期予防接種化すべきかどうか検討されているところであるので、県としては注視していきたい。

《要望》奥村規子 委員
 ぜひ、ワクチン接種ができるように、まずは後期高齢者の75歳以上のワクチン接種から、年齢を拡大してできるよう、県としても力を尽くしてほしい。
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《質問》奥村規子 委員
 生活保護基準の引き下げが8月から実施されているが、その影響について実態を把握してほしいと思うので、お聞かせ願いたい。

《答弁」》 福祉保健総務課長
 県内の生活保護受給世帯で、現時点で大きな影響が出ているとの報告は実施機関からはないが、各実施機関にはケースワーカーが家庭訪問し、生活実態を把握する際には、引き下げによる影響を把握するよう指導しており、引き続き実態の把握に努めてまいりたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 聞いたところによると、5人家族でかなり減額になったなど、たしかに基準引き下げの影響があったのだと思う。一部には増額になった人もあるかと思うが、ごくわずかだと思う。そういった中で生活実態と合わせ、修学援助や課税の問題なども含めて影響調査で実態をしっかり把握していただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 特養(特別養護老人ホーム)の待機状況を教えてもらいたい。

《答弁》 長寿社会課長
 本年の3月末時点で2,701名である。

《質問》奥村規子 委員
 前年度か前々年度が2,800人ということであり、それからみれば少し減ってきているということになるが、待機者はまだ依然として2,701人と多く、本当に深刻だと思う。基盤整備について、このような状況を解消していく方向としてどのような見通しを持っているか。

《答弁》 長寿社会課長
 施設関係については、3年に1度策定している「わかやま長寿プラン」に基づいて、計画的な施設整備に取り組んでいるところである。また、あわせて、たとえ介護が必要になっても居宅においてできるだけ生活をしていけるような環境づくりにも積極的に取り組んでいきたいと考えている。

《質問》奥村規子 委員
 特別養護老人ホームは、これからも基盤整備としてつくっていくということか。

《答弁》 長寿社会課長
 わかやま長寿プランでは、市町村や圏域ごとに精査して計画を立てているが、まだまだこれから高齢化が進み、また、介護度が重度の人も増えてくると思われるので、計画的な整備は必要であると考えている。

《質問》奥村規子 委員
 先に課長が言ったように高齢化が進んでいく中、和歌山県は高齢化の進行度が非常に高く、高齢者の一人暮らしや二人暮らしが多い県であるということは承知している。これから介護分野で働く介護職で、やりがいといった面で一番最前線になっているのがヘルパーだと思う。
 ヘルパーの労働実態をみると、給料が非常に安いという問題がある。また、「登録型ヘルパー」という非常勤の職では、必要なときに連絡があり、その時間帯だけ、サービスする所に直接行って、直接自宅へ帰るというような働き方になっている。そういうところをもっと充足させていかないと、ヘルパー自体の給料や賃金が安定せず、生活も安定しないと思う。
 このような点で、登録ヘルパーの働き方については、非常に課題が多いと思うがどうか。

《答弁》 長寿社会課長
 登録型ヘルパーは、全国では、訪問介護に従事するヘルパー全体の約半数近くを占めていると聞いているが、国においてもその実態については詳細な調査がされていない現状である。県では、サービスを受けられる利用者が、適切なサービスを受けることができるよう、介護保険法に基づき、事業所に対して適切な指導をしていきたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 働く立場から介護保険法の中身を充実させていくことが必要であるが、介護保険のサービスを支えている登録型のヘルパーは、今日は仕事があるかとか、非常に不安定な働き方になっている。そのような状況で生活をしていくのは大変であるという面と、賃金がかなり低く、一生懸命働いても1日7,000円未満しかないといった中で介護が支えられている。県も、高齢者がこれからさらに増えてくる中で、県独自の施策を考えていく必要があると思う。なかなか難しい問題だとは思うが、ぜひ要望しておきたいと思う。
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《質問》奥村規子 委員
 「働きながらお母さんになるあなたへ」というパンフレットがある。
 非正規雇用が男性の2倍で50%が非正規雇用という、非常に厳しい女性の働く状況の中で、正規雇用の方も妊娠や出産を機にやめざるを得ないという状況があったり、介護のために離職をせざるを得ないという現状の中で、女性が働きやすい状況をつくっていくということを、労働政策や男女共同参画などいろんな課の応援や連携で、今後一層考えていってほしいと思っている。

 育休や産休やいろんな制度があることも含めて、ぜひパンフレットの普及を考えていただきたいと思うが、この点ではどうか。

《答弁》 健康推進課長
 委員からお話のあったのは、厚生労働省でつくった働く女性の妊娠、出産、育児についての法律事項をまとめたパンフレットで、妊娠中の職場生活、産前産後の休暇、育児休暇、育てながら働き続けるためといった内容で、昨年、国から県に活用についての依頼があり、県としては母子保健窓口での積極的な活用をお願いして、市町村、病院等に配付している。今後、担当者会議等で再度周知し、積極的な活用について進めていきたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 和歌山市では、母子手帳を渡す時にそういったことが明記されていたり、いろんな工夫がされているようなので、全県下の市町村の現状を把握し、徹底をお願いする。
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《質問》奥村規子 委員
 子ども・子育て支援新制度で、この法律のもとで今後、地方版の「子ども・子育て会議」を設置することについて、県ではどのように考えているか。

《答弁》 子ども未来課長
 新制度では、市町村が地域のニーズを調査し、計画を策定することになっているので、基本的には全市町村で設置するものと理解している。

《質問》奥村規子 委員
 努力義務だと聞いていたが、全市町村でつくるということか。

《答弁》 子ども未来課長
 地方版の「子ども・子育て会議」は市町村に任されている状況で、何らかの形でつくるが、新たに県のように条例化して設けるということは、義務化されていない。

《要望》奥村規子 委員
 各市町村でつくっていくという方向でよいか。その際には、保育園の園長などが入ると思うが、母親の代表なども含めて、しっかりと皆さんの意見を聞けるような仕組みにしてほしい。
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《要望》奥村規子 委員
 学童保育について、保育園を卒園すると新しく小学校に入学するまでの間が学童保育の対象にならないと思うが、その谷間の期間について、保育に困っているという声を聞くので、県としても検討してほしい。

議案に対する採決

議案第 97号 平成25年度和歌山県一般会計補正予算
議案第102号 和歌山県災害救助基金管理条例の一部を改正する条例
議案第104号 和歌山県自殺対策緊急強化基金の設置、管理及び処分に関する条例の一部を改正する条例
議案第105号 和歌山県ワクチン接種緊急促進基金条例を廃止する条例
議案第106号 和歌山県妊婦健康診査支援基金の設置、管理及び処分に関する条例を廃止する条例
は、全会一致で原案可決


【環境生活部】

《質問》奥村規子 委員
 電力需給状況についてであるが、この夏の場合、まだ余裕があったのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 この夏の電力使用率の最高は96%だった。一般的には3%程度の供給余力が必要といわれており、その範囲には収まる状況であった。

《質問》奥村規子 委員
 8月は猛暑で大変だったが、大飯原発が動いていなくでも電力は足りていたのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 使用率のピークとなった8月22日の供給力は2931万キロワット、需要が2816万キロワットであった。この瞬間の需給の状況ではないが、事前に想定していた所では、原子力の供給力としては236万キロワット、原子力の稼働に伴う揚水発電の増大もあり、これらが完全になくなっていたとすれば、単純計算では需要量2816万キロワットを下回る状況になっていたことが想定される。ただし、他電力の融通などもあるので、実際に起こった場合はどうなっていたかを答えることはできない。

《要望》奥村規子 委員
 今、福島原発が大変な状況にあるので、できるだけ原発に頼らない自然エネルギーや再生可能エネルギーに力を注いでほしい。

《質問》奥村規子 委員
 福島原発の環境への影響という点で、先だっての国際オリンピック委員会総会のプレゼンテーションで、安倍首相が「状況はコントロールされている」とか「影響は港湾内に完全にブロックされている」とか「健康に問題ない」と発言されているが、非常に心配だという意見も聞いている。先だっても、全町避難している浪江町議会で、「国が全面的に責任を持って政府直轄で解決することを求める」という意見書が出されたと聞いている。
 安全面の問題で、国がしっかりと責任もって対応するべきだということも併せ、県からも意見を言っていただきたいと思うが、海水への影響をどのように考えているのか。いろいろな放射性物質により、どんなふうにホットスポットができたりするのかとか、海水の満ち引きによる影響とか、地下水の汲み上げにより海の水が地下水の方に流入したりとか、素人考えでもそういったことで本当に安全なのかと思ったりする。
 今すぐにどうこうということはないであろうが、将来にわたって、本当に安全かどうかのチェックをしていかなければと思う。県として、今はどんなふうな形で考えているのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 福島原発問題は、基本的には国と東京電力の方で対応される問題であろうと思っている。委員から指摘があったとおり、IOCの場や福島原発を先日視察した際に安倍総理は「影響は湾内にとどまっている」と発言されている。また、IOCでの総理の発言を受けて、原子力規制委員会の田中委員長は、記者会見で「海の汚染は湾内。湾の外側では不検出、またはそれに近い状態である」と発言されている。また、国及び東京電力が原発の周辺の海域のモニタリング検査をしているが、そういうデータによれば、不検出もしくは検出限界に近いような非常に低レベルの状況で推移していると承知している。

《要望》奥村規子 委員
 ぜひ、そういった県民の不安に、県としても応えていただきたいと思う。
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《質問》奥村規子 委員
 働く女性が多くなっている中で、女性が働きやすい環境をつくることが重要であると考えるが、男女共同参画推進事業者の状況はどうか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 男女共同参画推進事業者登録制度とは、男女がともに能力を発揮しやすくするための取組、ワーク・ライフ・バランス推進のための取組、セクシャル・ハラスメント防止のための取組等を行う事業者を募集し県で登録することによって、他の事業者に対し広くその取組を紹介し、男女共同参画の推進を図るとともに、登録事業者の男女共同参画の取組を支援する制度であり、現在のところ県内の登録数は50事業者である。

《質問》奥村規子 委員
 登録数は増えているか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
 増えているが、まだ取組不足の感もあり、今後は経済、福祉、医療等幅広い分野の団体と協力し、広報や事業者の掘り起こしに努めたい。

《要望》奥村規子 委員
 県庁の男性職員の育児休暇取得状況は非常に少ない。先日、アンケート調査を行ったところ、女性が結婚、出産を機に離職することが多いことがわかった。福祉保健部に対してもお願いしたが、厚生労働省が働く女性に妊娠、出産、育児についての法制度を紹介する冊子を発行し、市町村に配布している。環境生活部としても登録事業者も含め、広く積極的に普及を図り、女性が働きやすい環境を作ってもらいたい。

議案に対する採決
議案第 97号 平成25年度和歌山県一般会計補正予算
議案第101号 和歌山県交通安全対策会議条例の一部を改正する条例
議案第103号 和歌山県子ども・女性・障害者相談センター設置及び管理条例及び和歌山県男女共同参画推進条例の一        部を改正する条例
は、全会一致で原案可決


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