和議第126号
             過疎対策の積極的推進を求める意見書(案)

 過疎地域は、我が国の国土の半分を占め、豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、都市に対する食料・水・エネルギーの供給、国土・自然環境の保全、癒しの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大な貢献をしている。
 過疎地域が果たしているこのような多面的・公益的機能は国民共有の財産であり、それは過疎地域に住む住民によって支えられてきた。
 少子・高齢化が急速に進んでいる今日、過疎地域では、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、極めて深刻な状況に直面している。しかし、過疎地域が安心・安全に暮らせる地域として健全に維持していくことが、多面的・公益的機能の維持と、ひいては都市をも含めた国民全体の生活の向上につながることを認識し、引き続き過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を行い、住民の暮らしを支えていく政策を確立・推進することが重要であると考える。
 よって、国においては、以下の項目について強く推進することを求める。

                             記

1 平成22年国勢調査結果を用い、実態として支援すべき地域を過疎地域の市町村に追加すること。
2 地方交付税を充実し過疎市町村の財政基盤を強化するとともに、過疎対策事業債の必要額を確保し、公共施設の解体撤去や防災施設整備及び道路・橋梁の維持補修など過疎対策事業債を適用する対象事業の拡大を図ること。
3 医療や雇用の確保、交通や教育環境の整備等を広域的な事業による対応を含めて積極的に推進し、住民が安心・安全に暮らせるための生活基盤を確立すること。
4 過疎地域においても高度情報通信等社会の恩恵を享受できるよう高度情報通信基盤の整備を図るとともに、過疎地域の活性化や中心都心との交流の促進を図るため、高規格幹線道路等の道路網の整備を促進すること。
5 森林の管理、農地の利用、地域資源を活用した観光及び地場産業の振興等過疎地域の環境と特性を活かした産業振興を支援し、新たな雇用を創出すること。
6 集落対策、都市との交流、多様な主体の協働による地域社会の活性化と人材の育成・活用等による総合的な集落対策を積極的に推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成25年12月19日
          様
                                          和歌山県議会議長 山田 正彦
                                                      (提 出 者)
                                                       冨安 民浩
                                                       長坂 隆司
                                                       雑賀 光夫
                                                       角田 秀樹
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 厚生労働大臣
 国土交通大臣
 農林水産大臣
 経済産業大臣