2014年度和歌山県当初予算


◇ 議案第1号 平成26年度和歌山県一般会計予算
  予算額 5681億3693万7000円
 (前年度)5672億2788万8000円


道路整備費増、経常人件費減
 紀淡海峡道路推進や県防災訓練へのオスプレイ参加を計画
 2014年度一般会計予算案は、総額5681億円で前年比9億円(0.2%)増となりました。
 歳出では、投資的経費を前年比34億円(3%)増額、特に、2015年の紀の国わかやま国体・大会までに高速道路整備を間に合わせるなどのため、道路整備費を365億円(前年比31億円増)、そのなかで高速道路や国道などの国直轄事業負担金が114億円となりました。
 2013年度2月補正予算案でも、国の補正予算にともなう公共事業費163億円のうち6割をこえる109億円が道路関係予算となっています。
 削減したのは人件費で、教職員定数を140人減らすなどで経常人件費は前年比30億円の減額となりました。
 2015年の国体・大会準備では、開閉会式準備や市町村開催の準備など12億円を計上。これまでと来年度を含む国体・大会の総額は350億円(施設整備で約220億円、運営費約90億円、競技力向上で約40億円)にのぼる見通しです。
 ムダな大型公共事業として凍結された、紀淡海峡連絡道路(和歌山市―淡路島)をすすめるための広報活動などに400万円計上しました。
 問題の、米海兵隊輸送機オスプレイ参加を知事が歓迎している県防災訓練は、10月19日に計画されています。

消費税増税による増収分の使いみちと経費増
 4月から消費税が8%に引き上げられることで、そのうち地方消費税は1%から1.7%となります。2013年度の県の地方消費税収約89億円が約150億円になる見込み。2014年度は企業の申告・納付時期が異なるため、その3割程度の約18億円の増の107億円を見込んでいます。
 一方、消費税による県の経費増は約27億円と計算されています。2014年度では増収より経費増が上回ります。県は「税収増は社会保障財源とする」としていますが、社会保障「充実」分は8.5億円にとどまります。保育緊急確保で2億円、国民健康保険や後期高齢者医療制度で法定減免の対象が広がったことで5.5億円など。消費税増税による県の使用料・手数料や施設の利用料などの値上げ分は、約5000万円にのぼる見込みです。

教職員定数削減、高校授業料無償化に所得制限導入
 毎年減り続けている教職員定数を今回も高校16人、小学校77人、中学校48人削減します。国が35人学級を小学校1、2年生までにとどめており、県独自の少人数学級編成がおこなわれていますが、それにみあう教員配置はおこなわれていません。
 高校授業料の無償化が廃止され、所得制限を設ける「高等学校等就学支援金」が導入されました。2014年度4月以降の入学生から、市町村民税所得割額が30万4200円(年収910万円程度)以上の世帯では授業料を負担しなくてはなりません。在学生はこれまでの無償制度が適用されます。県予算では、新1年生の約1,200世帯がこの所得制限を上回る見込みで、1億4000万円程度の負担になります。

高校生の給付制奨学金できる
 国の予算案には、高校生への「給付制奨学金」がもりこまれました。非課税世帯を対象に、生活保護受給世帯で国公立高校は32,300円、私立高校は52,600円、第1子の高校生は国公立37,400円、私立38,000円、扶養している23歳未満の兄・姉がいる第2子以降の高校生は国公立129,700円、私立138,000円(いずれも年額)が給付されます。県制度をつくり、3分の1を国庫補助するもの。新1年生から学年進行で実施されます。

 地震津波対策では、住宅耐震化補助の対象に非木造住宅を追加。耐震診断が義務化された大規模建築物(ホテル・旅館、病院・幼稚園など)の耐震診断・改修への県補助、紀南地方の津波浸水想定地域内の県営団地を避難ビルにするため、外階段や手すりを設置する事業などを計上しました。
 微小粒子状物質(PM2.5)による大気汚染が問題となるなか、現在3ヵ所のPM2.5測定局を5ヶ所増やし、常時監視します。
 4月開校の日高看護専門学校の支援など看護職員対策に約3億5000万円、就職希望者の多い高校への就職指導員配置に約2300万円などを計上しました。