和議第127号
            大規模災害に備えた県土の強靱化を求める意見書(案)

  平成23年9月の紀伊半島大水害では、記録的な豪雨により紀中・紀南地方を中心に甚大な被害を受け、多数の尊い人命が失われた。また、紀南地方唯一の幹線道路である国道42号や内陸の幹線道路が通行止めとなり、迅速な救助・救援活動に支障をきたした。
 更に、平成24年8月に国が発表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、本県で死者が最大約8万人、建物被害が最大約19万棟と示された。また、地震発生後、津波が短時間で到達し、逃げ切れない地域が広範囲にわたることから、本県にとって大規模災害に備えた県土の強靱化が喫緊の最重要課題となっている。
 昨年12月には、国において「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」が公布・施行され、今後、事前防災・減災の取り組みが進められることになるが、本県においても南海トラフ巨大地震への備えとして、国土強靱化基本法の趣旨に則り、「命の道」である紀伊半島一周高速道路など幹線道路ネットワークの早期整備、河川・海岸施設等の機能向上など、取り組みを強力に推進していく必要がある。
 よって、国においては、大規模災害に備えた国土の強靱化を実現するために必要な予算を確保するとともに、下記の事項に特段の措置を講じられるよう強く要望する。

                                 記

1 近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道の事業中区間の早期整備と、紀伊半島一周高速道路の実現に向けた未事業化区間の早期事業化を図ること。

2 津波浸水対策として、堤防の嵩上げや補強、防波堤等の粘り強い構造化、水門・樋門の自動化・遠隔化など、河川・海岸施設等の機能向上に対する支援を行うこと。

3 土砂災害対策として、深層崩壊等の対策研究の推進と本県南部への「国立砂防防災研究所(仮称)」の設置を行うこと。

4 南海トラフの巨大地震・津波をはじめとする大規模災害に備えた対策を要する地域へ優先的に予算を配分すること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成26年3月14日
           様
                                              和歌山県議会議長 山田 正彦
                                                         (提 出 者)
                                                      建設委員会委員長
                                                            森 礼子
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 国土交通大臣
 内閣官房長官
 内閣府特命担当大臣(防災)