和議第130号
                災害時多目的船の導入を求める意見書(案)

 本年3月には東日本大震災の発災から3年の節目を迎えた。2011年3月11日に発災し、甚大な被害をもたらした東日本大震災は、地震・津波・火災・原発事故という複合災害であるとともに、その被害は東北地方太平洋沿岸部をはじめ広範囲に及んだ。
 特に沿岸地域では津波によって壊滅的とも言える被害を受け、被災地域内ではほとんどの医療機関が機能不全に陥るとともに、交通網の寸断により内陸部の医療機関による支援も十分なレベルに達するには相当の時間を要した。
 災害による傷病者、発災前から加療中の患者や要介護・要援護者等も含め、医療・介護を必要とする者が大規模災害の発災時に大量に発生することを十分に踏まえ、不測の事態に陥らないよう、洋上からの医療支援を可能にしておくことは、国民の生命を守るという国の第一の責務を果たす上で重要な施策である。
 また、米国、中国、ロシア、スペインなどにおいては、すでに同様の備えが確立されており、今後、災害多発の可能性が否定できない我が国においては、災害時多目的船の整備の必要性が極めて高いことは論を待たない。
 よって、国においては、以上の現状を踏まえ下記の事項について適切な措置を講じるよう強く要望する。

                                記

1 海上自衛隊や海上保安庁の医療機能を持つ艦船や民間船舶の活用を含めた災害時多目的船の早期導入に向け、具体的な工程表を作成すること。

2 平成26年度の実証事業を具体的な課題の解決に資するものとするため、平成25年度実証事業を踏まえての検討課題を早急にとりまとめること。

3 平成26年度実証事業については、民間船舶を活用するとともに、陸上医療機関との連携、被災港湾の開削、必要人員の確保や機材の配備等、実際の災害を想定して実施すること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成26年3月14日
           様
                                              和歌山県議会議長 山田 正彦
                                                          (提 出 者)
                                                           冨安 民浩
                                                           藤山 将材
                                                           長坂 隆司
                                                           角田 秀樹
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 国土交通大臣
 厚生労働大臣
 内閣府特命担当大臣(防災担当)