和議第138号
       国土の強靱化に資する社会資本整備の推進を求める意見書(案)

 本県は、地理的・地形的・気象的な特性故に、これまで数多くの災害に繰り返し、さいなまれてきた。特に平成23年9月の紀伊半島大水害では、記録的な豪雨により紀中・紀南地方を中心に甚大な被害を受け、多数の尊い人命が失われた。また、紀南地方唯一の幹線道路である国道42号や内陸の幹線道路が通行止めとなり、迅速な救助・救援活動に支障をきたした。
 更に、平成24年8月に国が発表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、地震発生後、高い津波が極めて短時間に到達し、逃げ切れない地域が広範囲にわたり発生することから、甚大な被害が示された。 このため、本県にとって大規模災害に備えた県土の強靱化が喫緊の最重要課題となっている。
 昨年12月には、国において「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」(以下、「基本法」という。)が公布・施行され、基本法の規定に基づき、去る6月3日には「国土強靱化基本計画」(以下、「基本計画」という。)が閣議決定された。今後、本県においても「基本計画」と調和を図りながら「国土強靱化地域計画」を策定していくことになるが、重点化・優先順位付けを行いながら計画的に強靱化を推進し、大規模災害に備え「強さ」と「しなやかさ」をもった安全・安心な県土の構築が必要である。
 よって、国においては、国土の強靱化を計画的に推進することができるよう、下記の事項に関して平成27年度予算の増額及び支援を強く要望する。

                            記

1 紀伊半島一周高速道路の実現に向けた未事業化区間の早期事業化、及び近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道の事業中区間の早期整備推進
2 津波浸水対策として、堤防の嵩上げや補強、防波堤等の粘り強い構造化、水門・樋門の自動化・遠隔化など、河川・海岸施設等の機能向上に対する支援
3 那智川流域、熊野(いや)地区及び三越(みこし)地区での砂防ダム等施設の早期完成、及び大規模土砂災害に関する技術調査の推進
4 住宅の高台移転のため予防的な防災集団移転促進事業の補助限度額の撤廃や補助対象要件の緩和など東日本大震災被災地と同等の特例措置の適用

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成26年6月27日
           様
                                       和歌山県議会議長 坂本 登
                                                  (提 出 者)
                                      建設委員会委員長 立谷 誠一
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 国土交通大臣
 内閣官房長官
 内閣府特命担当大臣(防災)