和議第150号
    中小企業等が加入する健康保険の保険料負担の軽減を求める意見書(案)

 国民皆保険制度は、国民の医療・福祉の根幹をなす日本が世界に誇る優れた制度である。なかでも、中小企業等で働く従業員やその家族に対する健康保険は、従来、国において運営されてきたが、平成20年10月には、新たに全国健康保険協会(協会けんぽ)が設立され、その重要な一翼を担うこととなった。
 以来、協会けんぽは、地域の実情を踏まえた自主自律の運営に励みながら、各都道府県域において保険者としての機能を発揮してきたところであり、その加入者は、平成26年2月末現在、全国で約170万事業所、3563万人、本県においても、約1万3600事業所において、29万人にも及ぶ方々が加入している。
 現在、日本経済は、景気が回復基調にあるとはいえ、その恩恵は大企業にとどまり、県内の中小企業においては依然として、長期にわたる苦境にあえぎ、従業員の給与所得は下げ止まりのままである。少子高齢化に伴う高齢者の医療費増大等によって、平成26年度の保険料率は、全国平均で10%、本県では、さらにそれを上回る10.02%という高い水準にあり、現役世代の負担は非常に高くなっている。
 本県では、平成25年12月に議員提案により「和歌山県中小企業振興条例」を制定し、県を挙げて中小企業等の振興に取り組んでいるところであるが、事業主にとっては、高額の保険料負担は既に限界に達しており、このままでは正規雇用の推進や事業の積極的な展開の足かせになるといっても過言ではない。
 よって、国におかれては、協会けんぽの安定的運営を図り、中小企業等とその従業員の保険料負担の軽減を図るため、次の措置を講じられるよう強く要望する。

                            記

1 協会けんぽに対する国庫補助金の補助率を現行の16.4%から健康保険法本則の上限である20%に、すみやかに引き上げること。
2 高齢者医療制度のための支援金等が協会の財政悪化の主たる要因となっていることから、高齢者医療制度における公費負担の拡充など、抜本的な見直しを行うこと。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成26年6月27日
           様
                                       和歌山県議会議長 坂本 登
                                                  (提 出 者)
                                                   谷   洋一
                                                   長坂 隆司
                                                   雑賀 光夫
                                                   角田 秀樹
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣