和議第151号
地方財政の充実・強化を求める意見書(案)
被災地の復興、子育て、医療、介護などの社会保障、環境対策など、地方自治体が担う役割は年々拡大しており、地域の財政需要を的確に見積もり、これに見合う地方交付税及び一般財源総額を確保する必要がある。
また、経済財政諮問会議などで法人実効税率の見直しや償却資産に係る固定資産税の減免などが議論されているが、公共サービスの質の確保をはかるためにも、安定的かつ地域偏在性の小さい地方税体系を構築することが極めて重要である。
地方自治体の実態に見合った歳出・歳入を的確に見積もるためには、国と地方自治体の十分な協議を保障した上で、地方財政計画、地方税、地方交付税のあり方について決定する必要がある。
公共サービスの質の確保と地方自治体の安定的な行政運営を実現するため、2015年度の地方財政計画、地方交付税及び一般財源総額の拡大にむけて、政府に以下の対策を求める。
記
1 地方財政計画、地方税のあり方、地方交付税総額の決定にあたっては、国の政策方針に基づき一方的に決するのではなく、国と地方の協議の場で十分な協議のもとに決定すること。
2 社会保障分野の人材確保と処遇改善、農林水産業の再興、環境対策などの財政需要を的確に把握し、増大する地域の財政需要に見合う一般財源総額を確保すること。
3 法人実効税率の見直しについては、課税ベースの拡大などを通じ、地方税財源の確保をはかった上で、地方財政に影響を与えることのないようにすること。
4 償却資産にかかる固定資産税やゴルフ場利用税については、市町村の財政運営に不可欠な税であるため、現行制度を堅持すること。
5 地方交付税の別枠加算・歳出特別枠については、地方自治体の重要な財源となっていることから現行水準を確保すること。
6 地方交付税の財源保障機能・財源調整機能の強化をはかり、小規模自治体に配慮した段階補正の強化、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握について、引き続き対策を講じること。
7 人件費削減など行革指標に基づく地方交付税の算定は、交付税算定を通じた国の政策誘導であり、地方自治、地方分権の理念に反するものであることから、このような算定を改めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年6月27日
様
和歌山県議会議長 坂本 登
(提 出 者)
谷
洋一
長坂 隆司
雑賀 光夫
角田 秀樹
(意見書提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
内閣官房長官
産業経済大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)