2014年6月県議会
奥村規子 一般質問 概要記録
議会中継録画
2014年6月18日
1.中小企業支援について
(1)中小企業のおかれている状況
(2)県の中小企業融資制度の今年度方針
(3)「資金供給の円滑化」の状況
(4)金融機関及び県信用保証協会への要請・要望
(5)県内企業に対する資金供給の状況
(6)金融機関の地域への再投資の把握
(7)地域への再投資のための総合的な取り組み
2.産廃行政について
(1)紀ノ川産業に係る安定型最終処分場の使用停止
及び改善を命じるに至った経緯
(2)原状回復についての県の対応
(3)覆土への県の関わりと今後の対応
3.看護職員不足問題について
(1)第七次看護職員需給見通しについて
(2)看護労働の実態把握と取り組みについて
4.医療の供給体制について
(1)第二期和歌山県医療費適正化計画の目的
(2)第六次保健医療計画における病床数の考え方
(3)安心の医療供給体制
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1.中小企業支援について
(1)中小企業のおかれている状況
《質問》奥村規子
県議
おはようございます。議長のお許しを得ましたので4つの点について一般質問させていただきます。
まず、1点目は中小企業支援についてお聞きいたします。
和歌山県は小規模業者の割合が全国一高く、この小規模事業者が元気になることこそ、地域経済の活性化の道です。しかし、小規模事業者にとっては、「アベノミクス」の効果どころか円安による燃料・電気料金、原材料の高騰など厳しい状況が続いています。事業所数は3年間で7%減りました。特に小規模事業者の減少が目立っています。
昨年12月、中小企業振興条例が制定され、このほど知事より「中小企業の振興に関する施策の実施状況」が報告されました。振興条例が出来た大きな成果だと考えています。しかし、振興条例第13条基本方針(5)にある「資金供給の円滑化」という点での報告が少ないような気がいたします。県民からは、なかなか金融機関から融資を受けられないといった声も聞かれます。また報告書では、「政府のデフレからの早期脱却と経済再生の実現に向けた取り組みが功を奏しつつあり、景気が緩やかに回復してきている」としていますが、本県の中小零細企業のおかれている状況は本当にそうでしょうか。
年金や生活保護費の切り下げ、医療・介護の負担増、消費税の増税などで需要が落ち込み、本県の中小企業は極めて厳しい状況にあると考えます。
そこで、最初に知事にお尋ねいたします。
中小企業のおかれている状況を、どのように考えられていますか。お答えください。
《答弁》
仁坂知事
安倍政権発足以来の経済政策により、我が国の経済情勢は、輸出型企業を中心に持ち直してきており、本県についても、昨年度末を中心に回復に向けた動きもみられるところでございます。
しかし、本県は輸出関連企業が少なく、中小企業が多いため、地域経済全体の回復が遅れているというふうに思います。個々のケースでは、そういう中小企業者と話をしていても、例えば、かなり発注が出てきましたなど、経済が回り始めた面もあると思います。しかし、データ的には、全国より遅れているというのは否めないと思います。
また、消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動等による影響もみられます。
直接輸出採算が良くなるというわけではない中小企業の多い本県では、経済の好循環を招くためには、採算が向上した企業に対し、それぞれの事情が許す限り、従業員の給料はもちろんのこと、協力企業への発注について、景気回復のメリットを広く均てんしてもらうよう採算が好転していそうな企業に私自身も含めて要請活動をしてきたところであります。
加えて、恒常的な対策といたしまして、本県では、従来から頑張る中小企業の育成や経営力の強化に向けた各種施策に取り組むとともに、事業活動に必要な資金需要に対応するための融資も実施しております。
加えて、県内産業育成のため、県産品利活用についても、物品の購入において県産品登録制度を設け登録県産品の優先調達に努めることや、その他の役務の調達において業務実施時に県産品資材活用の推奨を定めるなど、さまざまな工夫を講じてまいりましたが、これについては、県議会でお決めいただいた条例に従っているというところであります。
今後とも県内中小企業を取り巻く環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
《要望》奥村規子
県議
私の近所に、1年365日ご商売されてがんばっている方がいらっしゃったんですが、やはり閉店に追い込まれました。そういった状況がまだまだたくさんあるかと思います。ふつうにご商売され、それで生活が成り立っていくことが大事だと思っています。中小企業支援を行っていくという答弁していただいたので、その点をぜひよろしくお願いします。
なぜ、こんなにまで地域経済が衰退してしまったのか考える必要があります。
経済のグローバル化と「構造改革」政策にあるのではないでしょうか。
これまで大型店の立地規制の緩和がなされ、大型店の郊外展開と過当競争がすすみました。その結果、地域経済の根幹を担っていた農業や地場製造業、地域小売業の急速な衰退が進行したということではないでしょうか。
これからは、地域に住む一人ひとりの住民生活が向上し、元気に住み続けられるということが大事です。そのためには、地域内に投資決定の主体があり、それを中心に繰り返し再投資する活動を量的にも質的にも強化する取り組みが必要です。
地域内再投資力をつくる上での地方自治体の役割がとても大きいものです。
中小企業振興条例に基づき、すべての事業者を対象にしたきめ細かい振興策づくりを強力に進めていただきたく要望いたします。
(2)県の中小企業融資制度の今年度方針
《質問》奥村規子
県議
県の中小企業融資制度の今年度方針についてお伺いします。
※資料1をご覧ください。10年間の年度別融資実績の状況です。2008年が「リーマン・ショック」で戦後最大規模の深刻な経済危機に陥った年で件数、金額とも最高となっています。そのほかは年によっては増減がありますが、中小企業融資制度は中小企業にとって設備や営業の運用面でも大切なネックとなるものだと思います。
2014年度の方針はどうなっていますか。
《答弁》
商工観光労働部長
平成26年度の和歌山県中小企業融資制度においては、新規融資枠900億円を確保し、県内中小企業者の経営の安定化と事業の活性化を支援して参ります。
借り入れ返済の負担を軽減する「資金繰り安定資金」や、運転資金の調達を支援する「経営支援資金」など、利用の多い資金を継続するとともに、創業や新事業へのチャレンジ、事業の再生、大規模施設の耐震化など、中小企業者の資金需要の状況変化に適切に対応した、資金の新設・拡充を行っております。
《要望》奥村規子
県議
融資制度についてお聞きしたところ、昨年も900億円の枠取りをされていました。しかし、2008年以外は約半分しか活用されていません。景気の影響などもあるかと思いますが、もっと使いやすいものにするようご検討していただきたいと思います。
(3)「資金供給の円滑化」の状況
《質問》奥村規子
県議
本県の中小企業の「資金供給の円滑化」という点での状況はどうでしょうか。
《答弁》
商工観光労働部長
県といたしましては、県融資制度を低利・固定・長期の資金として提供し、併せて中小企業者の資金ニーズに対応した融資制度とすることにより、県内中小企業の資金供給の円滑化を図っているところです。
全国的な不況業種として国が指定するセーフティネット保証5号については、危機的な状況から回復に伴って徐々に縮小が行われてきましたが、平成26年4月からは206業種に縮小されております。
指定から外れた業種の中小企業の皆様には、県融資制度の他の資金の利用を促しており、特段の困難は生じていないと認識しております。
(4)金融機関及び県信用保証協会への要請・要望
《質問》奥村規子
県議
中小企業振興条例では「金融機関の役割」とありますが、金融機関や保証協会に対してどの様な要請や要望を行っているのでしょうか。
《答弁》
商工観光労働部長
県では、県内金融機関と連携協定を結び、産業施策及び金融施策における両者の特性を活かしつつ、県の中小企業振興施策の周知や、国内の大規模商談会への出展協力などに協働して取り組むことにより県内産業の振興を図っているところです。
また、県では、金融機関や県信用保証協会との意見交換など、常日頃から様々な機会を捉えて、資金供給の円滑化について協力を求めているところです。
特に、リーマンショックや台風12号など多数の県内企業が経営危機に直面した際には、金融機関・県信用保証協会を直接訪問するなどし、県内中小企業の経営の安定化に向け、柔軟かつ積極的な対応を要請し、協力を得て参りました。
今般、中小企業振興条例が制定されたことを契機として、より一層積極的に取り組んで頂くよう、引き続き協力を求めて参ります。
《要望》奥村規子
県議
金融機関の融資をなかなか受けにくいなどの相談についても、県が積極的にのっていただき支援できるように取り組んでいただきたい。
(5)県内企業に対する資金供給の状況
《質問》奥村規子
県議
本県の金融機関の県内からの預金状況を踏まえ、それに対して県内企業にどれだけ資金供給をしているのでしょうか。
《答弁》
商工観光労働部長
和歌山財務事務所のデータによりますと、和歌山県内の金融機関における平成26年4月末の預金残高合計は、4兆6830億円となっております。
一方、貸出金残高合計は、1兆9064億円となっております。
ただし、この金額は、個人に対する住宅ローンや大企業への貸出金を含めた数字であるため、県内の預金がどれだけ県内中小企業者に資金供給されているかにつきましては把握できておりません。
(6)金融機関の地域への再投資の把握
《質問》奥村規子
県議
資金供給の円滑化という上では、各金融機関は、どれだけ地域のために再投資をしているか把握する必要があると思いますが、いかがですか。
《答弁》
商工観光労働部長
資金供給の円滑化の観点におきましては、資金調達方法いかんに関わらず、金融機関が県内中小企業に対し十分な資金供給を行って頂ければよいと考えております。
(7)地域への再投資のための総合的な取り組み
《質問》奥村規子
県議
金融機関の地域への再投資の状況に応じて県財政、基金などの預託や預金、借り入れを行うなど総合的な取り組みが必要だと考えますがいかがですか。
《答弁》
商工観光労働部長
基金の運用等にあたっては、利回り、安全性など様々な観点から総合的に判断のうえ実施されるものでありますが、県の融資制度における預託額については、取扱実績に応じて金融機関ごとに算定する仕組みとなってございます。
《要望》奥村規子
県議
本県の中小零細企業は極めて厳しい経営状況におかれ、資金供給の円滑化を求めています。県当局に置かれましても地域再生投資の観点からも各金融機関と協力して資金供給円滑化に協力していただきたいと要望します。
また、中小企業振興条例ができた機会に、総合的・全面的にこれをどう中小業者さんの活性化に結び付けていくかということから、体制やいろんなことも含めて積極的な取り組みをお願いします。
2.産廃行政について
(1)紀ノ川産業に係る安定型最終処分場の使用停止及び改善を命じるに至った経緯
《質問》奥村規子
県議
2点目は産廃行政についてお尋ねいたします。
最初に、紀の川産業産廃処分場の事業停止命令にいたる県当局の指導と対応の経過についてご説明をお願いいたします。
《答弁》
環境生活部長
当該事業者は、処分場の使用停止に至る以前から許可を受けていない種類の廃棄物、紙くずであるとか木くずなどを混入させるなど、度々不適正な処理を行っており、県は立ち入り検査を頻繁に行うなど、監視を特に強化をし、問題を発見すればその都度厳しく搬入停止であるとか改善の指導を行ってきたところでございます。
その中で平成22年5月、当該処分場において、処理能力を超えて廃棄物を搬入している恐れが発覚をいたしました。
そのため、県といたしましては、即座に新たな搬入を停止させ、現地調査を実施し、改善計画の提出等の指導を行ったところでございます。
しかしながら、その後、事業者の方で十分な対応が見られなかったということは、誠に遺憾ではございますが、平成22年10月4日付けで、処分場の改善と改善がなされるまで、処分場の使用停止を命じたところでございます。
(2)原状回復についての県の対応
《質問》奥村規子
県議
2011年6月本会議では「廃プラ野ざらしの現状」を回復すべく、業者に能力がない場合、県当局に代執行も含めた対応を求めましたが、県はどのように対応されたのでしょうか。お答えください。
《答弁》
環境生活部長
本事案につきまして県は、事業者並びに不法投棄実行者等の責任を問うべきである、当然のことながらそう判断を致しました。廃棄物処理法第19条の5に基づきます措置命令を行うことと致してございます。
命令にあたりましては、対象者の範囲、措置命令の内容についても検討をいたしまして、その後、法令の定めるところにより、手続きを経て、関係者の弁明の機会を付与する手続き等を経まして、平成24年2月20日付けで事業者等に対し措置命令を発出したところでございます。
その内容につきましては、京奈和自動車道路敷地内に事業者が不法投棄した廃棄物の撤去、最終処分場における廃棄物の飛散流出等の防止及び水質の改善でございます。
なお、この間におきましても最終処分場については、県は水質検査を継続的に実施してございます。併せて職員が継続的に処分場については監視を行ってまいったところでございます。
(3)覆土への県の関わりと今後の対応
《質問》奥村規子
県議
事業停止後、紀の川産業産廃処分場の跡地を視察しました。廃プラ野ざらしの産廃処分場は、土で埋められておりましたが、この土で覆う事業について、県当局はいつどのような判断で、どの予算をどれだけ使っているのかお答えください。また、今度いつまでにどのように対応する計画であるかお答えください。
《答弁》
環境生活部長
廃棄物の今回行われました、この覆土につきましては、県が実施したものではございません。平成24年2月、県が発出致しました措置命令を受けて、当該事業者がその年、平成24年11月から年末12月にかけて不法投棄した廃棄物を一部撤去、最終処分場の整地を行ったうえで不完全ながら廃棄物の覆土を行った事実がございます。
ただし、この事業者が施工致しました覆土につきましては、不十分なものでございました。そのため、翌年、平成25年の1月に県から国土交通省の和歌山河川国道事務所に対しまして京奈和自動車道路の工事に伴いまして発生いたします建設残土の提供を依頼、協力のお願いをいたしました、というものでございます。
また、県では、この最終処分場から出る浸透水につきましては、平成21年10月から、毎月水質調査を実施して、周辺環境への影響がないか等を継続的に監視をしてまいってございますが、直近では本年5月に行った水質検査結果におきましても基準値内という形になってございます。引き続き当分の間、この監視と共に水質調査は継続して実施をしていきたいと、そのように考えてございます。
また、今後の対応の分でございますが、このような事案が万一発生するような事態になった場合、ならないように努めるのが務めだと思いますが、そういうふうになった場合、今後とも躊躇無く断固たる措置を執ってまいりたいと思います。事業者の責任を追求することはもとよりでございますけれども、廃棄物の種類、また、規模、それに何よりも周辺の生活環境への影響を十分に踏まえたうえで、国から示されております指針も参考に致しまして、関係機関と共に最も適切かつ迅速な措置を講じてまいりたいとそのように感じてございます。
《再質問》奥村規子
県議
結局、覆土を業者にさせたが不十分であったため、完全に覆土をしたが、県がやったのではないからお金を出していないということでした。ならば、県は国に依頼をして国がやったということでよろしいでしょうか。そういうことからすれば、先ほど言われた「業者に厳しく責任を追及する」ということにはならないのではなでしょうか。
《再答弁》
環境生活部長
確かに最初の覆土の行為は、県が行ったものでございませんし、最終の今の現状のように原状回復できた部分は事業者が行ったものでもございません。
ただ県としては、原状回復ができたこの覆土は、現状において、県がその時の現場の状況なり、いろんな周辺の環境に配慮し、勘案をした上で、関係者のご協力を得て、最も適切な対応をとったものだとそのように考えている次第でございます。
《要望》奥村規子
県議
県としても、周辺のみなさんに環境生活上害のないようにという配慮などを考えられ、覆土の件についても知恵出して取り組まれたことはよく分かりますが、産廃事業者の責任はどうなるのかが分かりません。結果的には、事業者にはその部分の費用負担を求めないということになるということを指摘します。産廃行政についてはしっかりと県民の不安にこたえる対応をしていただきたい。
3.看護職員不足問題について
(1)第7次看護職員需給見通しについて
《質問》奥村規子
県議
3点目は看護職員不足問題について福祉保健部長にお聞きします。
平成25年版の厚生労働白書では次のように述べられています。
「わが国の看護を取り巻く状況は、少子化による養成数の減少、今後の医療ニーズの増大・高度化など大きく変化しており、今後も患者本位の質の高い医療サービスを実現するため看護職員を質・量ともに確保することが求められている」と述べられています。
和歌山県では今年度から、日高看護専門学校が、地元のみなさまはじめ、関係者のみなさまのご努力で開校されました。住民のみなさんや看護現場で働くみなさんにとって大きな喜びになっていることと思います。毎年看護学校を510名の方が卒業しますが、依然として看護職員不足が続いています。働き続けられる勤務環境が急務の課題になっています。
国は、医療従事者の勤務環境の改善にむけた取り組みとして、医療機関の労務管理担当者の研修会や都道府県労働局に配置する医療労働専門相談員による医療機関の労務管理に関する相談支援などワンストップの支援体制の整備、新たな勤務環境改善のためのマネジメントシステムの具体化にむけた調査研究を行うなど、医療従事者の勤務環境の改善にむけた幅広い施策を医療行政・労働行政が一体となって推進することとしています。
そこで、福祉保健部長にお尋ねいたします。第7次看護職員受給見通しではどのようになっていますか。
《答弁》
福祉保健部長
国の看護職員業務従事者届によりますと、平成24年末の県内で就業している看護職員は12,029人で、平成22年の調査から298人増加しております。
しかしながら、第7次看護職員需給見通しでは、平成27年に256人が不足すると推計しており、看護職員の確保対策は喫緊の課題であると考えております。
県といたしましては、日高看護専門学校新設への支援を行うとともに、県外の看護学生等のUターン・Iターン推進や、潜在看護職員の臨床実務研修など再就業支援に取り組んでいるところです。
(2)看護労働の実態把握と取り組みについて
《質問》奥村規子
県議
看護労働の実態把握と、県の取り組みについてお聞かせください。
《答弁》
福祉保健部長
毎年の病院立入検査に併せて行っている看護実施状況調査等において、平成25年7月の1人平均夜勤時間は県内の86病院中16病院で72時間を超えていました。
また、「看護職員が不足している」「業務量が増加している」「夜勤や超過勤務が多く、心身に疲労がある」などの意見がありました。
県におきましては、これらのことを踏まえ、ナースステーションの拡充など働きやすい病棟づくりへの支援、子どもをもつ職員が安心して働けるよう病院内保育所の設置促進等に取り組んでいます。
また、平成24年度から、多様な勤務形態の導入に取り組む病院に対し、和歌山労働局と連携し、ワーク・ライフ・バランスに関する調査を行い、アドバイザーの派遣による助言などにより、環境改善を促進しています。
更に、医療機関の勤務環境改善に係るワンストップ相談支援体制の整備に向けて取り組んでいるところです。
今後とも、看護職員の充足状況や勤務実態の把握に努め、養成力確保・就業促進・離職防止・資質向上を4本柱に、看護職員の確保対策に取り組んでまいります。
《要望》奥村規子
県議
まだまだ看護現場は非常に厳しいという認識を持っていること、今後、看護師確保対策の中で実態を把握していくという答弁をいただきました。県として各病院に対し、独自の「看護実施状況調査」を行っていると聞いています。さらに、そこに働く人の立場からも労働実態を把握していただきたいとお願いします。せっかく若い人が出産してその後も働きたいと思っても、主産後は3交替ができないため正規職員になれず、いったん退職しないといけないことや、病院内保育所を利用したくても十分な体制でなく、利用がかなわない状況などを聞いています。
労働時間の超過勤務についても、早く出勤して残業してから仕事に入る「前残業」という勤務をする職場があることも聞いています。実際の時間や3交替して夜勤の回数がどれくらいあるかなども含めて、総合的な把握を看護実施状況調査とあわせてしっかり取り組んでいただきたいと要望します。
4.医療の供給体制について
(1)第2期和歌山県医療費適正化計画の目的
《質問》奥村規子
県議
4点目は、医療の供給体制について福祉保健部長にお聞きします。
今、国会において「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等を進めるための法律案(以後医療・介護総合法案と呼ばせていただきます)が検討されています。
政府は、高齢化のピークとされる2025年までに入院用ベッドを抜本的に再編・削減することを計画し、特に看護師の配置が厚い「7対1病床」(入院患者7人に看護師1人)については、2014年〜2015年の2年間で9万床を減らそうとしています。法案には、病床機能報告制度を設けて都道府県に各病院の病床を再編するような計画をつくらせ、都道府県主導でベッド削減を推し進める仕組みが盛込められています。病院に「病床削減」や「増床中止」を勧告する権限を知事に与え、従わない場合はペナルティまで科していこうというものです。
政府は、2014年度の診療報酬改定にも、急性期患者の入院日数の制限や、「在宅化」の実績が低い病院に対する報酬削減など、「入院の短期化」に向けた制度改変を盛り込みました。
法制度と診療報酬の両面から、患者さんを病院からいっそう追い出すということになります。
県民にとって、ますます「入院が出来ない」、「入院できてもすぐ退院という」ことになり、不安が広がっています。そこでお尋ねします。
第2期和歌山県医療費適正化計画の目的は何ですか。
《答弁》
福祉保健部長
この計画は、「和歌山県保健医療計画」、「和歌山県健康増進計画」、「わかやま長寿プラン」の取り組みと整合性を図りながら、国民皆保険制度を将来にわたって維持するため、生活習慣病の予防など県民の健康の保持・増進と、医療機関の機能分化・連携による効率的な医療の提供により、医療費の伸びを抑制し、誰もが安心して良質かつ適切な医療サービスを受けられる体制の確保を目的としています。
(2)第6次保健医療計画における病床数の考え方
《質問》奥村規子
県議
第6次保健医療計画における病床数の考え方はどういったものですか。
《答弁》
福祉保健部長
本計画では、2次保健医療圏毎に基準病床数を定めております。既存病床数が基準病床数を上回っている圏域においては、原則として病床の新設又は増加が制限されますが、上回っていることを理由に、病床削減の義務が課されるものではありません。
(3)安心の医療供給体制
《質問》奥村規子
県議
県民が安心して医療を受けられるように、今後の医療供給体制の取り組みについてお答えください。
《答弁》
福祉保健部長
病床機能報告制度に基づく地域医療ビジョンの策定は、各医療機関の医療機能が不明確である現状を踏まえ、病床を急性期・回復期といった機能別に区分し、実情に見合ったバランスの良い病床配置など、本県の医療提供体制の構築に資するものであり、大変重要な取組であると認識しております。
このような医療提供体制を構築するには、医療機関のご理解をはじめ、地域の医療需要の把握や将来推計なども重要であると考えております。
国は、医療法等改正法案を今通常国会に提出しておりますが、それが成立すれば、速やかに地域医療ビジョンの具体的なガイドラインの検討に入るとしておりますので、引き続き、国の動向の把握に努めるとともに、必要に応じ他府県とも連携しながら、地域の実情に応じた制度となるよう働きかけてまいります。
《要望》奥村規子
県議
いま国会で審議されている「医療・介護総合法案」は、入院患者さんを強引に「在宅」に押し戻す一方、「要支援者」、「軽度者」への在宅サービスを後退させ、施設にも入所させないというものです。給付費削減のため、公的保険で医療・介護を受けられる人を限定する内容です。これでは県民の安心は得られません。県としてもしっかりと国に対して安心の医療体制を求めていただきたいと要望します。
仁坂知事の答弁を聞く、奥村規子和歌山県議(右)
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