和議第157号
                 介護従事者の人材確保に関する意見書(案)

 我が国の福祉・介護サービスに対するニーズが急増し、質の多様化・高度化が求められている中、その根幹である介護従事者の人材確保については、急激に厳しさを増しており、慢性的人材不足は深刻化して、職員不足でオープン出来ない施設も見受けられる現状では「緊急的対策が必要な喫緊の課題」となっている。
 団塊の世代が75歳以上となる2025年度に向け、介護人材は、237〜249万人が必要と推計されており、平成24年度の149万人から毎年6.8〜7.7万人の人材を確保していく必要がある。
 他方、離職率が高い現状の中、魅力的な職場づくり及び魅力的な職種づくりは欠かすことができないテーマであり、あわせて「定着・離職防止」を含めた対策が重大かつ必要不可欠な課題である。
 「質が高く持続可能な社会保障」の実現には、それらを担う福祉・介護の人材確保・定着について計画を樹立・実行しつつ、社会保障分野が成長産業分野として発展できるよう、以下について強く要望する。

                               記

1 介護従事者の給与等の処遇改善を行うため、介護報酬の引き上げを図るとともに、それをもとに抜本的な賃金体系の再構築を図ること。

2 ニーズの多様化・高度化の中、質の向上と安心・安全な介護サービスを提供するため、大幅な配置基準の引き上げ及びそのための財源確保を図ること。

3 介護人材育成のための教育・研修体制への財源確保を図ること。

4 「来る2025年の社会保障」にむけて、介護人材の需要、必要とされる資質等を見据え、取り組み方針を明確化し、計画的な人材確保が図られるように対策を講じること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成26年9月26日
           様
                                               和歌山県議会議長 坂本 登
                                                          (提 出 者)
                                                           谷  洋一
                                                           長坂 隆司
                                                           雑賀 光夫
                                                           角田 秀樹
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 内閣官房長官