和議第165号
                地域の中小企業振興策を求める意見書(案)

 本年の円相場は、1ドル=100円前後で推移してきたが、8月以降急速に円安が進行し、12月5日、1ドル=120円台と、約7年4カ月ぶりの水準を記録した。
 このところの過度な円安によって、多くを輸入に頼るエネルギー、資源、食料品など幅広い分野で価格が押し上げられ、中小企業の経営が悪化するなど深刻な影響が懸念される。
 生産拠点の海外移転などで為替変動の影響を吸収できる大企業と違い、中小企業の多くの経営現場は国内が中心である。そのような中小企業の強固な経営基盤があるからこそ、多くの国内雇用が守られているといえる。また、中小企業はコスト増を販売価格に転嫁することが難しいことから、利益を削らざるを得ず、企業努力の範疇を超えた厳しい事業環境に陥っていると考えられる。
 このような過度な円安状況に対しては、政府・日銀が協調して為替の安定に努めることが重要であるとともに、政府・与党が目指す地方創生を進めるためには、地域経済と雇用を支えている中小企業の活性化策や振興策が欠かせない。
 よって、政府においては、地域の中小企業を守る以下の振興策を強力に推進するよう求める。

                              記

 1 中小・小規模事業者が持つ技術・アイデアを製品化し、販路開拓まで一貫支援するため、地域の公設試験場等と連携した研究開発、中小企業基盤整備機構等と連携した販路開拓など、切れ目の無い支援体制を構築すること。

 2 中小企業需要創生法によって、地域産業資源を活用した事業活動を支援するため、消費者ニーズに沿った「ふるさと名物」の開発・販路開拓支援を通し、都市部や海外の需要を大きく取り込むなど、地域発のビジネスモデル構築に向けた積極的な支援を展開すること。

 3 地域の中小企業と人材をマッチングさせる地域人材バンクの創設など人手不足の抜本的解消のための対策を講じること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成26年12月18日
           様
                                                和歌山県議会議長 坂本 登
                                                          (提 出 者)
                                                           谷  洋一
                                                           服部  一
                                                           長坂 隆司
                                                           角田 秀樹
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 経済産業大臣
 厚生労働大臣