2015年2月和歌山県議会  議案に対する反対討論  雑賀 光夫  議会中継録画(2420)
    
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 日本共産党県議団を代表しまして、議案第1号、3号、7号、16号、37号から40号、53号、65号から68号、73号、83号に反対する立場から討論を行います。

 議案第1号、平成27年度和歌山県一般会計予算案は総額5872億円で、戦後3番目の規模となりました。高速道路の国直轄負担金の増額などで幹線道路の整備は前年度比42億円増の407億円となり、投資的経費を押し上げています。
 消費税増税により地方消費税が1.7%に上がったことで、66億円の増収となりました。県は「税率引き上げによる増収はすべて社会保障費財源に活用」するとしていましたが、消費税増税に伴う経費増と自然増分をのぞいた社会保障費への充当は20億円にとどまります。年金や生活保護費は減らされる一方、介護保険料は上がり続けるなど、給付削減と負担増を合わせてみれば、消費税増税により社会保障が充実されたとはいえません。
 第6期となる4月からの介護保険料は、県平均で800円程度が引き上げられ、月額約6,300円にもなります。特別養護老人ホームやデイサービスなどにおける介護報酬の大幅引き下げは、基盤整備の充実に逆行するもので、「介護崩壊」を招くものです。
 国民健康保険料の滞納世帯は16.8%です。完納できない世帯には「資格証」や「短期保険証」を発行しています。こういった制裁的なことはやめるべきです。高すぎる保険料を強いている根本問題こそ解決すべきです。国のすすめる国保の広域化は、保険料軽減のために行われている市町村財政からの繰り入れをなくす方向の重大な改悪です。
 国は「後期医療」の保険料軽減措置を廃止し、さらに引き上げようとしています。年齢差別と負担増の制度は廃止すべきです。県として、国庫負担の増額とだれもが払える保険料に軽減することを国に求めるべきです。
 子育て支援では、就学前までになっている県の子どもの医療費無料制度に県内30市町村のうち29市町村が上乗せしており、この4月からさらに拡充する自治体もあります。県の制度で拡充すべきです。
 教育予算については、少人数学級が学年進行で進められてきたものが小学校2年生までで打ち切られ、その一方で、現場や子どもらに負担を押し付ける、県独自の学力テストや中学生への英検テストがふくまれていることは問題です。
 中小企業支援では、成長分野や新規創業への融資・支援などのメニューが目立ちますが、消費税増税や円安による原材料費高騰に苦しむ小規模事業者を応援し、労働者の所得向上につなげる施策こそ必要です。また、地域経済活性化につながる住宅リフォーム助成制度が、県内市町村にも広がっています。実施自治体の経済効果を検証し、県として実施することを求め続けていますが実現されていません。
 国直轄事業費の県負担が188億円以上にも達していますが、その中には和歌山下津港の南防波堤工事や、日高港の泊地整備というムダな公共事業が含まれています。
 日高港では、現在の水深10mを12mに掘り下げる泊地整備事業がすすめられていますが、3度の事業延長により、総事業費は当初の77億円から95億円へと膨らんでいます。日高港は、企業進出・港の利用ともに進んでおらず、現在の水深でも十分対応できるものです。
 当面使われるあてのない泊地整備を続けるのではなく、震災津波対策・防災対策といった必要な事業に予算をあてるべきです。
 コスモパーク加太対策事業として、今年も6億4千万円近くを支出し、土地開発公社から1平方メートル560円で借りた土地をカゴメ加太菜園に100円で貸すという優遇措置をこれまでどおり続けます。カゴメ加太菜園からの賃貸料収入は、計画が縮小されたことにより半分に減っています。ゆきすぎた優遇措置は見直すべきです。
 以上のことから、議案第1号には反対するものです。
 なお、国の経済対策活用事業について申し上げます。国の補正予算を受け、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」活用に26億円、公共事業等に40億円が2月補正で増額され、新年度において本格的に事業が実施されます。安倍政権によるバラマキと言わざるを得ないものではありますが、活用にあたっては、消費税増税や物価上昇に苦しむ、住民の生活と地域経済の支援につながる事業となるよう求めます。

 次に、議案第3号、中小企業振興資金特別会計は、ゆがんだ同和行政についての反省もなく、高度化資金の貸付や債権管理の実態が不透明なものを残しており、県民の理解を得ることはできません。

 議案第7号、競輪事業特別会計は、公営ギャンブルを認めることはできないという立場から反対です。

 議案第16号、土地造成事業会計については、呼び込み型開発失敗の責任を反省し、説明責任を果たすことなしに、県民の税金から損失補てんを続けることには賛成できません。

 議案第37号から40号まで、議案第65号、66号及び68号は、職員の給与に関する条例の改正であり、職員の給与が平均2%削減されます。国全体で公務員の給与を2500億円削減するとともに、地域手当を見直し地域間格差を拡大する、人事院勧告の「給与制度の総合的見直し」の撤回を要求する立場から反対します。

 議案第53号は、指定介護予防サービス等の事業の人員、設備、運営、支援方法の基準などの改定です。
 「改正」介護保険法は要支援者を介護保険給付から外すというもので賛成できません。

 議案第67号は教職員定数の改正ですが、国が35人学級推進を見送るなか、県独自ででも少人数学級編成にみあう教員配置をすべきではないでしょうか。

 議案第73号、建設事業に伴う市町村負担金については、災害・防災対策などの県単独事業の市町村負担はなくすべきであり、さらなる軽減を求める立場から反対です。

 議案第83号、権利の放棄については、ずさんな債権管理によって中小企業近代化資金の債権放棄を余儀なくされたことは、県民の理解を得ることはできないと考えます。

 以上で、反対討論を終わります。



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