和議第4
   和歌山県の社会資本整備に必要な予算の確保等を求める意見書(案)

 和歌山県においては、南海トラフの巨大地震をはじめとする大規模災害の発生に直面しており、災害に備えた県土の強靭化を図ることは喫緊の課題である。特に、紀伊半島一周高速道路をはじめとする幹線道路ネットワークの整備や津波被害、風水害、土砂災害の軽減を図る社会資本の整備は急務である。

 こうした中、幹線道路ネットワークについては、国において重点的な整備が進められ、近畿自動車道紀勢線「田辺~すさみ間」や那智勝浦道路、京奈和自動車道「紀の川~岩出間」、和歌山岬道路「大谷~平井間」、奥瀞道路(Ⅱ期)は、平成27年9月に開催される「紀の国わかやま国体・大会」にあわせ開通することが発表され、工事が順調に進捗している「南紀田辺IC~南紀白浜IC間」は、7月12日に先行開通の見通しとなるなど、着実に進捗が図られている。
 また、平成23年紀伊半島大水害で被災した那智川流域においては、国直轄による砂防ダム等の施設整備などが進捗し、県土の強靭化に向けて着実に前進している
 和歌山県において、大規模災害に備えた「命の道」である紀伊半島一周高速道路をはじめ防災・減災に資する社会資本の整備は必要不可欠なものである。」
 以上のことから、国土強靭化及び地方創生に資する社会資本整備を一層推進するため、下記の事項について、平成27年度における事業の進捗を図ると同時に、平成28年度政府予算編成にあたっては、必要額を確保するとともに特段の措置を講じられるよう強く要望する

                         記

1 紀の国わかやま国体・大会開催までの開通に向けた事業推進
  近畿自動車道紀勢線「白浜~すさみ間」、那智勝浦道路、京奈和自動車道「紀の川~岩出間」、和歌山岬道路「大谷~平井間」、奥瀞道路(Ⅱ期)については、平成27年「紀の国わかやま国体・大会」までに開通できるよう事業の推進を図ること。

2 直轄道路事業の整備推進
  京奈和自動車道「岩出~和歌山間」、すさみ串本道路、新宮紀宝道路、和歌山岬道路、国道42号冷水拡幅、有田海南道路、鍋谷峠道路の整備推進に必要な予算を確保するとともに、未事業化区間である近畿自動車道紀勢線「串本~太地間」、「新宮~熊野間」を平成28年度に新規事業化すること。

3 土砂災害警戒区域等の早期指定
  土砂災害警戒区域等の早期指定のため、平成31年度までに調査を完了できるよう必要な予算を確保すること。

4 河川・砂防事業の整備推進
  紀の川水系の総合的な洪水対策の推進、紀伊半島大水害からの復興の推進、県内主要河川整備の推進等に必要な予算を確保するととともに、紀の川の治水上ネックとなっている箇所に位置する岩出頭首工の工事早期着手を図ること。

5 津波から"命を守る"対策の強化
  津波から住民の命を救うため、河川・海岸堤防、港湾・漁港施設の強化に必要な予算を確保すること。

6 国土強靭化及び地方創生に資する社会資本整備の推進
  平成28年度政府予算においては、引き続き、東日本大震災復興関係予算を別枠とするとともに、国土強靱化及び地方創生に資する社会資本整備の推進に必要な予算を全額確保すること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成27年6月26日
           様
                                 和歌山県議会議長 前芝 雅嗣
                                              (提 出 者)
                                 建設委員会委員長 鈴木 太雄
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 国土交通大臣
 内閣官房長官
 内閣府特命担当大臣(防災)