2015年6月県議会 文教委員会 雑賀光夫副委員長の質問概要記録
6月23日

《質問》雑賀光夫 副委員長
 就学猶予・免除に係る問題であるが、以前は重い障害を持った方は学校に行けずに、就学猶予・免除ということで全く学校教育を受けられない方がいた。
 3年ほど前に、みはま支援学校に70歳を超えた方から、どうしても学校へ行きたいという希望があり、その方を受け入れてくれたという話があった。最近、その3年間の記録も読んだ。大変感動的な話であったが、その方は、残念ながら3年間勉強した後、がんで亡くなった。
 就学猶予・免除ということで、学校に行っていない方はどのくらいいるのか。そして、そういう方が学校へ行きたいということで学校が受け入れた場合、いろいろなドラマがあったと思うが、そのことが学校に与えた影響や本人の生きる意欲など、いろんな話もあると思う。そのあたりについて、教育委員会でつかんでいることがあれば聞きたい。

《答弁》 特別支援教育室長
 初めに、副委員長から話のあった就学猶予・免除の方の数字であるが、昭和50年度には和歌山県では132名であった。そして、昭和54年度に養護学校が義務制になり、その時点で53名、その後、昭和60年度には5名となっている。平成12年度からは、その方のような病弱・発育不完全等の理由によって就学免除になっている方はいない。
 今、話にあった方は、副委員長ご指摘のとおり、みはま支援学校に平成23年4月に中学部3年生として編入している。和歌山県では、みはま支援学校への入学について、隣接している国立病院機構和歌山病院に入院している免除・猶予されている方に、本人の希望、そして保護者、家族の方の希望、当然のことながら本人の健康面等を確認し、県教育委員会と協議の上、就学を進めているのが現状である。
 その方についても、これまで経験していない友達関係やさまざまな学習を重ね、生きる喜びやこれからの思いを語りながら学校生活を送ったと聞いている。

《感想》雑賀光夫 副委員長
 3年間勉強して亡くなったのは残念であるが、この記録を読むと、途中で入院した場合でも、早く退院して学校へ行きたいと非常に意欲を示されたという感動的な話があった。入学させてもらって大変よかったと思っている。


《質問》雑賀光夫 副委員長
 小中学校の子どもが長期入院した場合、入院中の子どもがただ治療を受けているだけでなくて、そこへ先生が来てくれて勉強もするということで、子ども自身が非常に意欲を持って勉強し、そのことが病気回復の力にもなるという話が現場の先生からあった。そして、何とかならないかということで、県下で初めて病院内学級が海南にできたという経緯があるが、今、病院内学級というのは全県的にどんな状況になっているのか。

《答弁》 学校人事課長
 現在の長期入院の病院内学級は、本年度6月20日現在で名草小学校に2名(和医大附属病院)、吹上小学校で1名(日赤病院)、明和中学で2名(和医大附属病院)という形で、3校5名が在籍している。それ以外のところは、現在受け入れはないが、紀南の方では田辺東部小学校及び高雄中学校(紀南総合病院)、海南市では日方小学校(海南市民病院)、橋本市では橋本市民病院等で開設をしている。

《質問》雑賀光夫 副委員長
 名草小学校2名というふうに複数人数が出てくるが、これは入院している子どもをそこの学校に集めるという形で学級をつくるのか。それとも、たまたま名草小学校に2人の入院する子どもがいたのでそうなったのか。

《答弁》 学校人事課長
 たまたまその学校で複数名あったということである。なお、病院が地域的に限られているので、その学校の在籍をもってそこへ移籍するような形である。

《質問》雑賀光夫 副委員長
 割合に少ないと思った。これは恐らく、市町村教育委員会からこういう子どもがいるので院内学級を学校に置きたいという申請が上がってきて、県の教育委員会として認めようかということであると思う。入院の基準とか生徒の数とか、どんな基準を持っているのか。

《答弁》 学校人事課長
 市町村教育委員会から内申の形で県教育委員会に上がってくる。その期間はいろいろあるが、1ヵ月以上が中心となっており、2ヵ月、3ヵ月という場合もある。

《要望》雑賀光夫 副委員長
 海南で実際に現場からの要望があって置いてもらったことからいって、1ヵ月を越して入院する子どもが県下に相当いるのではないかという感じがする。そして、そういう子どもが単に治療を待っているだけでなく、先生が来てくれて勉強ができるということで、単に勉強におくれないという点だけでなくて、病気の治療面でも効果があり、大変喜ばれた。やはり、こういうことはできるということを県下の教育委員会にも、地域の学校にも知らせていってもらいたい。私は、たまたまみはま支援学校の話を聞いて、かつてのことを思い出しながら申し上げたが、そういう点も十分配慮してもらいたい。


議案に対する採決
議案第96号 平成27年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致で原案可決

継続審査を要する所管事務調査
所管事務調査件名に「7 いじめ・不登校等への対応について」を追加することを全会一致で可決


    2015年6月県議会     雑賀光夫プロフィール、質問一覧
    雑賀光夫ホームページ     日本共産党海南海草議員団
    雑賀光夫facebook      県議団HOME