2015年9月和歌山県議会 意見書案に対する反対討論
奥村 規子 議会中継録画 (44:10~) 2015年9月3日
「企業・団体等による部落差別撤廃のための法律」の早期制定を求める意見書(案)について、反対討論をおこないます。
日本国憲法は、その第14条で「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない。」と明記しています。
それにもかかわらず、こんにちの日本には、さまざまな差別があることは事実であり、憲法の理念を真に実現することは、重要な課題です。
人種・信条・性別などは、その存在を認めながらお互いに尊重し、差別をなくしていくべきものですが、このたび「特化して」とりあげると提案されている「部落差別」、すなわち旧身分による差別というものは、国民が融合してその区別そのものがなくなることこそが必要です。その解決については、1960年代から「同対審答申」、「同和対策特別措置法」によって、大きく状況が変化しました。しかし、同和対策事業の後期においては、過度に「旧身分」を強調し、ゆがんだ「同和行政」をすすめることが、国民融合を妨げるという事態も生みだしています。この歪みは、いまだに解消されたとはいえません。
こうした中で、「部落問題に特化した」立法をはかることは、部落問題の最終解決、国民融合をさらに遅らせることになりかねません。
法律で「部落差別」だけをとりあげるのではなく、日本国憲法の立場に立った基本的人権の尊重のひろがり、国民世論の高まりのなかでこそ、部落問題の最終解決は図られるべきと考え、意見書案には反対です。
最後に、委員会提出の意見書については、全会派の合意に基づきすすめられるよう申しそえて、反対討論を終わります。
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