10月5日、環太平洋パートナーシップ協定交渉が、参加12カ国において大筋で合意に達した。
発表された合意内容は、本県の基幹産業である農林水産業の各分野において、極めて厳しいものであり、多大な影響が懸念されることから、生産者や関係団体等は大きな不安を抱えている。
このような中、政府においては、先に、TPP関連の政策大綱を決定し、説明会の開催等に努められているが、なお、生産者の不安を払拭するに至っていない。
更なる検証が必要であるが、本県農業の基幹品目であるかんきつ類については、特に影響が大きく、今後、多くの生産農家の経営が厳しい状況になるなど、地域経済に深刻なダメージを及ぼすことが懸念される。
よって、国におかれては、かんきつ農家の安定経営を維持し、かんきつ農業の一層の競争力強化を図るため、下記事項について誠実に対応されるよう強く要望する。
記
1 生産性向上による低コスト化
(1)園内道整備や傾斜の緩和など園地改良の推進
(2)かん水施設の整備などの基盤整備の推進
2 高品質化による価格アップ
(1)厳選出荷の推進
・強い農業づくり交付金の拡充、かんきつ特別枠の新設
・低品質果実を加工用に誘導する支援策の拡充
(2)優良品目・品種への転換、ブランド商品拡大への支援拡充
(3)県が行う新品種開発への支援制度の新設
3 輸出促進や6次産業化による販路拡大
(1)輸出促進対策
・植物検疫や食品規制など輸出対象国の法規制情報等を集約し、ワンストップで対応できる窓口の設置
・鮮度保持技術等の研究開発や導入支援
・オールジャパンでの海外プロモーションの実施
・海外販路開拓に取り組む事業者支援制度の新設
(2)6次産業化の推進
・6次産業化ネットワーク活動交付金の拡充
(3)国内農産物の消費拡大運動の展開
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月18日
様
和歌山県議会議長 前芝 雅嗣
(提 出 者)
新島 雄
長坂 隆司
松坂 英樹
多田 純一
(意見書提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)