和議第17
          環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する意見書(案)


 10月5日、環太平洋パートナーシップ協定交渉が、参加12カ国において大筋で合意に達した。
 発表された合意内容は、本県の基幹産業である農林水産業の各分野において、極めて厳しいものであり、多大な影響が懸念されることから、生産者や関係団体等は大きな不安を抱えている。
 このような中、政府においては、先に、TPP関連の政策大綱を決定し、説明会の開催等に努められているが、なお、生産者の不安を払拭するに至っていない。
 更なる検証が必要であるが、本県農業の基幹品目であるかんきつ類については、特に影響が大きく、今後、多くの生産農家の経営が厳しい状況になるなど、地域経済に深刻なダメージを及ぼすことが懸念される。
 よって、国におかれては、かんきつ農家の安定経営を維持し、かんきつ農業の一層の競争力強化を図るため、下記事項について誠実に対応されるよう強く要望する。

                          記

1 生産性向上による低コスト化
 (1)園内道整備や傾斜の緩和など園地改良の推進
 (2)かん水施設の整備などの基盤整備の推進
2 高品質化による価格アップ
 (1)厳選出荷の推進
   ・強い農業づくり交付金の拡充、かんきつ特別枠の新設
   ・低品質果実を加工用に誘導する支援策の拡充
 (2)優良品目・品種への転換、ブランド商品拡大への支援拡充
 (3)県が行う新品種開発への支援制度の新設
3 輸出促進や6次産業化による販路拡大
 (1)輸出促進対策
   ・植物検疫や食品規制など輸出対象国の法規制情報等を集約し、ワンストップで対応できる窓口の設置
   ・鮮度保持技術等の研究開発や導入支援
   ・オールジャパンでの海外プロモーションの実施
   ・海外販路開拓に取り組む事業者支援制度の新設
 (2)6次産業化の推進
   ・6次産業化ネットワーク活動交付金の拡充
 (3)国内農産物の消費拡大運動の展開

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成27年12月18日
           様
                                  和歌山県議会議長 前芝 雅嗣
                                              (提 出 者)
                                                新島  雄
                                               長坂 隆司
                                               松坂 英樹
                                               多田 純一
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 外務大臣
 農林水産大臣
 経済産業大臣
 内閣官房長官
 内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)