和議第30号
      精神障害者への旅客運賃割引制度適用を求める意見書(案)

 わが国における障害者福祉の取り組みは、平成18年に国連総会で障害者権利条約が採択されたことを契機に、条約締結に向け、障害者の意見も十分尊重した上で、国内法令の整備を推進する流れが加速された。障害者基本法の改正をはじめ、障害者虐待防止法、障害者総合支援法、障害者差別解消法の制定のほか、障害者雇用促進法の改正などを経て、平成26年1月に我が国も国連障害者権利条約の締約国となった。
 和歌山県においても、本年4月に施行された障害者差別解消法に基づき、法の目的を踏まえた適切な対応を行っている。しかしながら、このように国内法令の整備や障害者の自立と社会参加のための環境整備が進む中、公共交通機関における精神障害者への運賃割引制度の適用は進んでいない現状にある。
 精神障害者にとって、公共交通機関は、通勤・通学・医療機関への通院・福祉施設への通所をはじめ、日常生活を行う上で欠かせない移動手段であるため、運賃割引の適用により精神障害者及びその家族の経済的負担を軽減することは、外出を促すことにもつながり、社会参加及び社会貢献できる機会の広がりにも寄与するものである。
 よって、国においては、身体障害者及び知的障害者と同等に、精神障害者への旅客運賃割引制度の適用を公共交通機関に求め、その実現のため強く働きかけられるよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成28年6月21日
          様
                                和歌山県議会議長 浅井 修一郎
                                              (提 出 者)
                                               山下 直也
                                               長坂 隆司
                                               松坂 英樹
                                               多田 純一
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 厚生労働大臣
 国土交通大臣