和議第35号
無年金者対策の推進を求める意見書(案)
年金の受給資格期間の短縮は、無年金者対策の観点及び将来の無年金者の発生を抑制していく観点から、2012年2月に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」に明記されたものである。
厚生労働省の推計によれば、仮に受給資格期間を10年に短縮すると、新たに64万人が受給権を得る可能性があるとしている。
諸外国における年金の受給資格期間に目を向けた場合、例えば、アメリカ、イギリスは10年、ドイツは5年、フランス及びスウェーデンは受給資格期間を設けないなど、日本は他国に比べ明らかに長いことが読み取れる。
安倍総理は、本年6月、世界経済が減速するリスクを回避するとともに、デフレから脱却し、経済の好循環を確実にするため、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを2年半再延期することを表明したが、この無年金者対策については、本年8月に示された政府の「未来への投資を実現する経済対策」において、その実施が明記されたところである。
よって政府においては、必要な財源の確保を含め、安心の社会保障の実現を図るため、早急に下記の事項について取り組むことを強く求める。
記
1 無年金者対策は喫緊の課題であることから、年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する措置について、2017年度中に確実に実施できるよう必要な体制整備を行うこと。
2 低年金者への福祉的な措置として最大月額5000円(年6万円)を支給する「年金生活者支援給付金」等については、財源を確保した上で、できるだけ早期の実施をめざすこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年9月28日
様
和歌山県議会議長 浅井 修一郎
(提 出 者)
山下 直也
岸本 健
長坂 隆司
多田 純一
(意見書提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣