和議第43号
   民泊に対する地域の状況に応じて運用できる法制化を求める意見書(案)

 昨今の国外からの観光客増に伴い、マンションの空室や空家などを利用した、いわゆる民泊についての課題が取り沙汰されている。
 和歌山県においても、年々訪日外国人客が増加しており、今後多様な宿泊ニーズに対応するため、民泊が増えていくことが予想される。それに伴い、旅館業法の許可を得て地域と良好な関係で営業するものがある一方、民泊と称し無許可で地域とトラブルを起こす業者(又は個人)が出現し、地域住民から騒音やゴミの苦情、火災の不安等が寄せられる恐れがある。
 民泊については、これまでに、政府の規制改革会議で規制の見直しや緩和策が検討されてきた。この中で、現行法では営業が認められていない住居専用地域でも可能にする方向で検討が進められている。また、この新たな枠組みで提供されるものは、住宅を活用した宿泊サービスであり、ホテル・旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の法制化にするとされている。
 よって、国においては、法制化に当たり、下記のとおり取り組むよう強く要望する。

                           記

1 規制緩和されていない現時点の違法民泊施設について、早急に取締強化を国において進めること。
2 民泊について、ホテル・旅館に準じたルールを設け、例えば、施設の所在地と経営者が特定できる状況としたうえで、公衆衛生、防火・防災や防犯など管理責任の点で明確なルールを設けるとともに、その遵守を徹底させる策を盛り込むこと。
3 地域住民の安全・安心な生活環境を守り、社会不安が生じないよう、地域の状況に応じて運用できる法制化を進めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成28年9月28日
           様
                                和歌山県議会議長 浅井 修一郎
                                              (提 出 者)
                                               山下 直也
                                               長坂 隆司
                                               松坂 英樹
                                               多田 純一
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 厚生労働大臣
 国土交通大臣
 内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革担当)