和議第45号
          紀伊山地における国直轄による大規模土砂災害
           対策事業の 強力な推進を求める意見書(案)

 近年の集中豪雨の局地化・激甚化や南海トラフ地震等に起因する大規模な土砂災害に備え、国土強靭化を進めることは喫緊の課題である。
 未曽有の被害をもたらした平成23年の紀伊半島大水害に対しては、国において、平成24年度から5年間の計画で直轄特定緊急砂防事業に取り組んだ結果深層崩壊による土砂ダムの急激な侵食を防止するための安定化対策の実施や土石流の再度発生に備えた砂防堰堤が完成をみることとなった。
 このことにより、一定の安全度が確保されたが、田辺市の熊野地区や那智川流域では、引き続き安全度向上のための対策の実施が必要である。
 さらに、大水害により紀伊山地には約3千箇所にも上る崩壊地が存在することとなり、多数の崩壊した山腹斜面等を抱える河川、特に、熊野川、日置川、那智川の各流域では、未だおびただしい量の土砂が流出し続けており、地域住民の安全で安心な日々の暮らしを確保するためにも、抜本的な土砂流出対策が必要な状況にあるとともに、その実施には高度な専門的知見と技術力が求められる。
 よって、国におかれては、土砂災害対策に万全を期すため、下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

                           記

 平成23年台風12号の紀伊半島大水害により、深層崩壊等で著しい被害を受けた流域において、抜本的な土砂災害対策を実施するため、平成29年度から国直轄による新たな土砂災害対策事業に着手すること。
 また、熊野(いや)地区や那智川流域における直轄砂防事業を継続すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成28年12月20日
           様
                                和歌山県議会議長 浅井 修一郎
                                              (提 出 者)
                                 建設委員会委員長 濱口 太史
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 内閣官房長官
 国土交通大臣
 内閣府特命担当大臣(防災)
 国土強靱化担当大臣