和議第52号
       参議院議員選挙における合区の解消に関する意見書(案)

 第24回参議院議員通常選挙において、憲政史上初の合区による選挙が実施されたが、合区された「鳥取県と島根県」、「徳島県と高知県」では、有権者に候補者の政策や人柄が伝わらないことや、地方の声は国政にどう響くのかとの不安から、合区解消を求める声が一段と大きくなっている。
 参議院議員選挙の一票の較差是正とはいえ、合区制度は、県の歴史、文化、県民性などを無視したものである。
 人口を基準にのみ議員定数を決定するのであれば、今後人口減少が続く地方を中心に合区が広がることは明らかであり、将来和歌山県単独で選出された国会議員が無くなれば、県民の意思は国政に届かず切り捨てられてしまう恐れがある。
 参議院議員の選挙制度は、歴史、文化、自治体のあり方などを踏まえた上で制度設計されるべきある。
 都道府県というものが、歴史的にも文化的にも政治的にも一体としての実態を有している中で、国においては、二院制における参議院のあり方、役割を踏まえ、参議院議員の選挙制度については、都道府県から少なくとも1名が選出されることを前提として、検討を行い、合区の解消を図ることを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成29年3月16日
           様
                                和歌山県議会議長 浅井 修一郎
                                              (提 出 者)
                                               山下 直也
                                               岸本  健
                                               長坂 隆司
                                               多田 純一
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 内閣官房長官