2017年2月和歌山県議会
  
補正予算関連議案に対する反対討論 奥村 規子
  2017年3月2日
    中継録画15:30  ~)

  


 日本共産党県議団を代表しまして、議案第17号、22号、60号及び72号に対する反対討論を行います。
 議案第60号は、県の南紀白浜空港の民営化に道を開く条例改定であり、議案第17号の一般会計補正予算には債務負担行為として南紀白浜空港のコンセッション方式の公募にむけたコンサル委託費が計上されています。
 国はこの間、「民活空港運営法」にもとづき、滑走路などの所有権を国に残し、運営権を民間会社に与えるコンセッション方式を各地ですすめています。和歌山県では、県営白浜空港にもこのコンセッション方式を導入すべく検討をし、新年度の公募に向けて今回の条例改定が提案されたものです。
 国の空港民営化の動機は、国が行ってきた赤字の空港運営と黒字の出ている民間の空港ビルの運営を、一括して民間が行えば赤字が出なくなることや、着陸料を安くすることなどにより空港活用がすすむということをねらったものです。しかし、年間何百万人もの利用者がある空港ならともかく、利用者が少なく赤字の地方空港においてはそれらの問題が簡単に解決できるとは思えません。
 白浜空港への指定管理の導入にしても、それよりさらに運営会社にとって自由度の高いコンセッション方式にしても、安全性の担保や運営会社に対するコントロール権、利便性向上と利用促進、県の財政負担など、どの分野においても契約する民間会社とこの先、協議するということになっています。メリットは確かとはいえず、デメリットへの対応も不確実です。
 また、空港の民営化が進めば、空港間競争を促すことになり、地方空港の経営悪化につながるおそれもあります。競争激化の末に採算が合わず企業が撤退することもありえます。県営に戻るとなったときには、これまで県職員が空港運営で継承してきた技術や経験が途切れてしまっており、簡単ではないことが考えられます。
 以上のことから、南紀白浜空港の運営権を民間会社に譲渡する道を開く条例改定と補正予算には対します。
 議案第22号は、県営競輪事業特別会計補正予算です。カジノ解禁推進法の成立が強行されたことで、ギャンブル依存症のさらなる増加が懸念されています。あまり知られていませんが、日本のギャンブル依存症患者は推定536万人、成人の4.8%で、アメリカの1.6%やオーストラリアの1%と比べて突出しています。
 日本共産党県議団として、公営ギャンブルには一貫して反対してきた立場から、議案第22号には賛成できません。
 議案第72号は建設事業施行に伴う市町村負担金ですが、市町村負担金のさらなる軽減を求めて反対します。
 以上で反対討論を終わります。

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