2017年6月和歌山議会
意見書案に対する反対討論 奥村規子
2017年6月30日
中継録画(46:10~)
日本共産党県議団を代表しまして、意見書案に対する反対討論を行います。
和議題58号は、森林環境税の早期創設を求める意見書案です。
2015年12月に発表された「税制大綱」のなかでは、森林吸収源対策として、必要な財源を都市・地方通じ国民に等しく負担を求め、市町村による森林整備等の財源に充てるとしています。和歌山県でも「紀の国森づくり税」が導入されているように、2016年4月時点では、37の府県と横浜市で自治体による森林環境税が導入され、均等割りの超過課税が行われています。さらに国による森林環境税を導入すれば、県民にとって二重課税になります。また、所得の水準にかかわらず、一律の負担を求めることにも賛成できません。
森林・林業における地球温暖化対策は、すでに導入されている「地球温暖化対策税」を拡充して、大企業の製造責任・排出責任を問うルールを確立し、使途に森林吸収源対策を位置付けて、必要な財源を充てるべきです。
次に、和議第60号は、地方創生を重視した特定複合観光施設区域の選定を求める意見書案です。
昨年、刑法で禁じられた賭博を合法化する「カジノ解禁推進法」が成立しました。これまで賭博が禁じられてきたのは、法務省の説明によると、賭博は人々を依存症に陥れ、仕事を怠けさせ、賭けるお金欲しさに窃盗、横領などの犯罪まで誘発して公序良俗を害することや、賭博が横行すればまともな経済活動が阻害されるためとされています。
賭博は新たな価値を生むものではなく、人のお金を巻き上げるだけであり、経済対策としてあげるものではそもそもありません。雇用が増えるといいますが、増えた雇用の何倍もの人生が台無しになることを忘れてはいけません。
和歌山県は、IR誘致は外国人観光客などを対象とした観光振興につながるといいます。しかし、カジノ推進のシンクタンクである大阪商業大学の谷岡一郎学長の発言から、ターゲットは外国人観光客ではなく、日本人の貯蓄、金融資産だということが明らかになっています。また、ラスベガスやマカオなどの海外資本が、日本の個人金融資産は魅力的な対象であると公言しています。このもとで、和歌山県や和歌山市で入場規制として提案されている「外国人専用」は守られるのでしょうか。
また、ギャンブル依存症の対策ができれば、日本人も入場できるようにするといわれます。カジノを解禁している世界のどの国をみても、依存症になった後の事後処置だけ、カウンセリングや病院での治療だけで、カジノを解禁しておいて依存症を増やさない対策などどこにもありません。依存症を増やさない唯一の方法は、カジノ、賭博そのものを解禁しないことです。
以上のことから、カジノを何としても県内へ誘致するためにIR実施法案の施設要件の緩和などを求める意見書案には断固反対を表明します。
以上で、意見書案に対する反対討論を終わります。
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