和議第67号
     和歌山県の国土強靭化及び地方創生に資する社会資本整備に
             必要な予算の確保等を求める意見書(案)

 本県は、地形的・気象的な特性ゆえに、これまで度重なる災害を経験し、多くの尊い人命を失い、莫大な経済的・社会的損失を被ってきた。最近では平成23年の紀伊半島大水害や今年10月の台風第21号において、甚大な被害が発生している。
 このような経験を踏まえ、本県では災害による犠牲者ゼロの実現を目指し、津波対策や浸水、土砂災害対策、さらには、災害時の救助・救援に不可欠となる幹線道路網の整備などにより国土強靭化を推進するとともに、本県が有する自然、歴史、文化などを活かした魅力ある地域の創造による地方創生についても推進していく必要があることから、平成29年度補正予算においては、防災・減災対策の推進のため、平成30年度予算においては、防災・減災対策、地方創生の推進のため、下記の事項に特段の措置を講じられるよう強く要望する。

                          記

1 国土強靭化及び地方創生に資する社会資本整備の推進
 防災・安全交付金や社会資本整備総合交付金により、国土強靭化や地方創生を推進するために必要な予算を確保すること。

2 高規格幹線道路の整備推進
 紀伊半島一周高速道路の早期実現のため、事業中区間である「すさみ串本道路」や「新宮紀宝道路」、「有田~南紀田辺間」の4車線化の整備推進に必要な予算を確保するとともに、未事業化区間である「串本~太地間」、「新宮~熊野間(新宮紀宝道路を除く)」を早期に事業化すること。

3 県内幹線道路等の整備推進
 国道42号有田海南道路、冷水拡幅や国道169号奥瀞道路(Ⅲ期)等の整備推進はもとより県内幹線道路やそれを補完する道路の整備推進、緊急輸送道路等の橋梁耐震化や法面強化を図る上で必要な予算を確保すること。

4 津波から"逃げ切る"ための堤防等の整備推進
 津波から住民の命を救い、犠牲者をゼロとするため、3連動地震の津波避難困難地域の解消に向け堤防等の整備を優先的に実施している。さらに、経済被害を抑え早期の復旧・復興につなげるため港湾・漁港の既存施設の嵩上げや拡幅等の強化対策を推進しており、これらの整備推進に必要な予算を確保すること。

5 河川事業等の整備推進
 近年、激甚化傾向にある台風や集中豪雨による浸水被害が多発していることから、県内主要河川の整備推進に必要な予算を確保すること。また、国直轄により緊急対策特定区間として重点的に事業を実施している紀の川岩出狭窄部対策や熊野川緊急治水対策について、早期に完了できるよう事業推進に必要な予算を確保すること。
 さらに、中小河川等における水防災意識社会の再構築に資する水害リスク情報等の充実などに必要となるソフト対策の予算を確保すること。

6 砂防事業等の整備推進
 紀伊半島大水害により甚大な土砂災害が発生した那智川流域や熊野地区、また、紀伊半島大水害以降、大量の土砂が流出している地域において、国直轄による土砂災害対策の早期完成を図るために必要な予算を確保すること。
 また、土砂災害の危険性が高まった箇所の早期事業着手と事業継続箇所の早期完成、土砂災害防止法に基づく基礎調査の推進に必要な予算を確保すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成29年12月19日
           様
                               和歌山県議会議長 尾 﨑 太 郎
                                             (提 出 者)
                               建設委員会委員長 岩 田 弘 彦
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 国土交通大臣
 内閣官房長官
 内閣府特命担当大臣(防災)
 国土強靱化担当大臣