2017年12月和歌山県議会
  平成28年度決算の認定に対する反対討論 奥村規子
    
                                         中継録画7:20~)
                                           20171218
 日本共産党県議団を代表して、議案第165号「平成28年度和歌山県歳入歳出決算の認定について」、および議案第166号「平成28年度和歌山県公営企業決算の認定について」の決算認定2議案について、反対の立場から討論を行います。
 議案165号は「平成28年度一般会計歳入歳出決算認定」についてです。
 国民に生活悪化を押し付けてきたアベノミクスの経済対策から5年近く経ようとしています。この間、厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」の和歌山県の年収状況を見ても、2016年の平均年収は435万2,000円で、2012年の5年前と比べても、増えるどころか少し減っています。一世帯あたりの家計消費も2009年と2014年を比較すると、年間19万円落ち込んでいます。2004年と比べると、年間72万円も減っています。県税収入の方も前年度に比べ4.1%の減少となっています。
 県は、京奈和自動車道の整備、消防学校などの建替えを行いました。一方で、紀の国わかやま国体・大会の終了に伴う開催経費の大幅減と、「新行財政改革プラン」にもとづいて「財政健全化」を推し進めましたが、県民の暮らしは依然として大変です。暮らしを応援し、中小企業・小規模企業の振興による内需拡大・地域経済の再生に県政を転換することが求められています。また、国体開催の翌年ということで、県民誰もがスポーツを楽しめる環境づくりに取り組めたかが問われるところです。
 決算規模及び収支は、一般会計歳入5540億円、歳出5457億円で約83億円の黒字となり、実質収支では約36億5000万円、実質単年度収支は黒字決算となっています。一方、県債残高は1兆329億円あまりと、毎年増え続けています。
 分野別にその内容を見ますと、まず、社会保障の分野では、私たちが予算審議でも評価したように、第3子以降の保育料無料化の対象拡大や、大学生等の進学給付制度新設などに取り組まれています。しかし、全体としてみるならば「社会保障の安定財源確保」を理由に、国は国民に対して消費税率の引き上げを求めてきたにもかかわらず、社会保障関係費を抑えています。県でも、行革で県民の暮らしを削っていることは問題です。
 県の社会保障費の伸びは、前年と比べわずか0.9%増えただけです。県民は介護保険料の値上げや軽度者の保険外し、生活保護基準の引き下げなどに苦しめられました。
 そのなかでも、子ども医療費無料化への努力が市町村で広がっています。また都道府県の制度としても広がる中で、県としての支援は遅れている状況です。
 国保の問題も深刻です。保険料の滞納は12%にも及んでいます。
 保険料の軽減措置など一定は図られていますが、「払いたいけど払えない」という声を聴きます。さらに負担の軽減を求めるものです。
 雇用や暮らしの問題では、県は「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」として、創業支援や企業の地方移転、地方移住の推進、「若い世代の経済的安定」などに取り組んでいます。
 しかし、中小企業の経営環境は依然厳しく、倒産件数は前年度を上回り91件となっています。中小企業の振興条例ができて4年ですが、制度融資が最も多く、不用額も210億円余りあります。本当に支援を必要とする中小企業への支援がさらに必要です。中小企業振興条例に基く支援強化のためには、住宅・店舗リフォ-ムの創設などの直接支援を行ってゆくことが大切です。しかし、県は企業立地促進対策助成事業には17社、7億6000万円あまりも補助し優遇しています。
 地域に根ざした中小企業の振興・支援策を進めるべきです。
 次に、農業の分野では、中山間地の多い和歌山県は、国が推進する「強い農業」「稼げる農業」を追随する施策だけでは県の農業は立ち行かなくなります。地域農村で「暮らせる農業」としての支援が必要です。
 教育の分野では、国の学力テストに加えて県独自の学力テストが続けられました。テストの順位を競うテスト漬けはやめるべきです。小学校年生から3年生になる時に少人数学級編成ができなくなるケースが依然としてあります。定数内講師も507人が残されたままとなっています。
 公共事業の分野では、災害復旧や防災、生活のために必要な道路などがありますが、その一方では、過大な需要予測による港湾整備など、不要不急の大型公共事業を続けてきました。今後、人口減少社会になり、労働人口も自動車保有台数も減る中で、過大な需要予測による大型公共事業は認められません。これからの公共事業は開発型の大型公共事業ではなくて、維持管理・老朽化対策など、生活密着型に切り替えることが必要です。
 中小企業振興資金特別会計の収入未済額のほとんどが、同和行政のゆがみによる中小企業高度化資金です。その延滞額は、依然として85億円以上に上っています。
 さらに、黒字決算と言っていますが、その裏で「新行財政改革プラン」で、職員定数が大幅に削減されています。職員の残業が増え、災害への対応は大変です。
 また、多額の国直轄事業負担金が県財政への大きな負担になっています。国に対して、その廃止・軽減を要求していってもらいたいと考えるものです。
 こうしたことから議案第165号、決算の認定議案には賛成できません。
 次に、議案第166号「平成28年度和歌山県公営企業決算の認定について」です。
 土地造成事業会計では、起債の償還残高が57億9100万円となっています。毎年繰り入れられている1億5700万円の、一般会計からの補填が膨らむことを懸念するものです。
 工業用水道会計は黒字ですが設備の老朽化が大変心配です。
 また、県財政がかかえる爆弾ともいえるコスモパーク加太の債務保証問題があります。なかでも、土地開発公社から1㎡581円で借りた土地を20億円かけて造成し、カゴメ菜園に1㎡100円で貸すという破格のスキームで、平成28年度も6億465万円を支出しています。
 以上で、決算関係議案への反対討論といたします。

 2017年12月議会   奥村規子プロフィール、質問一覧
 ブログ「おくむらのり子のぴょんぴょん日記」
 奥村のり子facebook   県議団HOME