2018年2月県議会 福祉環境委員会
 奥村規子委員長の質問概要記録

201837
【環境生活部】
議案第47号 和歌山県住宅宿泊事業法施行条例に対する審査

《質問》奥村規子 委員長
 住宅宿泊事業法ができた時は心配だったが、条例案が提案されたときも青少年への影響などいろいろな事件との関係で心配していたところ、すぐに三田市の女性の事件があった。そういうことにならないために、この厳しい条例が提案されている背景はよくわかる。
 旅館業法でやってきた中で、そのまま対応できないものかという思いはあるが、外国からの観光客がある中での対応という目的もあって、条例はできているのだと思う。
 これで十分だということは決してないと思うので、先ほど山本委員も言われていた、誰が、どこで、どう規制をきっちりやっていくかを、県民の不安につながらないように、ぜひやっていかないといけないと思う。これは地域の協力や理解もなければできないのではないかと思う。
 京都の例で、近所には通知たけが行って顔も見せないということがあるが、それは条例で定めればきちんとなっていくと思う。業者の姿勢もあると思うので、そこは厳しくやってもらいたいと思う。いろいろな事例があれば、その都度、研修などでしっかりと法の趣旨を伝えて、県民が不安になるようなことがないようにと願う。
 そこで、例えば、小学校の周辺100mでは旅館業法では許可できないとかあるが、今回の民泊では適用はどうなるか。

《答弁》 食品・生活衛生課長
 学校周辺100mや住居専用地域での制限については、兵庫県や大阪市でも検討されているが、住宅宿泊事業法18条を受けて区域と期間を定めて制限できることになっている。
 条例案では、事業者にはこのルールをしっかり守り、管理責任を果たしていただくことで、すべての地域において、生活環境への悪化防止ができるため、今のところ、一定の区域と期間を定め、制限する条例については考えていない。

《質問》奥村規子 委員長
 事業者に求めている外国の宿泊客への説明について、説明をするときに、外国の言葉で、わかる言葉でと書かれているが、外国と言ってもどういう範囲のことを言っているのか。

《答弁》 食品・生活衛生課長
 事業者が外国人宿泊客にきっちり守るべきルールを説明していただくことになるが、その場合、外国語が話せない方には書面に書いて、それを見せて守るべきルールをしっかり説明するということになっている。

《質問》奥村規子 委員長
 利用する人のモラルも大事だとは思うが、世界各国の言葉を書面にするということか。

《答弁》 食品・生活衛生課長
 英語で表記することしかできないのであれば、受け入れるのは英語圏内の方だけとか、それは事業者の考え方によると思う。

《要望》奥村規子 委員長
 しっかりと条例に基づいて指導をしてもらうように、新島議員も一般質問で言われていたが、指導監督をしっかりするということと、不都合なことがあれば、県民の生活を守るという立場で、柔軟に条例を見直すということをお願いしたい。

議案に対する採決
議案第47号 和歌山県住宅宿泊事業法施行条例
は全会一致で原案可決


2017313
【福祉保健部】
《質問》奥村規子 委員長
 介護報酬が少し引き上がったと聞いているが、依然として介護現場では、人材不足等が厳しく、人の確保というところで、事業者の運営・経営に大変な労力がかかっていると聞いている。今回の介護報酬改定が介護職員の処遇改善に結びつくか、見通し等について県の考えはどうか。

《答弁》 長寿社会課長
 平成30年度は3年に一度の報酬改定の年であるが、介護人材の確保については、現在喫緊の課題であり、今回の改定で処遇改善について特定の報酬改定はなされていないが、平成29年4月から介護職員処遇改善加算として、1年前倒しで新たに介護職員1人について1ヵ月1万円程度の処遇改善加算が設けられた。
 また、今回の報酬改定では全体で0.54%のプラス改定になっており、事業所としてはその財源を使って処遇改善を行うところも出てくるであろうと考えている。

《質問》奥村規子 委員長
 今年度の処遇改善加算の実態について、介護職員の定着が少しよくなったとか人材確保の面で効果が出ているといったことはないか。

《答弁》 長寿社会課長
 平成29年4月から取り組んだ実績が現時点でどのような形で反映されているか把握していないが、介護人材の確保という点では、仕事の割に処遇が厳しいという課題があるので、県内の介護事業者には処遇改善加算を取得するように指導しており、今年度から始まった処遇改善加算を既に6割以上の事業所が取得していることから、今後、人材の定着が進むのではないかと考えている。

《要望》奥村規子 委員長
 処遇改善がどのように具体的に前進したか、実態がわかった時点で教えてもらいたい。
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《質問》奥村規子 委員長
 高校生を対象とした新規就労の促進ということで、事業の経費が計上されている。高校生から介護職に就労する人数がふえている傾向があれば嬉しいが、状況はどうか。

《答弁》 長寿社会課長
 高校生からの就職の状況であるが、年間200名程度就労している。地元への定着という意味では一定数を確保している。ただ、その時々の経済状況などにより、若干の変動はあるが、ある程度安定的に県内で就労に結びついている事業であると評価している。
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《質問》奥村規子 委員長
 リハビリテーション系大学の誘致について知事の答弁があったが、どの程度考えられているか。

《答弁》 健康局長
 ぜひ誘致を行っていきたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員長
 理学療法士や作業療法士だけではなく、現場では言語聴覚士や心理療法士といったさまざまな専門の方々からの要望を聞いている。これからは公的病院も病気を治すだけではなく、健康に対するアプローチを実施するなど公的な機関としての役割を果たす必要があると考えている。
 地域で過ごす上ではコミュニケーションや自活ができるかといった問題もある。総合的な観点から、リハビリ人材の確保・養成に積極的に取り組んでいただきたい。

議案に対する採決
議案第48号 和歌山県紀南児童相談所設置条例の一部を改正する条例
議案第49号 和歌山県子ども・女性・障害者相談センター設置及び管理条例の一部を改正
       する条例
議案第50号 和歌山県指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を
       定める条例の一部を改正する条例
議案第51号 和歌山県指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介
       護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準
       等を定める条例の一部を改正する条例する条例
議案第52号 和歌山県指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める
       条例を廃止する条例
議案第53号 和歌山県介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める
       条例
議案第54号 和歌山県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基 準
       等を定める条例の一部を改正する条例
議案第55号 和歌山県指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定 め
       る条例の一部を改正する条例
議案第56号 和歌山県指定障害児入所施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定め る
       条例の一部を改正する条例
議案第57号 和歌山県看護職員修学資金貸与条例の一部を改正する条例
議案第58号 修学資金等の返還に係る債務の免除に関する条例の一部を改正する条例
議案第59号 和歌山県特別会計条例の一部を改正する条例
議案第60号 和歌山県国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
議案第61号 和歌山県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案可決


【環境生活部】
《質問》奥村規子 委員長
 風力発電について、先日、紀美野町の会長さん方が、林地開発許可をしないでほしいという署名を知事あてに届けた。
 今回の風力発電の計画は74基(43期に変更)で、1基あたりの施設の規模が大きいと聞いている。計画が少し縮小され、2つの事業が計画されているが、一体のものとして環境アセスメントを考えていくのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 風力発電事業については、環境影響評価法に基づく環境影響評価を実施している。
 当初は、一つの事業として手続きを実施していたが、方法書が出された段階で2つの事業に分けるということになっており、それぞれで調査を実施してもらうが、元は一つの事業として出てきているので、アセスメントについては一体的なものと考えている。

《質問》奥村規子 委員長
 環境アセスメントについては、ひとかたまりの土地を開発するということで対象としているが、風力の場合はいくつも施設がある中で、開発地域、運搬道路等を含めて、面積はどのような計算になるのか。アセスメントの対象地域としてはどのように考えるのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 風力発電の場合、環境影響評価の基準は、面積ではなく一定の発電出力以上が対象となっている。
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《質問》奥村規子 委員長
 和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例案について、議案書の58ページに、「ア 当該森林の現に有する土地に関する災害の防止の機能からみて、当該太陽光発電事業に関する工事により当該森林の周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること」と書かれている。
 直川と六十谷の現地では、地すべりの状況があちこちにある。この「崩壊」というのは地すべりも含めるのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 地すべりというのは地面が滑って崩壊するということなので、その中に含まれると考えている。

《質問》奥村規子 委員長
 条例施行前に、既に着手している場合は、適用がないということになると思うが、例えば既に99ヵ所太陽光発電設備が設置されているというところがあり、条例の対象となる規模なのかどうかはわからないが、苦情や被害の情報があるとすれば、今後、条例による対応は考えられないのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 どの時点から条例を適用するかということについて検討した結果、条例では一定の手続きを課していくことになることから、一定の猶予期間が必要と考え、公布の日から3ヵ月以内で規則で定める日をもって施行することとしている。
 既に着手している方について、一から条例に基づく手続きを実施させることは不適切と考え、施行日以降に工事に着手する方を対象としている。
 工事の着手については、準備行為もあるかと思うが、そういうものは含まずに、現地での掘削の実施等を工事の着手と考えている。

《要望》奥村規子 委員長
 和歌山市の話になるが、既設の太陽光発電設備の近くに保育所があり、夏場になると部屋の温度が上がるという事例がある。そういったことも含めて、今回この条例が施行されるにあたって、既設の太陽光発電設備への対応も考えていただきたい。

議案に対する採決
議案第43号 和歌山県地域グリーンニューディール基金の設置、管理及び処分に関する条
       例を廃止する条例
議案第44号 和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例
議案第45号 和歌山県青少年健全育成条例の一部を改正する条例
議案第46号 旅館業法施行条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案可決


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