2018年2月和歌山県議会
  議案に対する反対討論 雑賀光夫
    中継録画
24:40~)
                                                     2018316
 議長のおゆるしを得ましたので、日本共産党県議団を代表しまして、議案第1号、3号、7号、8号、17号、59号、60号、74号、75号及び91号に対する反対討論を行います。
 議案第1号は平成30年度和歌山県一般会計予算です。
 一般会計は前年度比2.1%減の5535億円です。県債残高は増え続け前年度比68億円増の1兆450億円、県民一人当たり111万円に達する見込みです。国の経済政策「アベノミクス」が格差と貧困を一層拡大するなか、働く層や高齢者、若者のどの層でも、深刻な事態が広がっています。県内の労働者の実質賃金は1998年から2016年の間、約59万円減額となっています。消費税のさらなる増税は消費を冷え込ませ、低賃金で働く非正規雇用の問題を解決することが重要です。
 新年度予算案では、子育て支援などで前進したものもあります。保育料無料化は第2子まで拡大されました。在宅で0歳児を支援する制度もスタートします。
 しかし、抑制・削減された事業も少なくありません。社会保障関係費は、前年と比較して約13億5000万円の減額となっています。子どもの医療費無料化が中学校卒業、高校卒業までなど県内全市町村に広がっていますが、県としては消極的です。高齢者の年金支給引き下げが行われていますが、県として高齢者への支援は不十分です。
 また、カジノ・IRにかかわって、「誘致活動や調査研究」費用として前年度より6000万円も増額して7000万円もの予算をつけて推進しようとしていることは、大きな問題です。
 昨年の台風21号災害からの早期復旧として、農地や農業用施設、林道、土木施設の復旧費に13億1000万円を計上しました。しかし、床上浸水した住居などへの支援は全く不十分です。
 中小企業支援では、循環型の地域経済活性化に有効な住宅リフォーム助成制度が県内市町村で広がるなか、県として雇用を拡大するうえでも実施すべきと考えます。
 教育問題では、学力問題や不登校が大きな問題になるなか、新年度も県独自の学力テストの実施など予算化されていますが、教員の忙しさ解消・教員定数の改善などを進めることこそが必要です。
 土木関係予算では、高速道路ネットワーク等の国直轄事業負担金に前年度比14億円増の58億円、バイパスや府県間道路、インターチェンジアクセス道路などの幹線道路整備に215億円、合わせて273億円計上しています。道路・トンネル・橋梁等の老朽化が進むもとで、維持管理・老朽化対策にこそ重点を置くべきと考えます。
 紀淡海峡ルートを含む「太平洋新国土軸構想」実現のための機運醸成経費を新年度も計上しています。ムダな大型公共事業として凍結された構想の復活には反対です。
 また、過大な入港見込みに基づく大型クルーズ船誘致のための港湾整備や誘致活動が引き続き行われます。国の大型開発路線に呼応し、全国での大型クルーズ誘致合戦に乗り出すものです。
 コスモパーク加太対策事業として、新年度も6億4000万円を支出しています。毎年指摘していますが、行き過ぎた優遇措置は見直すべきです。
 以上のことから、一般会計予算には反対します。
 次に、議案第3号は、中小企業振興資金特別会計予算です。ゆがんだ同和行政についての反省もなく、高度化資金の貸し付けや債権管理の実態が不透明なものを残しており、県民の理解を得ることはできません。
 議案第7号、59号、60号は、国保県単位化にかかわるものです。国保県単位化は県が財政権限をにぎり、市町村ごとの医療費平準化など医療費の抑制・削減を図るもので反対です。
 議案第8号は、県営競輪事業特別会計予算です。カジノ・IRでギャンブル依存症のさらなる増加が懸念されるなか、県が公営ギャンブルを運営することには反対します。
 議案第17号は、土地造成事業会計予算です。呼び込み型開発失敗の責任を反省し、説明責任を果たすことなしに、県民の税金から損失補填を続けることには賛成できません。
 議案第50号、51号、54号及び55号は、障害者が65歳になると障害福祉サービスから介護保険サービスに移行する場合、共生型サービスが受けられるというもので、利用者の声を反映したものとして賛成ですが、利用料負担のあり方などに問題があり、利用者の声に応えていただけるよう要望しておきます。
 議案第74号は、使用料・手数料条例の改定です。近代美術館の駐車場使用料の2時間無料化や最大料金の新設など利用しやすくなる面もありますが、運転免許証の高齢者講習の1割引き上げなど県民負担が増えるものも含まれており、賛成できません。
 議案第75号は、建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案です。市町村負担金のさらなる軽減を求める立場から反対です。
 議案第91号は、「近代化資金」の債権放棄です。ずさんな貸し付けの反省もなく、債権放棄することは許されません。
 以上で、反対討論を終わります。

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