【福祉保健部】
《質問》奥村規子 委員
子どもの貧困対策で、子どもの生活実態調査が実施されるということで大変期待しているが、どういった調査なのか、この調査がどう生かされていくのか説明していただきたい。
《答弁》 子ども未来課長
平成29年3月に「子どもの貧困対策推進計画」を策定し、取り組むべき施策を整理をして今取り組んでいる。
ただ、計画を策定したときは既存データを使っており、子どもの貧困の状況について十分把握できているという状態ではなかった。
今回、子どもの貧困状況、生活の実態を把握するために、調査を実施するものである。併せて、現在の事業が課題に対して適切に対応しているかということも検証していく。
調査対象については、小学5年生と中学2年生の全員とその保護者、また支援機関として、市町村、学校、幼稚園、保育所、隣保館、児童館の方へ調査するということで実施を進めている。
7月初めに小学校、中学校に調査票を送付して、7月末を目途に回収するというスケジュールとなっている。
9月にはある程度の中間結果が出る。中間結果を踏まえて、現在県の中でこの調査に携わっている9部局23課室を中心に、課題が出ればその課題解決のための施策を考えていきたい。
《質問》奥村規子 委員
アンケート調査の対象は保護者も入れれば3万人くらいになる。大変大がかりな調査で、県民の協力が非常に大事になってくると思う。そういった点では、アンケートの項目はどのようにつくったのか。
《答弁》 子ども未来課長
他府県で実施している事例もあるので参考にしながら、9部局23課室のメンバーで中身を検討し、どのような形にすれば施策に反映できるかも含めて調査項目を決めている。具体的には、世帯の家計の状況や保護者の就業状況、子どもの生活習慣、例えば朝御飯をきちんと食べているかどうかや学習状況、放課後どのような生活を送っているか等を調査項目に入れている。
《要望》奥村規子 委員
調査項目についてわかりやすいように、できるだけ工夫をしてもらえると思っている。また、県民の方自身からご意見を聞いているので、ここで1つずつ申し上げる訳にはいかないが、ぜひ聞いていただきたいと思う。よろしくお願いする。
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《質問》奥村規子 委員
介護保険料の基準額が依然として高いということだが、今年度の基準額はいくらか。
《答弁》 長寿社会課長
介護保険料の質問だが、今年度ということではなく、平成30年度から平成32年度までの3年間の第7期介護保険料基準額を決めていて、本県の平均は6,538円となっている。
《質問》奥村規子 委員
前回より介護保険料が引き上がっている状況で、県民の方からは、介護保険料が高くなることで、負担感が大きいという意見をいただいている。
現在の仕組みでは今後、介護保険料はどのような状況になっていくのか。見通しについて、介護保険料が一層上昇していく気がするが、その点はどのように考えているのか。
《答弁》 長寿社会課長
今後の見通しについては、本県だけではないが、少子高齢化が進行していく状況の中で、介護保険制度がこのままであれば、当然、給付費も増加していくことから、今後も引き続き、保険料も高くなると推計している。本県においては、2030年度が後期高齢者のピークを迎えることから、その年まで、保険料の上昇は進むものと考えている。
《質問》奥村規子 委員
現在、介護保険料が納められていない、滞納の状況については、どのようになっているのか。
《答弁》 長寿社会課長
手元にデータがないので、後ほど報告させていただく。
《質問》奥村規子 委員
現状では介護保険料を払うのが手一杯で、実際に介護サービスを利用した場合、1割または2割の負担がある中で、サービスを控えてしまうという声もたくさん聞こえてくる。介護保険の実施状況など、いろいろなデータもあるかと思うが、必要な介護が受けられる状況ではないと思うが、どのように考えているのか。
介護保険制度の仕組みは非常に問題があると思うが、その点で国へしっかり要望など出していただきたいと考えるがいかがか。
《答弁》 長寿社会課長
介護保険料の負担感という話だが、これについては、低所得者については、一定の軽減策が実施されている。今後も、平成31年の消費税増税に合わせて、更なる低所得者向けの軽減策も導入される予定と聞いている。
一方で、低所得者以外の方々も負担感が増しているので、保険料の負担感を低減できるように、抜本的な見直しについて、国に対し、働きかけを行っているところである。
《質問》奥村規子 委員
高齢者施策というのは介護保険制度だけで支えられているわけではないが、高齢者全般の問題で、特に和歌山県は一人暮らしの方が非常に多いわけで、高齢者の一人暮らしの方が安心して暮らしていけるように、特に今介護の分野でマンパワーが非常に不足していると思うが、介護職の皆さんのマンパワー不足の状況はどのようになっているのか。
《答弁》 長寿社会課長
介護人材についても、今後の介護サービスの増加に伴って、不足が予想されている。このような介護人材を確保するために、県としては、例えば、高校生向けの初任者研修の取得や中高年者の再就職を支援する等、いろいろ施策を講じているところである。
一方で、賃金問題の関係で、就労環境がつらいという方については、介護報酬にも影響を及ぼすことになるので、処遇改善の要望等を国に対して行っているところである。
《質問》奥村規子 委員
現在の状況の中で、和歌山県の事業者さんからいえば介護職の人材が確保できなくて事業所が続けられないということになれば大変だと思うのだが、人材の不足状況を県として把握されているのか。
《答弁》 長寿社会課長
昨年度末に策定した「わかやま長寿プラン」においては、今後3年間で約900人の不足が見込まれると考えている。
《質問》奥村規子 委員
現在、約900人不足しているということで理解してよいのか。
《答弁》 長寿社会課長
平成32年度時点で約900人の不足を推計している。
《質問》奥村規子 委員
現在、事業所の方が人材確保に苦労されていると聞いている。介護サービスを提供していただくことになるので、今現在の人材がどうなっているかを質問しているのだが、それはわからないのか。
《答弁》 長寿社会課長
今、お示しした数字というのは、3年周期で調査している統計である。一定の俯瞰のトレンドで見れば推計をすることは可能かもしれないが、ピンポイントで数字が出ているのは平成32年度の数値であると示させていただいた次第である。
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《質問》奥村規子 委員
部長説明要旨の2ページの自殺対策について、本会議でも自殺対策についての質問は以前からあったが、和歌山県の特徴は若い方の自殺が多いように思われる。その点が非常に深刻だと感じるが、自殺の年齢層や原因、対策についてはどのように考えるか。
《答弁》 障害福祉課長
自殺対策については、まず若年層部分については現在のところSNSを活用した相談窓口を検討している状況であり、相談を幅広く受け入れる体制を整えていきたいと考えている。
《質問》奥村規子 委員
若い人の自殺に至る分析や原因についてはどうか。
《答弁》 障害福祉課長
若年層では、おそらくいじめとか学校内の話はあるかと思うが、最終的な原因はわかっていない。いろんな要因が重なり、鬱(うつ)やそういう状況のなかで最終自殺に追いやられる、そういうケースが多いと理解している。
《要望》奥村規子 委員
分析や原因については個々一人ひとり違う問題があるかと思うが、例えば教育現場での問題や就職の問題、働く環境の問題、家族の関係などいろんなことがあると思うので、原因を分析し対策をしっかりととっていただきたいと思う。
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《質問》奥村規子 委員
リハビリ職を養成する大学について、県体力開発センター跡地に進出することになった経過はどうか。
《答弁》 医務課長
県体力開発センター跡地に誘致をすることについては、当初、和歌山市民図書館跡地で検討を進めていたが、交渉が少し順調にいかなくなり、2020年4月の開学に向けて、建設であるとか準備のスケジュールが厳しくなったため、宝塚医療大学から和歌山市内の他の候補地があれば検討したい旨の相談があったので、県で適地を調査した結果、市の中心地である県体力開発センター跡地がよいと決定した。
《質問》奥村規子 委員
リハビリ大学誘致に反対というわけではないが、決める過程で、県体力開発センター跡地で公募されたが、期間が1週間というのは、全国に向けて募集するという意味では短いのではないか。
《答弁》 福祉保健部長
大学の誘致に関しては最近から始めたものではなく、従来から全国のリハビリ系の主要大学に対して、県から進出意向がないか打診してきた経緯がある。
そのなかで、進出を希望したのが宝塚医療大学のみであった。
そういった事前の県の取組がなければ、一定期間設ける必要があったが、これまで努力をしてきた結果、進出希望は宝塚医療大学しかなかった。
その経緯のなかで、それでも改めて1週間という期限を設定して、意向表明の募集を行ったところである。
《質問》奥村規子 委員
何のためにその1週間が必要であったのか、そう思われても仕方がないプロセスと思うが、どうか。
《答弁》 福祉保健部長
先ほどの回答に加えて、医務課長が答弁したとおり、2020年4月の開学に向けて準備をしていかなければならない。
当初は和歌山市民図書館跡地を考えていたが、さまざまな経緯からそれが難しくなり、スケジュールがタイトな中で、我々が判断したものである。
《質問》奥村規子 委員
以前からリハビリ系大学の誘致を行っていたということだが、県民として知ったのは、和歌山市民図書館の跡地利用の中で、初めてリハビリ系大学の誘致を考えているとわかった。
その後、宝塚医療大学の進出意向があったという経過も突然の話ではないと思うが、そういう中で、あえて1週間の全国からの募集を行ったということが理解しがたい。何のために行ったのか、先ほど出された「さまざまな事情」について詳しく教えていただきたい。
県民から見て、介護人材不足の問題は明らかで、今後、施策をしていく必要があることはわかるが、今、リハビリ系大学をつくることが大事であるということが県民に説明できていないのではないか。
そのようなことから、宝塚医療大学が前提としてあったのではないかと思っている。
《答弁》 福祉保健部長
前段のさまざまな事情とは、和歌山市民図書館の跡地利用の関係である。
《質問》奥村規子 委員
和歌山市の土地であるから、和歌山市の協力なく進まないと思うが。
《答弁》 福祉保健部長
私から和歌山市のさまざまな事情を申し上げるわけにはいかない。和歌山市民図書館の跡地利用にあたって、和歌山市が最終的に判断されたことである。
《質問》奥村規子 委員
2020年4月の開学があって、それで和歌山市と十分な協議があった上で、県としては記者会見に至ったのだと思うが、県は市と十分な話し合いができていなかったのではないか。
《答弁》 福祉保健部長
和歌山市との協議は十分に行ってきたと考えている。
《質問》奥村規子 委員
和歌山市のさまざまな事情で県体力開発センター跡地に場所が決まり、1週間の募集を行うというやり方は非常に拙速な感じがする。
国際厚生学院との関係については本会議でも質問があったが、リハビリ職の需要と供給についてはどう考えているか。
《答弁》 医務課長
現在、国際厚生学院は定員40名で理学療法士の養成を行っている。県内の高校生は毎年150名が他府県の大学や専門学校へ進学しており、そのうち100名が大学へ行っている。
今回の宝塚医療大学の定員は1学年100名程度のため、今までわざわざ他府県へ学びに行っていた県内の高校生は和歌山市内で学べることになる。そのうえでまだ50人ほど計算上残るが、それとあわせ、大学の開学によりリハビリ職への関心が高まることも予想され、需要はさらに増えるのではと考える。
就職に関しては、有効求人倍率は5倍以上で推移しているのに加え、地域医療構想を進めるなかで、リハビリテーションをしっかり行う病棟を増やしていこうと、また、介護の現場でもリハビリテーションをしっかりやっていくという流れの中では、今後もリハビリ職の需要は高止まりすると考えている。
《質問》奥村規子 委員
リハビリ職の養成に関しては、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等現場からさまざまな養成の希望があると思うが、それにはどう対応してくのか。
《答弁》 医務課長
言語聴覚士の必要性については認識しているが、県内高校生の進路希望者は毎年20名弱くらいであり、県内の大学で言語聴覚士の学科を設置するのは難しいと考えている。その部分は他府県の大学・専門学校で学んでいただくことになると現状では考えている。当面は、県内に作業療法士の養成学校がない状況のため、理学療法士と作業療法士の育成をしていきたい。
《要望》奥村規子 委員
今後、そういった現場の状況を見て希望を聞いてほしいと考えている。
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《質問》奥村規子 委員
部長説明要旨の4ページの「財産の取得」の乳房デジタル検診車と小型検診車について、以前は随意契約されていたが(2017年6月議会・議案第138号)、今回は一般競争入札になっている。どういう経過でそうなったのか。
《答弁》 健康推進課長
検診車は、今回5月11日に一般競争入札を実施し、それで財産の取得ということで、議案に上げている。以前の随意契約については承知していない。
《質問》奥村規子 委員
応札は何者あったのか。
《答弁》 健康推進課長
今年度の入札については、応札は2者である。
《質問》奥村規子 委員
検診車と小型検診車の額はそんなに違わないが、それはこういったものなのか。
《答弁》 健康推進課長
ほとんどが車の中に搭載するマンモグラフィーの金額となっているので車本体には、ほぼ差がない。
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《質問》奥村規子 委員
補聴器の助成について、大変ご希望がある。この補聴器の助成の現状はどうなっているのか。
《答弁》 障害福祉課長
聴覚に障害のある方については、身体障害者手帳を取得していただくと、市町村に補聴器の申請ができることになっている。
《質問》奥村規子 委員
障害者手帳を取得すると補聴器の助成制度があるということだが、私の周りでは65歳や高齢になってきて、難聴で補聴器が必要だとお困りの方が大変多く見かけられる。どれだけあるのかわからないが、身体障害者手帳を取得したら補聴器の一定の助成が得られるということをもっと周知できればよいと思うが、その点はいかがか。
《答弁》 障害福祉課長
制度の周知については、ホームページ等に載せているが、またどのような形で広められるか考えていきたい。
《要望》奥村規子 委員
ぜひ色んな機会を通じて広め、それで申請するかどうかは、本人が色々な医療機関と相談して進めていけばいいと思うが、こういう制度かあるということを広めていただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
旧優生保護法について、今新聞紙上でも出てきている。裁判されたり、いろんな声が上がっているので、和歌山県ではどのようになっているか教えてほしい。
《答弁》 健康推進課長
本人の同意なく実施された不妊手術は、県の「優生保護審査会」に申請して「適当」と認められた場合に手術を行うこととなっていたため、本県には、申請を受け付けた方について、審査結果や手術日などを記載した「優生保護台帳」が残っている。
台帳は、昭和24年から昭和60年まで193名分あり、審査の結果、手術の実施が「適当」とされたものが165名、「不適当」とされたものが2名であり、残りの26名はいずれの記載もない。
また、193件から「不適当」の2件を除いた191件のうち、「手術を行った日」の記載のあるものが127件、「手術未実施」の記載のあるものが9件あり、残りの55件については、いずれの記載もない。
なお、本県においては、優生手術に関する県民の方からの問い合わせや相談はない。
《要望》奥村規子 委員
そういうことの相談にのってもらいやすいように、広報周知を要望しておく。
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《質問》奥村規子 委員
ギャンブル依存症の問題だが、本会議では、実態を把握するのは困難であるとの答弁であった。そういう実態は、数の把握が困難であるとか、困難の中身はいろいろとあると思うが、実際にギャンブル依存症の方が周りにいらっしゃるという話を聞いたり、ご家庭が大変な状況になっているとお聞きしたりするが、相談窓口の体制等を周知することが大事だと思うが、相談窓口はどのようになっているか。
《答弁》 障害福祉課長
現在、相談窓口については県精神保健福祉センター及び保健所の方で行っている。周知方法についてはホームページ等、広報媒体を使って行っているところである。
《質問》奥村規子 委員
実態の把握が困難な中で、相談窓口を知らせたり、いろんな機会で実態をどうつかんでいくかということを考えてもらいたい。
ギャンブル依存症で医療機関にかかることは少ないと思う。ギャンブル依存症は精神科で専門に扱うと考えている。いまの治療の体制、精神科の状況でギャンブル依存症の患者は多いのか。
《答弁》 障害福祉課長
現在、精神科のほうに治療につながっている患者がどれだけいるかは承知していないが、基本的には精神科のほうにご相談されれば対応できるという形になっている。
《要望》奥村規子 委員
状況の把握は県として行ってほしい。ギャンブル依存症の実態をつかむのが困難な中で、どう実態をつかんでいくかということに力を注いでいただきたい。精神科での状況や、精神科専門ではなく内科やいろんな医療機関へ行かれて家族が鬱(うつ)になったり、その原因は家族の中にギャンブル依存症の方がいて家庭が大変な状況になっているとか、そこまで聞いて初めてわかってくることがある。
そういうことを含め実態の把握が難しいのであれば、その状況をもっと色んな関係機関と連携してつかんでいく努力をしていただくようにお願いする。
厚生労働省の研究班の調査では、ギャンブル依存症が全国で536万人ということが新聞などに出ていたが、聞き取りされている数字だと思う。出し方が適当かどうか、適切なのかという問題があると思うが、聞き取りをしながら実態をリアルにつかんでいく努力をしてもらいたい。
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議案に対する採決
議案第 98号 平成30年度和歌山県一般会計補正予算
議案第105号 財産の取得について
議案第106号 財産の取得について
は全会一致で原案可決