2019年2月県議会 奥村規子 一般質問 概要記録
 
  中継録画
2019221
1.和歌山市における和泉山系のメガソーラー計画について
(1)和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例に基づく手続きに着手している
   事業の状況について
(2)計画案の作成時における協議の目的について
(3)計画案の説明会開催の対象区域について
(4)住民意見の取り扱いと調査審議会について

2.国の統計不正問題について
(1)県の政策判断等への影響について
(2)政府統計への信頼性の問題について

3.消費税10%増税について
(1)中小企業等の事業者への影響について
(2)増税中止を求めることについて


1.和歌山市における和泉山系のメガソーラー計画について
《質問》奥村規子 県議
 議長のお許しを得ましたので、今期最後の一般質問をさせていただきます。この機会を与えていただいた議長はじめみなさんに感謝をいたします。そして、最後の最後にならないように、がんばってまいりたいと私思います。
 それでは、早速3点にわたって質問させていただきます。
 1点目は、和歌山市における和泉山系のメガソーラー計画についてお尋ねします。
 この問題を初めて議会で取り上げ、一般質問させていただいてから2年余りが経ちました。今も「メガソーラー計画に反対」という住民のみなさんの粘り強い運動が続いています。反対を表明する連合自治会の看板も目立っています。太陽光発電をめぐっては、パネルが反射する光や、森林の伐採が原因とみられる土砂災害、景観の悪化に関する苦情などが、全国的にも増加していました。もともと、火力・水力などの大規模発電所はすでに環境影響評価法の対象になっていましたが、メガソーラーは対象外となっており、全国的にも住民とのトラブルが発生しています。
 そのような中で、スピーデイに取り組まれたのが「和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例」です。制定されてから1年近くになります。この条例は、和歌山県の環境にふさわしい太陽光発電事業の普及を図ることを目的とし、事業者に対し太陽光発電事業における太陽光発電設備、維持管理、廃止等について環境を保全し、災害の発生を防止する方法で適切に実施するように必要な事項を定めるとしています。
 そこで、環境生活部長にお聞きします。
(1)和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例に基づく手続きに着手している事業の状況について
 現在、和歌山県内で太陽光のFIT事業計画認定を受けたメガソーラーの発電事業者は70社あまりと聞いておりますが、今のところ、和歌山市における和泉山系で「和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例」に基づく手続きに着手している事業はどれくらいありますか。また、その位置と規模についてもお教えください。

《答弁》 環境生活部長
 和歌山市における和泉山脈では、現在、4件の太陽光発電事業が、和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例第4条に基づく「事業計画の案」の作成のため、県・関係市町村との協議に着手しております。
 それぞれの事業の位置及び規模については、東側から和歌山市六十谷地区の事業が出力約48メガワット、善明寺地区の事業が出力約35メガワット、梅原地区の事業が出力約1.6メガワット、そして西庄地区の事業が出力約9.5メガワットとなっております。

《コメント》奥村規子 県議
 現在、手続きに入っている事業計画が4件とお聞きしました。それ以外に、直川・府中ですでに環境アセスの段階に入っている計画があるのと、和泉山系ということでは和歌山市のすぐ隣の岩出市山という所に1ヵ所、太陽光発電事業の計画があるとお聞きしています。それらを含めると、現在6件あるということです。

(2)計画案の作成時における協議の目的について
《質問》奥村規子 県議
 次に、事業予定者は計画の案の作成時にあらかじめ知事及び関係市町村の長と協議をすることになっていますが、協議はどのようなことを目的として実施するのか、環境生活部長にお聞きします。

《答弁》 環境生活部長
 太陽光発電事業計画の案を作成するに当たり、事業者が、あらかじめ県及び市町村と協議をすることにより、当該条例及び関係法令に基づく諸手続について明らかにすることを目的として実施するものです。

(3)計画案の説明会開催の対象区域について
《質問》奥村規子 県議
 次に、条例の第5条では、計画案の説明会の開催の対象は知事が認める区域となっていますが、具体的にどのようにお考えですか。環境生活部長お答えください。

《答弁》 環境生活部長
 事業実施により環境の保全上及び災害の発生の防止上影響を及ぼすと認められる地域と考えております。

(4)住民意見の取り扱いと調査審議会について
《質問》奥村規子 県議
 次に、意見書の提出については、自治会等その他の当該太陽光発電事業に関し、利害関係を有する者であれば意見書を提出することができるとありますが、住民から意見書の提出があった場合、どのように取り扱われるのですか。また、調査審議会はどのような分野の専門家で構成され、審議会にはどのような場合に意見を求めるのか、考え方をお教え下さい。

《答弁》 環境生活部長
 意見書の提出があった場合、事業者に対し見解を求め、それらを踏まえ、事業計画が認定基準に適合しているかを科学的に審査いたします。
 また、太陽光発電事業調査審議会につきましては、防災、安全、環境、景観分野の専門家で構成され、事業計画の審査において自然環境、生活環境、景観等環境保全上及び災害の発生の防止上の見地から必要と考えられる場合、意見を求めることとしております。

《再質問》奥村規子 県議
 自治会等への説明会開催、また住民が意見書を提出する場合については、区域がきちっと決まっているのではなくて、防災・安全・環境といった分野で影響を及ぼすと認められる地域といわれていました。住民の方が影響があると思ったときには、意見書を出すことができるという理解でよろしいでしょうか。

《再答弁》 環境生活部長
 それでよろしいかと思います。

《要望》奥村規子 県議
 最後に、要望や紹介をさせていただきます。
 和歌山市の和泉山系における大小の太陽光発電事業が、聞いているところでは現在、環境アセスを行っている直川・府中地区の計画を含め、5ヵ所も計画されているということです。
 県内外から親しまれているこの山系への、「自然を守ってほしい」「これ以上、山をさわらないで」「災害が心配」という切実な声があります。一つ一つの事業については太陽光発電条例に則して審議するということですが、山系に太陽光発電などの開発計画がいくつもある場合の影響については、条例だけで全体を審議することはなかなかできません。多面的・多角的・総合的に考え、判断できるような仕組みづくりが課題ではないかと思います。ぜひ、住民のみなさんの意見を十分お聞きいただきますようお願いします。
 今、和歌山大学の紀州経済史文化史研究所展示室で、「加太・友ヶ島の信仰と歴史―葛城修験二十八宿の世界―」特別展が開催されています。和泉山脈から金剛山脈にいたる修験道に法華経を修めたと伝える経塚が28ヵ所あって、これを葛城修験二十八宿といいますが、今でも大切に祀られているというお話です。今回は、その出発地である加太と友ヶ島にまつわる貴重な資料もたくさん展示されているということです。熊野古道よりも古い歴史を持つ葛城修験道であるとお聞きしました。条例の運用にあたっては、歴史や自然を大切に考えることもあわせ、いろんな方の意見を聞いていただきたいと思います。
 そして、これは太陽光発電ではありませんが、和歌山市滝畑の産廃最終処分場建設の問題も、住民のみなさんが8年かけて、水の汚染や山地開発に対して反対運動をされてきた結果、事業者は申請を取り下げた状況です。土地の利用や山をどう守るかについて、もっと県や和歌山市も一緒になって取り組んでいただきたいと要望します。


2.国の統計不正問題について
(1)県の政策判断等への影響について
《質問》奥村規子 県議
 2点目は、国の統計不正問題について企画部長にお尋ねします。
 厚生労働省の、毎月勤労統計の偽装をはじめとする統計不正は、政府の基幹統計全体の4割に問題が見つかるなどが明らかになってきました。毎月勤労統計の不正・偽装では、全数調査を行うことになっていた「従業員500人以上の事業所」の東京都分が、2004年から3分の1の抽出調査とされ、17年12月まで全数調査に近づけるための補正も行われていませんでした。それが、18年からいきなり密かに補正が行われ、名目賃金が上昇。3.3%増となった18年6月の賃金上昇は「21年ぶりの高い伸び」といい、アベノミクスの成功を誇る材料にされました。国会で実態の解明が進められ、国民への責任ある説明が待たれるところです。この問題は、延べ約2000万人の雇用保険の給付などに影響を与えたうえ、政策判断の根幹にかかわるものだと考えます。
 そこでお伺いします。県の政策判断等への影響について、どのようにお考えですか。

《答弁》 企画部長
 厚生労働省の毎月勤労統計調査に関する問題は、議員ご質問にもあるように、東京都の事業所において全数調査すべきところを抽出調査で行ったうえに、適切なデータ処理を行わなかったことが原因です。本県においては、和歌山県内の事業所を対象に、適切な方法により調査を行っていることから、今回の問題が、本県が公表した調査結果に影響を与えることはありません。
 県の政策判断につきましても、毎月勤労統計調査をはじめとする県のデータをもとに行っていることから、影響はないと考えております。

(2)政府統計への信頼性の問題について
《質問》奥村規子 県議
 政府統計への信頼性の問題について、知事にお尋ねします。
 毎月勤労統計の不正発覚後にマスメディアがおこなった世論調査は、「政府統計の信頼が揺らいだ」75%(毎日)、「この問題で政府の対応は不十分だ」83.1%(東京新聞)、「政府の発表する統計を信頼できない」79%(日経)で、政府統計そのものに対し、大多数の国民が不信と疑念を抱いていることが浮き彫りになりました。日本の統計を通した実証研究などにも影響が及び、世界からも信頼性が問われることになります。日本経済学会からも「負の影響は計り知れない」と警告しています。
 県においても、毎月勤労統計調査結果は議員にも資料提供され、議員活動にとっても活用できる重要な統計であり、今回の出来事は、調査員はじめ事業者や関係者の皆様の日頃の努力に対する裏切といえるものです。
 国において2004年から続いていた統計不正が、18年1月からは密かに「データ修正」が行われた問題です。さらに、18年1月からは調査対象事業所の入れ替えなどにより、それまで低く出ていた給与総額との比較で「上ぶれ」する結果となったことは大問題です。実際、統計偽装の発覚後に再集計した「修正値」では、実質賃金の伸び率は下方修正されました。安倍政権が自慢する賃上げは、かさ上げされた数字が根拠だったことを示していると思います。
 今回のことで、負の影響をどのようにお考えですか。また、このような事態について、知事としてどの様な見解をお持ちですか。国に対して徹底した実態の解明を求めていただきたいと思いますが、いかがですか。知事にお尋ねします。

《答弁》 仁坂知事
 統計は近代国家の一番の礎であります。
 知事就任後「統計課」を「調査統計課」と名称を変更いたしまして、様々な統計を集めるだけではなくて、それを元に分析をいたしまして、月例経済報告として県内の経済動向を注視するなどというようなことをやりはじめました。すなわち、統計を重視して県政を行っております。
 別の言葉で言うと、かけ声とか全力をあげて、そういうことだけではなくて、統計を積極的に利用した証拠に基づく政策立案、EBPMというんですが、それをやっていかなければいけないと思っております。
 今回の統計不正問題では、厚生労働省はあまりにもお粗末なので笑ってしまうくらいの過ちを3つ犯していると思っております。
 第1に、本来全数調査すべき、すなわちするべきだと自分で決めているから、するべき東京都の500人以上の事業所について、適切な手続きを経ずに、独断で抽出調査にしたことであります。抽出調査が悪いわけではないんですが、そのときは統計的にどんな影響が出てくるかとか、現実にそれがどういう方法で可能かとか、そういうことをよく考えて、その上で規則をちゃんと変えてするべきなので、勝手にこっそり自分だけでというのはとんでもないことだと思います。
 第2に、この調査方法の変更に伴って必要となる復元処理を行わなかったというのが問題でございます。そしてずっとその不正確な調査結果を公表し続けたことが問題でありまして、その全数調査から3分の1のサンプル調査に切り替えたときに、不連続が生じているわけで、たぶんかなり統計値が真正よりも下の方に出ていたと思います。そういうようなことを本当は統計学的手法で分析をしていかなければいけないのですが、それをまったくやっていない、それが第2の問題であります。
 第3に平成30年1月分のデータから、こっそりと復元処理を行っているんですね。そのときに、過去部分のデータを修正しなかったため、急に現金給与総額の前年同月比が不自然な動き、すなわち上がったように見えるというふうになってしまったことでございます。
 結果として、雇用保険等を過少給付するという実害をひき起こしておりまして、統計とか行政に対する国民の信頼が損なわれただけではなくて、こんな実損もかけているということで、こういうことは絶対にいけないことだと思います。
 厚生労働省においては大いに反省するとともに、政府をあげて、信頼回復に努めてもらいたいと思います。
 ただ、今回の問題をとらえて、実質賃金の伸び率を上振れさせたいので意図的に行ったのではないかという推理が行われておりまして、またしてもマスコミなどは盛んにそういうことを報じている、野党の方も一生懸命そういうことを言っているというのが見えますが、ちょっと違うんじゃないかと私は思っております。

《要望》奥村規子 県議
 こういった国の状況に対して、和歌山県民の代表として知事はもっと怒ってほしいと思います。和歌山県は、長期総合計画でも「世界とつながる和歌山」を目指しているなかで、世界からどう信頼されるかという意味でも、大変大きな問題だと思います。
 先ほど、和歌山県においての政策判断には影響はないとおっしゃいましたが、今回のような状況になった問題の背景をしっかり国民・県民に説明されていかないと、なかなか信頼できません。これまでも「働き方改革」における裁量労働制のデータねつ造など、いろいろなことが積み重なってきたなかで、考えられないような出来事が起こっています。その根本にメスを入れ、知事も国に向けしっかりと物を言っていただきたいと思います。どうかよろしくお願いします。


3.消費税10%増税について
(1)中小企業等の事業者への影響について
《質問》奥村規子 県議
 最後の質問です。
 安倍政権は2014年、消費税を5%から8%に引き上げました。それですでに、1世帯12万2,000円、国民1人5万2,000円の負担増(麻生財務大臣答弁)です。実質賃金は19万円の減少、家計消費は25万円の減少となっています。10%への増税では、1世帯8万円、1人当たり3万6,000円の負担増になります。一方、億万長者の富の増加と、大企業の内部留保の増加が際立っています。議会参考資料にも、今年度の経済動向について、企業収益が過去最高を記録すると書かれています。このもとで、政府の調査でさえ「生活が苦しくなった」と83.5%の方が答えています。
 消費税率10%への引き上げは、複数税率と適格請求書等保存方式(インボイス制度)の実施を伴うものであり、中小企業の経営に重大な影響を及ぼすものです。
 さらに、農家にとっても大問題です。農産物価格は農家自らが決められないので、景気に左右されやすく、とりわけ果物などの嗜好品・贈答品は特に影響を受け、低迷が懸念されます。
 複数税率で、仕分けが煩雑になります。食用のイモは8%、種用は10%、主食用コメは8%、エサ米は10%、牛や豚は屠畜場に行くまでは10%、枝肉にされたら8%などとなり、大変煩雑です。
 そのうえ、インボイスで9割の農家が深刻な事態になります。地域建設業衰退の加速で、防災等にも影響するものです。医療機関への影響では、厚労省はすでに消費税10%への引き上げを前提として、中医協に今年10月に診療報酬改定の実施の議論を提案しています。初診料6点、再診料1点や、入院基本料を引き上げることなどが議論されています。患者負担増につながります。増税は、あらゆる分野や産業にかかわります。
 このような状況のなか、小規模事業者割合が全国一高い和歌山県内の中小企業等の事業者への影響について、商工観光労働部長にお尋ねします。

《答弁》 商工観光労働部長
 日本経済は、緩やかながらも長期的な成長を続け、景気の拡張期間は、本年1月に74ヵ月と、戦後最長を更新したところです。
 しかしながら、県内の多くの中小企業は景気回復を実感するには至っておりません。
 そうした状況の中、本年10月から消費税率の引き上げが予定されており、駆け込み需要の反動等による売上の減少など、景気の下振れリスクによる中小企業への影響が懸念されています。
 このため政府においては、食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率を導入するほか、キャッシュレス決済を用いたポイント還元や、低所得者・子育て世帯向けのプレミアム付商品券など、経済の回復基調に影響を及ぼさないよう、各種施策の導入を進めているところです。
 県といたしましても、消費税率引き上げに係る国の施策を、産業別担当者や「わかやま企業応援ナビ」などを通じ広く広報していくとともに、県庁内の関係部署及び関係団体に特別相談窓口を設置し、中小企業の皆さまからの各種相談に応じてまいります。
 また、経済産業省と連携協定を締結し、現在実施している下請取引適正化に係るヒアリング調査等において、事業者が消費税を適正に価格転嫁できていないような情報が得られた場合は、国に情報を提供し、迅速な対応を求めるとともに、国や県が実施する施策を総動員し、中小企業の皆さまを積極的にサポートすることで、影響が最小限にとどまるよう努力してまいります。

《要望》奥村規子 県議
 長期的な成長を続け、景気の拡張期間は74ヵ月と戦後最長を更新したとおっしゃいました。しかし、政府公表値でも74ヵ月間の実質賃金は10万円以上も落ち込んだままです。これは、今世紀に入って最悪水準の実質賃金率であるとする分析があるということを申し上げておきます。
 そして、私の知り合いのご商売をされている人でも、10月には増税と併せてインボイス制度が導入されていくもとで、商売を続けていけないといわれる方がたくさんいらっしゃいます。みなさん、不安を感じています。
 消費税10%への引き上げを前にして、中小業者さんが希望を持てるような状況ではありません。先ほど「影響が最小限にとどまるよう」といわれているわけですから、影響があるということです。特別相談窓口を設置するといわれましたが、窓口に来るのを待っているだけでなく、積極的にみなさんの声を聞いていただきたいと思います。
 インボイス制度については、日本商工会議所のみなさんや、様々な団体のみなさんも懸念され、賛成できないなどの声も出ているとお聞きしています。ご商売されている方たちに寄り添った対応をしてもらいたいと強く思います。

(2)増税中止を求めることについて
《質問》奥村規子 県議
 知事にお伺いします。
 農業や建設関係、医療に携わる方など、全ての県民のみなさんにかかってくる問題です。今のような状況のもとで秋に増税することに対して、国に強く中止を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

《答弁》 仁坂知事
 少子高齢化が急激に進む中、日本の将来を見据えたとき、全世代型の社会保障を実現し、将来にわたってそれを維持することは、極めて重要なことであると思います。
 消費税は、あらゆる世代が広く分かち合い、安定的な財源であることから、社会保障制度を担う財源としては、相応しいものと考えております。
 しかし、消費税率の引き上げがございますと、回復がそんなに力強くない我が国の経済にとっては、景気の腰折れを招く、消費減退によって腰折れを招くということが大変懸念されますし、あるいはこの消費税は、累進制をとっている所得税なんかと比べると、低所得者ほど収入に占める消費税の割合が高くなる、いわゆる逆進性の問題があるわけでございまして、それはそれなりに問題もございます。
 政府もそういうことを考えていて、今回は消費税を上げると言っていますが、軽減税率の導入など低所得者への配慮をする。それから前回8%への引き上げの時にいろんなことが起こりましたので、その反省に立って、あらゆる施策を総動員し、経済運営に万全を期するというふうにしているところであると理解しています。
 現在、国会では、このような対策ですね、低所得者対策とか景気対策を盛り込んだ予算案等が審議されているところでございまして、消費税率の引き上げに際しては、これらの対策を確実、且つ、効果的に実施をして、一生懸命消費の下支えを行っていただきたいというふうに思います。
 一般に税金は低いほどよろしゅうございまして、税金を上げるのは反対というと大変人気が高まります。しかし日本の行く末を考えると、どうかなという問題となるわけでございます。すべてについてわれわれ政治に携わっている者は解を用意しておかないといけないということだと思います。ゆめゆめ人気取りに使う議論、これを使って議論してはいかんというふうに自戒をしているところでございます。

《再質問》奥村規子 県議
 知事の今の発言で、人気取りのためにやっているかのように、私が人気取りのためにやっているかのように聞こえるんですけど、それは撤回をしていただきたいと思いますが。私がじゃないんですか、私が人気取りのためにやってると。

《再答弁》 仁坂知事
 最後に自戒をしなければいけないというふうに申し上げたことで、今の答弁は十分だと思います。

《要望》奥村規子 県議
 私は、病院経営の現場で仕事をしていたこともあります。消費税が3%から5%、8%と引き上げられ経営を圧迫するということが、いろんな医療機関で起こりました。今度も増税が実施されれば、いろんな施設に10%の負担が重く広がっていくと思います。
 先日、大学生の子どもさんの教育費のことで、ご相談のお電話がありました。日本学生支援機構の調査でも、8割の学生が働かざるを得ない、アルバイトをしなければ生活できないという状況です。そういったもとで増税すれば、経済も何もかも大変な状況になると申し添えて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



                                       仁坂知事の答弁を聞く、奥村規子県議(右)

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