2.カジノを含むIR誘致について
(1)県知事選挙で示された県民の民意について
(2)「カジノ誘致」をめぐる全国競争
3.児童虐待防止について
(1)県内で発生している児童虐待の相談件数
(2)和歌山県で6年前に起こった事件の教訓をどういかすか
4.平和の問題
(1)原爆写真展をひきつづき
(2)和歌山県の平和宣言
1.はじめに
(1)沖縄・辺野古基地 示された民意の尊重を
《要望》雑賀光夫
県議
今回、わたしにとって県議会最後の質問になりました。その前に、衝撃的なニュースが入りました。沖縄の辺野古新基地建設をめぐる県民投票の結果であります。
投票率52.8%。「反対・賛成・どちらでもない」の3択にしたにもかかわらず、新基地建設反対は、71.7%にものぼった。しかし、安倍内閣は、沖縄県民の民意に従おうとはしていません。
知事の感想をお聞きしたいところですが、質問通告しておりません。考えは違っても、県知事として地方自治を守る立場に立って、沖縄県民の民意を守る立場にお立ちいただきたい。要望しておきます。
(2)県議35年を振り返って
《発言》雑賀光夫
県議
4期16年間、みなさまには大変お世話になりました。
先輩・同僚の議員のみなさん、知事はじめ当局のみなさん、地元のみなさん、特に毎議会質問ごとにおいでいただいたあじさいの会のみなさまに、心からお礼申し上げたいと思います。
・教職員組合から県政へ 元県教育長、県PTA会長さんの応援も
わたくしは、大学を卒業後、中学校の教員になりました。教員生活は7年程度で教職員組合の役員を30年ほど勤め、それで公的な仕事から引退するつもりでおりました。ところが、中山ゆたか元県議から「わしの後をついでくれ」というお話をいただきまして、県議会に出させていただくことになりました。
その折には、教職員組合活動時代に親交をいただいていた元県教育長の井上光雄先生、県PTA会長をなさっておられた方なども応援をいただきました。子どもの教育というものは、父母・教職員の団体であるPTA、教職員組合、そして教育行政も一致点はたくさんあるし、一致点では協力していこうという立場で、教職員組合運動をすすめてきたことが実ったものだと考え、感謝とともに誇らしく思ったところです。
・同僚議員、県当局とも協力した要求実現
県議16年の間、とくに地元選出の先輩・同僚議員のみなさんには仲良くしていただきました。阪井バイパスや有田海南道路、台風災害、蔵出しミカンなど、一致してやらなくてはならない問題がたくさんあるからであります。
また、地理的条件から、私が取り上げ、みなさんにご協力いただいた問題もございました。南海地震津波を経験した地域に育ったものとして「海南市は津波に弱いまちである」ということを申し上げ、海岸に係留されているプレジャーボートが津波になると凶器になると申し上げると、知事はすぐに「規制条例」を提案してくれました。これはあまりにタイミングが良すぎましたから、知事が考えておられたことと一致したのでしょう。
JR黒江駅の電車とプラットホームの段差解消。地元の自治会でも取り組んでいたことが、私の県議会質問で一気にすすみました。その質問をする前に、当時の企画部長さんが「雑賀さん、黒江駅見てきましたよ。確かに段差が大きいですね」と言ってくれたのを思いだします。こうした問題は、会派を問わず、同僚議員のご理解を得てすすめてきた問題でございます。
・教育を守ることはライフワーク
また、長く教員組合の仕事をしてきたので、教育問題でも発言いたしました。お礼申し上げたいのは、宮下教育長が「定数内講師を5年間で半分に減らす」と言明していただいたことであります。この問題は、私ともう一人の教員出身議員の方が繰り返し求めてきた問題でございました。平成29年6月の文教委員会で、私が先に質問し、宮下教育長の答弁がありました。
ただ、見込み違いで計画どおりすすんでいないようですが、教育委員会はしっかりやっていただけるようお願いしておきます。
一方、教育問題で忘れることができないのは、学力テスト問題です。一面的な指導は教育をゆがめるということで、厳しい批判をいたしました。福井県から呼ばれてきた方が、「和歌山には教育委員会の言うことを聞かない校長、校長の言うことを聞かない教員、先生の言うことを聞かない子どもがいる」など、和歌山の教育を侮辱するような発言するのは許せなかった。また、教育のゆがみに子どもが自らの死をもって抗議して、初めて社会問題になるというようなことにしてはいけないと考えました。
・共産党、さいかならではの乱脈な同和行政の追及
ほかにも、雑賀光夫ならでは、共産党ならではという問題も少なくなかったわけであります。
一つは、乱脈な同和行政が今も残されているという問題です。一つの子ども会への補助金が、年に450万円にも500万円にものぼる、だれが考えても不合理な問題。そのまま子ども会の名前を挙げて追及すると、旧同和地区名を示す「地名総監」のようなことになると思って、議場にお配りした資料は、あえて子ども会の名前を示さずABCDで示したものです。
乱脈な同和行政の負の遺産では、中小企業高度化資金の貸付金の焦げ付き問題がございます。次々に「返済の見込みがない」と欠損処理が行われる。その最大のものは、プラスパフーズという豆腐をつくるという会社。土地を買うといって、10億円を借りた。建物と機械のために13億円を借りた。その1パーセントしか返済しないままに倒産した。県が競売にかけたが、1億2000万円にしかならなかった。この欠損処理には、私たちの会派の松坂英樹前議員がみごとな一般質問をして、「欠損処理」が継続審議になったのでした。こうした問題は、過去の問題だといわれるかもしれません。しかし、旧同和子ども会の問題にみられるように、反省が見られない以上、過去の問題だとすることはできないと私は申し上げてまいりました。
教育における同和問題では、高校入試の「副申書」に同和地区出身を示す記載がつづいていた問題を取り上げ、さすがにこれは中止になりました。また「和歌山の部落史」を編纂する補助金を新規事業でつけながら、議会前に配布する主要事業の説明には、一言も触れられていなかった問題。問題点を指摘する中で、補助金は計画の半分ぐらいに収まったのではないかと思います。
・大型風力、メガソーラー
最近になって私の質問で多くなったのが、風力発電やメガソーラーの問題でした。私たちは、原発ゼロの立場から、風力・ソーラー発電には賛成です。しかし、企業の「儲け主義」の立場からすすめられると、自然破壊・健康被害が問題になる。これでは本末転倒だと申し上げてきました。
風力発電・低周波健康被害を最初にとりあげたのが、下津町大窪の問題でした。その後、この企業、ユーラスエナジーが、住民の苦情を封じ込む「覚書」を結んでいることをとりあげ、知事からは「民主主義のない国の話みたいだ」「そんな覚書が有効なはずがない」と的確なコメントをいただきました。
その後、外国資本による海南市・紀美野町・有田川町・紀の川市をかこむ超大型風力発電が問題になり、紀美野町の区長会、町議会の反対決議をはじめ、超党派で「故郷の山を外国資本に売り渡すな」という声が広がっています。地元の自民党の議員さんからも「この問題では雑賀さんと一緒やな」という声もかかるようになった。
ただ、私にとって心残りなのは、個人差がある低周波被害を訴えてこられた由良の谷口さんが苦しみながら亡くなり、大窪から移転された方への救済・補償ができないままになっていることでございます。
将来に向けての問題は、マリーナシティにカジノを含むIRを誘致する問題であります。
そこで、質問にはいります。
2.カジノを含むIR誘致について
(1)県知事選挙で示された県民の民意について
《質問》雑賀光夫
県議
第一は、カジノ誘致と県民の民意をどうみるのかという問題です。12月県議会で、わが会派の奥村議員と知事との間で論戦が交わされました。知事と私どもの間で意見の違いがあるのはやむおえないことで、それはそれでいいのです。しかし、知事の論理はちょっといただけない。
まず、事実問題を整理しておきましょう。
第一点、昨年の選挙で、知事が圧倒的多数で再選されたということ。これは間違いありません。
第二点、この選挙で、県下30のすべての市町村で、カジノ反対の候補者が得票数率を増やし、仁坂候補が得票率を減らしたということ。これも間違いありません。
第三点、NHKが投票所で行った出口調査では、58%の方が「和歌山にカジノはいらない」という趣旨の返事をされた。しかし、そのうちの70%の方は、仁坂候補に投票したと報道されました。
私たちは、以上三点の認識に立って、奥村県議に質問してもらいました。
それに対する知事の答弁を聞いておどろきました。
知事は「『…IR誘致を進めるべきだ』という主張を掲げた私が…当選をしたということは、IR誘致も推進してよろしいと考えられるのではないかというふうに思います」とお答えになった。私が述べた三つの点からどうしてそういう認識になるのでしょうか。知事に質問いたします。
《答弁》
仁坂知事
答弁を申し上げる前に、雑賀議員はお聞きするところ、今のご発言でもそうですが、今期で議員を引退されるとお伺いしております。4回議員に選出されてきたのは、そのお人柄によるところが大きいと思います。困っている人、あるいは心配している人の意見を代弁して、粘り強く問題を投げかけ批判を展開されてきた内容は、時として共感を持ちつつきちんと聞かしていただき、施策の参考材料にもさせていただきました。長年のご活躍ご苦労様でした。そのうえでありますが、ご質問にお答え申し上げます。
先の12月議会では、昨年の選挙で対立候補がIR誘致の是非を一番の争点に掲げる中、誘致を推進している私が、誘致を訴えて当選させていただいたという事実とその結果は、IRに限らず、政治家として今後の県の進むべき道を実直に訴えた点が県民に評価されたと考え、そのように答弁した次第です。
確かに、カジノについて「賛成か反対か」の二択でお聞きいたしますと、元々「好きか嫌いかで言うと嫌い」という方は結構おられると思いますし、嫌いと思っておられる方は反対と書くだろうと思う次第です。日本人は賭け事が嫌いな方がたくさんいらっしゃいますし、また現に、パチンコとか薬物とかスマホのゲームなどで、依存症と考えられるような人を周囲に見たり聞いたりしている方が多いと思いますので、とりわけそうなると思います。
しかし、そうした方々に「IR推進を止めてしまうと経済発展のチャンスが失われるため、その分人口減少は止められないと思いますけどそれでもよいですか」と聞くと「それは困る。如何なる手段を講じても人口減少を止めろ」と仰る方が多いのではないかと思う次第です。
従って、「嫌い」あるいは「嫌いだから反対」と言われる方がいるからといって誘致を止めてしまい投資の機会を逃せば、本県の発展のチャンスは失われると思っております。
また、パチンコのように自由自在の入場を許す形でのカジノ運用など毛頭考えておりませんし、制度もそうなっておりますので、パチンコと同じような依存症がIRあるいはカジノで発生するということは考えられません。
こうしたことも踏まえて、将来の和歌山の発展を考えて、利害得失を十分考えたうえで、政治家として県民に明確な形で掲げた政策を責任を持って推進していくのが、私の責務であると考えているところです。
しかしながら、現に心配や不安もある方もいらっしゃるということは明らかですので、少しでも多くの機会に説明をちゃんとするようにして、少しでも理解をしてもらうことは重要であると思います。
また、カジノ以外の原因で現に依存症が存在しており、県民の皆様の懸念がそういうふうにあるから、IRについてもあるいはカジノについても、やっぱり反対あるいは心配だと思われる方が多いのではないかと思うわけです。
カジノやIRと、この政策は直接は関係がないのですが、現にあるギャンブル等依存症に取り組んでその予防と治療をしなければいけないと思います。そういうことが出来ていけばまた、IR、カジノに対する嫌い意識が少しは減っていくのではないか、そんなふうにも考えます。従いまして、新政策で、この元々あるギャンブル等依存症について対策を進めていくような政策予算をお認めいただきますように、お願いをしているところです。
《コメント》雑賀光夫
県議
今の答弁にも多少気になるところもありますが、次へ行きましょう。
(2)「カジノ誘致」をめぐる全国競争
《質問》雑賀光夫
県議
私は当初、和歌山が手を挙げてもカジノは和歌山に来ないだろうとタカをくくっておりました。しかし、どうも和歌山が有力になってきた。
しかし、私が見るところでは、競り勝ったというより、無投票当選の可能性が出てきた。カジノ企業も、全国レベルでカジノを推進しようとしている人たちも、長崎に一ヵ所、関西圏に一ヵ所できるのなら、もう一ヵ所は、東京か横浜、あるいは北海道と考えるのが普通だと思うのですが、いまのところどこも手を上げない。
この状況について、企画部長はどう分析しておられるでしょうか。
《答弁》
企画部長
他の自治体の状況について、本県が言及する立場にはございませんが、新聞報道等では、本県のほか、大阪府市、長崎県の3自治体が誘致を正式に表明し、また、北海道や東京都、横浜市、愛知県などが誘致を検討中と伝えられているところです。
議員は「関西圏に複数箇所のIRはできない」とお考えのようですけども、そのようなことはございません。IR整備法に規定する認定基準には「地域バランスを考慮し選定する」との項目はございませんし、国会においてもそうした議論はなされておりません。また、そのことについては本県から政府に確認をしておるところです。
加えて先般、政府主催の法律説明会におきまして、認定基準に関して「地域に偏りが出ないようにという基準はない。日本を国際観光先進国にすることが国の政策目標であり、その公共政策の目的に最も合致するものを選定する」という考え方が明確に示されました。
このことが本県にとって追い風になることは間違いないと考えております。
県としては「成長戦略のひとつとして、将来の和歌山のためにIRという新たな要素を取り入れる」という考えの下、認定上限箇所数である3つの中に選ばれるよう、引き続き、地元の合意形成を図りながら、地域振興を最大化しつつ国の観光立国政策に貢献する優れた区域整備計画を作成することに全力を挙げ、是非とも誘致を実現させたいと考えております。
《コメント》雑賀光夫
県議
私は「複数個所はできない」とは申し上げておりません。普通に考えれば、長崎、関西圏とくれば、次は首都圏や北海道などが考えられるといっている。知事がおっしゃるように「カジノを含むIR」が、バラ色のものであるならば、どうして全国で手が上がらないのだろうか。安倍政権は「偏りがあってもかまわない」といって、和歌山県を認めるかもしれません。しかし、将来も和歌山県に住み続ける県民にとっては、大きな禍根を残すことになるのではないかと心配しているということを申し上げて次に行きます。
3.児童虐待防止について
《質問》雑賀光夫
県議
第二は、子どもの虐待の問題です。またも痛ましい児童虐待で、幼い命が立たれるという事件が起こりました。千葉県・野田市の小学校4年生の事件です。昨年おこった東京都目黒区で、5歳の女の子が「許してください」とノートに書きながら虐待死した事件の記憶も消えない間に起った事件でした。
子どもたちにこんな悲しい苦しい思いをさせないために、みなさんとご一緒に考えてみたいと思います。
(1)県内で発生している児童虐待の相談件数
第一にお伺いしたいのは、和歌山県の児童相談所が対応した、子どもの虐待相談件数はどうでしょうか。福祉保健部長からお答えください。
《答弁》
福祉保健部長
まず、平成29年度に児童相談所が対応した児童虐待相談件数は、前年度より19件増加し、1,142件となり、過去最多の件数となっています。
なお、平成30年度の児童虐待相談件数は、1月末現在で、1,108件となっており、仮にこのまま推移すれば、前年度を上回る見込みです。
次に、平成29年度の児童虐待相談の種類別件数は、心理的虐待が最も多く526件、続いて身体的虐待が325件、ネグレクトが280件、性的虐待が11件となっています。
(2)和歌山県で6年前に起こった事件の教訓をどういかすか
《質問》雑賀光夫
県議
第二に、一つ一つの問題から教訓を引き出し、再発防止の対策をしなくてはなりません。
和歌山県の児童相談所でも、家庭復帰後に子どもを虐待死させてしまったという事件が起こっています。私は平成27年9月県議会での質問で、児童虐待・里親制度について取り上げた際、この事件について触れたのですが、その内容について突っ込んで触れませんでした。このたび、はじめて「和歌山県児童虐待等要保護事例検証委員会報告書」というものを読んでみました。この事案は、平成23年7月に病院から虐待の通告がありました。「ゆさぶられ症候群」ということです。
その後、いろいろな経過がありますが、自宅に返され、平成25年7月、「救急搬送され心肺停止状態で死亡を確認」と病院から連絡がはいるわけです。
先日の坂本議員の一般質問への知事答弁で、知事の思い、和歌山市との間でご苦労があったことはお聞きしました。
知事の答弁では、和歌山市の対応に激怒したという言葉が二度もでてきまして、どうかなと思いましたが、和歌山市の対応にも問題があったことは事実のようです。
同時に、知事は触れられませんでしたが、最初の通報があったとき、児童相談所は「在宅指導が適当」として「一時保護」しませんでした。その数ヵ月後には、この児童は、またも虐待により入院します。児童相談所は、今度は職権により児童を一時保護するわけですが、その後、施設入所中の児童が、長期外泊で自宅に帰ったとき、近所の人から「泣き声通告」があるのですが、いろいろな事情で家庭訪問したのは一週間後だったという問題も指摘されています。
県児童相談所にも和歌山市にも、反省すべきことがたくさんあった事案です。この「検証委員会報告書」が広く全国に報道され、共有されていたら、最近事件がおこった他府県の児童虐待への児童相談所の対応はもっと改善されていたのではないかということを考えると、自分自身のこの事案への対応をふくめて、忸怩たる思いがいたします。
6年前のあの事件以後、「検証委員会報告書」で提言されている諸問題のうち、特に児童相談所への児童福祉司などの増員、県内市町村との連携はその後どうなっているのか。福祉保健部長からおきかせください。
《答弁》
福祉保健部長
まず最初に、児童相談所における人員についてですが、平成26年度から平成30年度までの5年間で、家庭支援などで中核的役割を果たす児童福祉司4名を含む、相談業務担当職員7名と常勤弁護士1名の合計8名の増員を行い、県内2か所の児童相談所合わせて、59名の人員を配置したところです。
なお、常勤弁護士につきましては、今後も法的判断が益々必要となると見込まれることから、今年度4月から、雇用形態を任期付き職員から一般職員としたところです。
さらに、年々複雑・困難化する児童虐待事案に対応するため、来年度において、児童福祉司5名の増員を行うとともに、今後とも必要な増員を行うなど、万全の対応を期すこととしております。
次に、2点目の市町村との連携についてですが、在宅児童の見守りや第一義的な相談につきましては、児童福祉法で市町村が対応することと規定されているにも関わらず、こうした役割分担が十分できていなかったことが本事案によって明らかになりました。
和歌山市とは話し合いを重ね、市としての役割を十分理解してもらうとともに、県内の他の市町村に対しても、同様に周知を図ったところであります。
そのうえで、今年度、その果たす役割をより明確化するため「和歌山の子・みまもり体制に関する協定書」を全市町村と締結したところです。
一方で、市町村職員の資質向上も重要であることから、虐待の兆候を決して見逃さず、早期発見に確実に繋ぐことのできるノウハウや児童相談業務に必要となる支援会議の運営方法等を学ぶための研修を行い、知識・技術の向上や均質化に努めているところです。
また、役割分担に基づいた業務を連携して行うためには、県と市町村が共通の手順に従った業務を進めることが重要であることから、今年度、県担当課及び児童相談所と市町村の職員が協同し、互いの業務を反映した実務担当者向けマニュアルの改訂を行うとともに、虐待事案の対応判断を迅速かつ的確に行うため、児童の怪我の状況や心理状態などの程度をチェックし、相互に確認しあう、共通の虐待リスク評価ツールを作成し、実践での活用を始めたところです。
児童虐待による死亡事案が県内で二度と起こることのないよう、児童の安全を最優先に、市町村を含む関係機関と連携して取り組んでまいります。
4.平和の問題
(1)原爆写真展をひきつづき
《要望》雑賀光夫
県議
最後の項目に移ります。
県庁では毎年、渡り廊下で原爆写真展が開かれています。県原爆被災者の会、核戦争防止医師の会、県原水協などのみなさんが、原水爆禁止世界大会、それを前にした平和行進に先立って、県および県議会に要請行動にこられます。私は毎年同席させていただきました。
「被爆者最後の仕事」といわれた新しい原爆パネルができました。それを「県で買い上げてほしい」という要望がだされました。時の議長さんからも「いいことだから私からも後押ししましょう」と言っていただいて、県で買い上げていただいた。それが、展示されることになりました。今後も続けていただきたいと思います。
(2)和歌山県の平和宣言
《要望》雑賀光夫
県議
これにかかわって課題として残されているのが、平成10年の県議会での「核兵器廃絶平和県宣言」の扱いでございます。
「核兵器を廃絶し、恒久平和を実現することは、唯一の被爆国である我が国はもとより人類共通の悲願である。
現在、世界には、地球上のすべてを破壊して余りある核兵器が貯蔵されており、人類は常に核兵器の脅威にさらされている。
和歌山県議会は、人類永遠の平和確立のため、いかなる核兵器も廃絶するよう強く訴え、県民の総意として、ここに核兵器廃絶平和県を宣言する。
平成10年6月24日 和歌山県議会」
私はせっかくの平和宣言だから、「和歌山県が平和宣言をしていることの表示物を置いてはどうか」と提案しておりました。県当局からは、「議会の宣言だから議会で考えてもらいたい」というお話でした。
昨年のことですが、当時の尾崎太郎議長から「市民団体から平和宣言の表示物をという要請があったがいいことだと思うので、みなさんで協議してほしい」というお話がございまして、各会派持ち帰って検討しました。私としては、引退前のいい手土産ができたと喜んでいたわけですが、ある大きい会派が、「どうもまとまらないんだ」と代表者の方がおっしゃいまして、せっかくの提案がお蔵入りになっているわけでございます。
こうしたことは、全会一致が望ましいと思いますので、ぜひ実現していただけますようお願いして、私の最後の発言を終わります。
みなさん、どうもお世話になりました。ありがとうございました。