和議第4号
児童虐待防止対策のさらなる強化を求める意見書(案)
暴力を振るう、食事を与えない等の行為によって、保護者が我が子を死に追いやるといった深刻な児童虐待事件が相次いでいる。こうした事態を防ぐため、国は虐待の発生防止、早期発見に向けた対応を行ってきたが、悲惨な児童虐待は依然として発生し続けている。
特に、昨年3月の東京都目黒区での女児虐待死事件を受け、政府は同年7月に緊急総合対策を取りまとめ、児童相談所の体制強化などを図る法改正案を国会に提出しようとしていたが、その直前の今年1月、野田市で再び痛ましい虐待死事件が発生した。児童相談所も学校も教育委員会も警察も把握していながら、なぜ救えなかったのか、悔やまれてならない。
この第198回国会において成立した児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律の内容が着実に実行されるとともに、下記の取組の推進を強く求める。
記
1 「しつけによる体罰は要らない」という認識を社会全体で共有できるよう周知啓発に努めるとともに、法施行後必要な検討を進めるとしている民法上の懲戒権や子供の権利擁護の在り方についても速やかに結論を出すこと。
2 学校における虐待防止体制の構築や警察との連携強化、スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤー配置のための財政的支援を行うこと。
3 虐待防止のための情報共有システムを全ての都道府県・市町村で速やかに構築できるよう対策を講じるとともに、全国統一の運用ルールや基準を国において速やかに定めること。
4 児童相談所とDV被害者支援を行う婦人相談所等との連携を強化し、児童虐待とDVの双方から親子を守る体制強化を進めるとともに、児童相談所の体制整備や妊娠・出産から子育てまで切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターの設置推進を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年6月27日
様
和歌山県議会議長 岸本 健
(提 出 者)
尾崎 太郎
長坂 隆司
奥村 規子
多田 純一
玄素 彰人
(意見書提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
厚生労働大臣
文部科学大臣
法務大臣
国家公安委員会委員長