和議第5号
          新たな過疎対策法の制定を求める意見書(案)

 過疎地域は、人口の著しい減少によって地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にあり、現行過疎法では、和歌山県内18市町村が指定されている。
 過疎対策については、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」が制定されて以来、4次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げてきたところである。
 しかしながら、依然として多くの集落が消滅の危機に瀕し、また、森林管理の放置による森林の荒廃や度重なる豪雨・地震等の発生による林地崩壊、河川の氾濫など、極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、我が国の国土の過半を占め、豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、都市に対する飲料・水・エネルギーの供給、国土・自然環境の保全、いやしの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大な貢献をしている。
 過疎地域が果たしているこのような多面的・公共的機能は国民共有の財産であり、それは過疎地域の住民によって支えられてきたものである。
 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は令和3年3月をもって失効することとなるが、過疎地域が果たしている多面的・公共的機能を今後も維持していくためには、引き続き、過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を充実・強化し、住民の暮らしを支えていく施策を確立・推進することが重要である。
 過疎地域が、そこに住み続ける住民にとって安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されることは、同時に都市をも含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものであることから、引き続き総合的な過疎対策を充実強化させることが必要である。
 よって、新たな過疎対策法の制定を強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和元年6月27日
                様

                                  和歌山県議会議長 岸本  健
                                          (提 出 者)
                                            尾崎 太郎
                                            長坂 隆司
                                            奥村 規子
                                            多田 純一
                                            玄素 彰人
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 国土交通大臣