和議第8号
      国民健康保険のさらなる国庫負担増額を求める意見書(案)

 我が国は、国民皆保険制度により、国民に等しく良質な医療が提供され、その成果として世界最高水準の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた。誰もが安心して必要なときに必要な医療を受けることができるこの国民皆保険制度は、我が国が世界に誇るべき制度であり、今後も維持していくべきである。
 その中で、国民健康保険は、他の医療保険等に加入していないすべての住民を被保険者として、国民皆保険の根幹をなすものとして重要な役割を果たしてきた。
 しかし今、国民健康保険は、協会けんぼや健康保険組合などの被用者保険と比べて「年齢構成が高く、医療費水準が高い」、「所得水準が低く、保険料の負担が重い」といった構造的な問題があり、当県のように高齢化が進み、いわゆる地方の問題を抱えているところでは医療費水準が高く、その負担の問題は深刻な状況となっている。
 国民健康保険制度を将来にわたって守り続けるために、平成30年度からは、県が財政運営の主体となり、国保運営の中心的な役割を担っている。
 しかし、事業主負担のない国民健康保険は、世帯員数に応じて算定する「均等割」や、これを補完する「平等割」が賦課されることなどから、被用者保険と比較すると、相対的に保険料の負担が重くなっている。そのため、「均等割」及び「平等割」の最大7割を軽減する本県の保険料軽減世帯は、平成30年度で約63%であり、この点でも所得水準の低い被保険者の負担は限界となっている。
 国民健康保険制度を持続可能なものにしていくためには、国庫負担金の大幅な増額など財政支援の拡充が必要不可欠となっている。
 さらに、子育て支援を推進する観点から、子供に係る均等割保険料を軽減する措置の導入は、運営主体となる県・市町村の切実な要望となっている。
 こうした点を勘案して、国の責任において国保財政への抜本的な基盤強化が行われるよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和元年6月27日
               様
                                  和歌山県議会議長 岸本  健
                                          (提 出 者)
                                            奥村 規子
                                            林  隆一
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 厚生労働大臣
 財務大臣