2019年12月県議会 福祉環境委員会
 奥村規子委員の質問概要記録
                             20191216
【福祉保健部】 【環境生活部

【福祉保健部】
《質問》奥村規子 委員
 議案第194号「和歌山県立こころの医療センターにおける医療過誤に伴う損害賠償の額について」でお尋ねする。あってはいけないことだが、現場ではこういった事象が起こりうる。今回は、損害賠償の額についての議案だが、この件についての原因と今後の防止策について、どのように議論されたのか。

《答弁》 医務課長
 県立こころの医療センターでの医療過誤については、救急で運ばれてきた精神疾患の患者さんに対して、違う薬を誤って注射してしまった。
 少し経緯を説明させていただく。精神疾患で運ばれてきた患者さんを診察したところ、身体の病気もお持ちであった。通常の精神疾患の救急患者に用いる薬では、身体の病気の方に副作用が生じるということで、副作用の少ない薬を投薬するという診断はしたのだが、いざ注射するときに、通常用いる薬を使ってしまった。
 これまでも、注射をするときには二重、三重のチェックをしているところではあるが、救急で慌てている状況では、チェックが甘くなってしまった。今後も発生する可能性があり、チェック体制の徹底のため、対応マニュアルを改訂した。
 また、部長の説明にもあったように、まず医療現場で取り間違いのないように、薬の保管場所を別々にするなど、そういうミスが起こらないように事前の対策も行った。今後も、こういうことを徹底して、再発防止に努めていきたいと考える。

《要望》奥村規子 委員
 マニュアルも含めて院内でしっかり徹底されているということで安心した。今後ともこのことに限らず、医療現場でのミスというのは命に直結することであるので、しっかりと対応をよろしくお願いする。
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《質問》奥村規子 委員
 ねんりんピック紀の国わかやま2019で、職員の皆さんも、それから県民の皆さんもいろんな面でお力を発揮されて成功に終わったとお聞きしたが、この取り組みを通して全体としての成果と課題についてお聞きしたい。

《答弁》 ねんりんピック推進課長
 ねんりんピックの開催に御協力いただき、感謝申し上げる。
 全体的な成果で、具体的な数字等については、2月に経済波及効果ということで、公表する予定であり、今、精査しているところである。中間報告の数字では、昨年の富山大会、一昨年の秋田大会に劣らないくらいの経済波及効果があったと聞いているところである。具体的な数字は2月に発表する予定としている。
 全体的な総括として、まず県民の総参加ということで部長の説明にもあったボランティアをはじめ県民の方々が御協力いただいた、そういう点で盛り上がったと考えている。来県された選手の方々に聞くと、和歌山県のおもてなしが最高によかったと聞いている。具体的には、和歌山県は宿泊施設が少ないので、宿泊施設においては満足に至らなかったということも口にされているが、ただ、各市町のおもてなしが、過去において比較できないくらい最高のおもてなしであったと、そういった声が多く聞かれた。和歌山県はとても温かかった、という声が大会終了後に葉書などで多く寄せられている。総括としては、ねんりんピックというのは健康長寿日本一を目指すひとつの礎になったと思っている。

《要望》奥村規子 委員
 ねんりんピックを通して、幅広い健康への取り組みが日常生活に定着していくという点で、先ほど浦口委員も言われていた、健康づくり運動ポイント事業などが実践的に反映され、さらに意気が上がっていくことを期待する。
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《質問》奥村規子 委員
 民生委員・児童委員について、和歌山県の人口が少しずつ減少してきている中で、委員の人数は改選を通してどのようになっているのか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 市町村によっては、民生委員・児童委員の区域の変更や人口が増えてきたため増減はあるが、県全体としては、3年前の前回一斉改選時と比べて、民生委員・児童委員の定員に変更はない。
 ただし、実際の民生委員・児童委員の委嘱者数については、残念ながら現在欠員80人となっている。全国平均に比べ、若干上回っている状況であるが、引き続き民生委員・児童委員の委嘱数が増えるよう活動をしているところである。

《質問》奥村規子 委員
 定員は変更なしということだが、民生委員・児童委員を担ってくれる方の苦労のお話を非常によく聞く。報告があった欠員が発生している状況については、改善すべき問題や活動してもらいやすい状況をつくっていく必要があると思うが、その対応についてどのように考えるのか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 地域住民の方に、民生委員・児童委員の存在や、業務内容が正しく認識されていないということがあり、広く県民に周知するため、きのくに21において当課の若手職員が民生委員・児童委員の活動状況の紹介を行った。
 また、業務が複雑化、困難化をしているため、民生委員の職務の負担軽減について、市町村や民生委員・児童委員の方々と相談しながら、検討を進めているところである。

《要望》奥村規子 委員
 民生委員・児童委員が活動する際に、バックアップ体制や相談活動及び連携がスムーズにいくようにできることはあるかと思う。先ほど課長が述べられた民生委員・児童委員の負担軽減や困難な点について、対策をしっかりとしていただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 高齢者施策について、特に介護保険制度の関係で質問をしたい。
 介護保険老人保健施設を運営している知り合いがいるのだが、介護職の方が病気や色々な事情で3人も不足しており、募集をかけても応募がない状況が毎日続いているという。介護職の人は何が大変かというと、看護師が夜勤をするわけではなく、介護職の方だけで利用者をみている状況である。命に直接かかわる場面もあるのだが、社会問題にもなっているように1ヵ月当たりの賃金が安いなどさまざまな問題がある。
 介護人材確保について、これまでも県として、いろいろと対策を講じ頑張っていると思うが、現場では改善が見えないという現状だと思う。
 県の介護人材確保に当たっての認識及び取り組み状況について教えてもらいたい。また、来年度は、どのような対策を実施していこうと考えているのか教えてもらいたい。

《答弁》 長寿社会課長
 介護人材については、本県のみならず、全国的に不足をしており、具体的に有効求人倍率で申し上げると、全職種の倍率が1.23倍であるのに対して、本県の場合、介護人材に関しては約2倍の2.67倍と他の職種と比べて非常に高くなっており、介護職の募集をしても、なかなか来ていただけない状況となっている。
 本県では、従前から介護人材確保対策ということで、新規の就労対策として、地道ではあるが、無料職業紹介や就職フェアといったベーシックな人材確保策とあわせて、地元への定着という視点から高校生を対象に初任者研修の無料受講により資格を取ってもらい、介護現場への就職をしてもらう施策や、返還免除付きの介護福祉士修学資金を貸与することによって介護職の就労につなげる施策に取り組んできたところである。
 あわせて、定着促進ということで、先ほど委員の話にもあったように、介護職というのは、非常にきつい職場であるので、少しでも負担を軽減し、業務を効率化しようということで、今年度から介護ロボットの導入に関して支援を行っている。
 なお、それでも非常に介護人材が不足している中で、来年度以降、どのような対策に新たに取り組むのかということだが、来年度については、いわゆる外国人人材について、介護事業所と外国人人材のマッチング支援であったり、外国人人材ということもあり、一定の語学力とか、技術に若干不安があるということで、日本語研修や技術研修の実施に向け、現在内容を検討しているところである。

《質問》奥村規子 委員
 高校生を対象に働きかけているということだが、高校生の場合は進路指導の先生の理解に大きく影響されるのではないかと思う。一部の先生固有の問題かもわからないが、高校の先生方は、介護職場を高校生に希望のある職場として勧めにくいということをお聞きしている。
 そうしたことを考えると、高校生への働きかけをやっていかなければならないと思うが、その点についてはどうか。

《答弁》 長寿社会課長
 高校生に対する就労支援については、委員ご指摘のように一部の学校現場で、特に進路指導の先生方で、そういう誤解をしているところも無きにしもあらずという状況である。
 そのため、県としては教育委員会とも連携をとって、先生方に意識改革をしていただくとともに、介護事業所とともに県職員が各学校を訪問し、進路指導の先生方と面談をして、介護職の魅力などを啓発するという活動も行っている。
 また、職場体験などの受け入れも積極的に行い、そのような誤解がないよう、処遇1つをとっても、以前と比べるとかなり改善されているといったことなど、従来のイメージを払拭するための活動も、あわせて実施している。

《質問》奥村規子 委員
 介護ロボット導入について、現在までの各施設での導入実績、導入にあたっての困難な問題や現状はどうか。

《答弁》 長寿社会課長
 実績は、先ほども説明したように、今年度から事業を開始したため、まだ導入には至っていないというのが現状である。
 ただこれは、県の補助制度としては今年からということで、既に国予算の活用や自己資金などで過去に介護ロボットを導入している事業所もある。県事業を創設するにあたり、導入している事業所に尋ねたところ、夜勤体制が1人減少したなど効率化できるという効果を伺っている。これらをあわせて、今年度の補助事業を開始する前に事業所を集めての説明会を開催し、効果なども説明をさせていただいたところである。
 現在の申請状況としては、75事業所で介護ロボット276機器の申請があり、今後交付する予定となっている。

《要望》奥村規子 委員
 予算的な問題も、介護現場での仕事の負担軽減につながることも含め、しっかりと取り組んでいただきたいと思っているので、よろしくお願いする。

《質問》奥村規子 委員
 介護保険料について、保険料が上昇している中で、再来年度に新たに保険料が設定されるが、これ以上の保険料の引き上げは、年金なども含めると大変になるといたるところで聞く。そのような中で、介護保険料の引き下げについて、基金の取崩しも含めてどのように考えているのか。

《答弁》 長寿社会課長
 介護保険料については、今後も高齢化が進み、介護需要がますます増え、現行制度の下では、保険料の上昇はやむを得ないと考えている。
 本県では、現在、軽度な要支援者に対する自立支援の取り組みや、要介護状態になるのを未然に予防するための介護予防の取り組みを、市町村とともに積極的に実施している。ただし、そのような取り組みを実施したとしても、少子高齢化がますます進行し、介護需要が高まっていく中で、保険料は上がらざるを得ないと考えている。介護保険制度は、国の制度であることから、恒久的な保険料の軽減措置を講じるよう、国に対し申入れを行っているところである。
 介護保険制度の基金については、目的があり、ためているようなものではなく、介護保険事業特別会計において、本来、保険者として、必要な保険料を決めた上で、当該保険料に公費等を加えた金額を、介護サービス事業者へ介護報酬として支払うわけだが、不足を来してはいけないことから、結果として、当会計に残った金額が基金として残っている形となっている。そのため、基金の目的は、ためるというものではなく、またそれを使って意図的に保険料を減らす類いのものではないということは御承知していただきたい。
 なお、第8期介護保険料については、来年度中に各市町村で検討することとなるが、今後3年間の高齢者数や要介護認定者数の推移、新たな介護サービス基盤の整備、報酬改定等を勘案し、必要となる介護サービス費用を算出した上で、利用者負担となる1割を除いた分について、半分が公費、残り半分が65歳以上の第1号被保険者と40~64歳の第2号被保険者の保険料で負担することとなり、第1号被保険者が負担する費用を高齢者数で割ると、各市町村の保険料が算出されることとなる。

《質問》奥村規子 委員
 現在の基金の額はいくらか。

《答弁》 長寿社会課長
 現在わかっている金額については、現行計画を策定する際の数字であって、平成29年度の決算見込みで、県全体で約37億円あり、各市町村は、平成29年度以降の3年間で22億円程度を活用するというような計画を立てている。あくまでも3年間で充当していく形になるので、現在の数字は把握していない。

《要望》奥村規子 委員
 基金の性格については、取り崩して保険料の引き下げに使うような目的ではないとのことだが、介護保険料について来年度検討する際に、県独自でできることと合わせて、国に向けてしっかりと、介護保険料引き下げのための施策を求めてほしいと要望させていただく。
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《質問》奥村規子 委員
 地域医療構想について一般質問でもいろいろと出たが、委員会でも質問をさせていただきたい。厚生労働省が全国424病院の名称を公表し、和歌山県内では5つの病院が公表されたが、その影響を踏まえて各病院からも意見をいただいていると思うが、県としてどのように受け止めているのか。

《答弁》 医務課長
 今回公表された5つの病院については、私も直接その病院関係者と話をさせていただいて、一般的にはそれほど、そこに通院や入院されている患者さんから、ここの病院は無くなるのか、といった声はなかったと聞いている。
 しかし、そうは言いつつも、自分が通院している病院が、なぜ名指しされたのかといった問い合わせや、心配の声は寄せられているという状況である。本会議で知事が答弁をしたが、今回の公表に関しては、我々も国の方が少し荒っぽいやり方でもあり、分析自体、いろいろ問題があると考えているが、それはそれとして受け止めた上で、地域医療構想を進める上で、1つの分析の指標として取り扱っていけばいいと考えており、各病院に対しても、特段、今回の国の公表を受けて、県として何か新たに迫る、つまり、方向転換を強制的に求めるというものではないと説明させていただいている。

《意見》奥村規子 委員
 近畿のある会議の中で、厚生労働省が今回の公表について反省と謝罪をしたことも聞いているが、そういったことが実際に起こり、安易な形で発表してしまうところに不安を感じる。地域の病院というのは、そこが無くなったら住民にとって遠方になるなど、いろんな不安を抱えることになると思う。
 今回の公表は、住民の意思や病院の成り立ち、地域の要求を無視して進める国の姿勢の現れだと思うので、県民に近い県行政として各保健医療圏においていろいろな意見を聞いていると思うので、更にいっそう、今の和歌山県の実態に合った状況で頑張っていただきたいと思う。地域医療を守っていく立場から、ぜひ頑張っていただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 ひきこもりへの支援については、国のひきこもりサポート事業と、生活困窮者の自立支援の中で委託する制度が混在している。
 ひきこもりは一人ひとり原因が異なり、年齢や家族などさまざまな状況によって、その人への支援をきめ細かく行っていく必要があるが、現場の皆さんから不都合があると聞く。県はどのように認識しているのか。

《答弁》 障害福祉課長
 ひきこもり支援については、平成16年から、県単独事業でひきこもり者社会参加支援センター事業を実施してきた。今年から、国の2分の1の補助事業であるひきこもりサポート事業に移行し、各事業所にはその事業を活用いただいている。
 ひきこもり者社会参加支援センター事業で行っていた、同じような悩みを持つ方に集まっていただく居場所の提供や社会体験的なもの等については、引き続き事業費を確保することを市町村とも打ち合わせをしながら、ひきこもりサポート事業に移行していると考えている。
 また、生活困窮者対策については、ひきこもり状態にある方だけではなく、生活困窮の方や、困窮するおそれのある方を対象に福祉事務所で行っており、事業所が受託することで、ひきこもりの方に対して、体験的な事業や就労に向けての前段階の取り組み等を支援できるという形になっていると理解している。
 予算で考えると、この2つの事業をあわせて行うことで、事業内容が確保できていると考えている。

《質問》奥村規子 委員
 国の予算では、ひきこもり地域支援センターは都道府県で1ヵ所となっているが、本県の状況はどうなっているか。

《答弁》 障害福祉課長
 1ヵ所である。

《質問》奥村規子 委員
 ひきこもりの方の困っていることは、相談ができなかったり、知らなかったりすることがあるので、早期に相談できる体制が大事だと思う。全市町村で相談に応じられる体制はできているのか。

《答弁》 障害福祉課長
 市町村の窓口において、ひきこもり状態にある方の相談の受け付け、対応は行っている。

《質問》奥村規子 委員
 相談できるということだが、居場所などの支援を行える事業所は、全市町村で対応できるように設置されているのか。

《答弁》 障害福祉課長
 現時点においては、各市町村に居場所を提供できる事業所があるわけではないが、郡市の圏域で1ヵ所あるいは2ヵ所設置されている。ただ、有田圏域には現在のところ事業所がない状況である。

《質問》奥村規子 委員
 相談を受け付けても、事業所の受け入れが困難となることが生じてくるのではないか。
 県として、ひきこもり対策について早期に対応できる体制をつくっていくことが大事だと思うので、来年度も引き続き取り組んでいただきたい。

《答弁》 福祉保健部長
 補足する。ひきこもり対策で一番困っていることは、第一義的な相談につながらないことである。それは、家庭のことを話したくない、いずれは社会性が復活してくれるだろう等の思いがあって、なかなか相談につながらない。居場所等の事業所につながる以前の問題が非常に難航しているところであり、今年からアウトリーチに積極的に取り組んでいる。アウトリーチも押し付けはできないので、いろいろな方法で相談窓口を周知して、少しでもつながったら家へ行って、本人に会えなくても、保護者の方と何回も会いながら、少しでも社会性を復活していただくよう取り組んでいくことが、いま一番の課題だと思っている。
 それと同時に、地道にアウトリーチを行い、少しでも心を開いてくれたときに、自分の意思で行ける居場所につなげていきたい。そこのハードルが、なかなか高い。外へなかなか出てこないために、市町村の中には、ひきこもりの人がいないと判断しているところもあるが、そうではなくて潜在的にいるので、事業所を圏域につくってくださいということを含め、今やっているところである。
 そういったことも含めて、いわゆる、ひきこもりの人が、まず第一義的なところへつながるようなことを一生懸命やっており、引き続き取り組んでいきたいと思っている。

《要望》奥村規子 委員
 本当にそうだと思う。外へ出かけるのに、何十年もの時間を要して支援が続いていたとか、このような支援がなかったときから取り組んでいる施設の方もいるという話も聞く。
 伴走型で継続的な支援体制を確立することでは、自治体の担当職員なども大幅に増やして、本人の居場所づくりをきめ細かくつくっていくことや、家族会とか、ひきこもりに対する社会の認識をしっかりと持っていただくことが非常に重要であると思う。現場の意見もしっかりとくみ上げて、制度に合していくのではなく、制度を柔軟に対応させていくよう、ぜひお力添えをよろしくお願いしたい。
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議案に対する採決
議案第174号 令和元年度和歌山県一般会計補正予算
議案第194号 和歌山県立こころの医療センターにおける医療過誤に伴う損害賠償の額について
は全会一致で原案可決


【環境生活部】
《質問》奥村規子 委員
 太陽光発電事業について、説明にあった認定審査中の6件とはどこか。

《答弁》 環境生活総務課長
 和歌山市内では千手川の西側、平井、西庄の案件で、和歌山市以外では紀美野町、海南市、海南市下津町の合計6件となっている。

《質問》奥村規子 委員
 紀美野町の太陽光発電事業についてお聞きしたい。
 私は、地元の専門家に案内していただき、現地を見させていただいた。
 その地域にはスポーツ公園があるし、すぐ近くに団地があり、反射光など大変な影響があるということを実感した。それ以外に遺跡もあるし、和泉山脈と異なるグリーンベルトをどう加工していくのかということも含め、大変疑問に思っている。
 県太陽光条例の中で、自治体との協議というのが第4条にあるが、具体的にどういう協議をするのか、紀美野町の事例ではどのような状況か教えていただきたい。

《答弁》 環境生活総務課長
 自治体との協議は、事業者が事業計画の案をつくる前に、この地域で事業を実施する場合、どういう法律的な規制がかかっているのか、それを明らかにして必要なものがあれば、所管している行政機関の方で手続をしてもらう等、そのあたりを明らかにするものである。
 紀美野町の案件については、提出された認定申請書の縦覧を終え、縦覧期間中に寄せられた住民の意見を取りまとめて事業者に見解を出すよう求めている段階である。

《質問》奥村規子 委員
 法律に抵触しなかったら進めていくということだが、その点で申し上げたい。
 土砂崩れや遺跡もどうしていくかなど、いろんなことを含め説明をお伺いしたい。集中豪雨などで、下にある樫河(かしこ)池へ土砂が流出することになれば、下流の団地やいろんな所に影響することとなり、本当に危険な状況と思う。意見書は何件出されているのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 約500件となっている。

《質問》奥村規子 委員
 和歌山市の和泉山脈の事業計画についても、意見書は600~700件と聞いている。人口が少ないこの地域で500件もの意見が出ていることは、非常に地元の人たちが不安に感じているという証拠だと思う。そういった点で、県としてどう対応されていくのか。
 その地域には県営住宅もあるし、住環境の悪化などを心配している。計画図を見ると、業者が切士、盛土、造成、斜面崩壊など、調査をきちんと行っているのか非常に心配している。
 県としては今後、自治体との協議で法律に抵触していなかったら、法律に基づいて書類が準備されていれば、受け入れていかなくてはならないという立場なのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 書類が整っていれば、受け取らなければいけないのかというご質問だが、必須書類がそろっていれば受け取ることになる。
 そして、受け取った後、さらに追加の資料を求めることもある。

《質問》奥村規子 委員
 追加の資料という点では、業者が出してきた調査の中で疑問に思うのは、ボーリング調査がされていないときに設計しているように見受けられる。そういったことは、追加資料の対象にならないのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 先行して審査している和歌山市の案件については、ボーリング調査について資料を求めている。
 紀美野町の案件についても、審議会の意見を聞く中で、資料を求めるということも考えられる。

《質問》奥村規子 委員
 そういう基本的なところで、不備な状況でも県が受け入れていることに疑問を持っている。そういった点も含め、住民の皆さんのいろんな意見への対応をどのようにお考えか。

《答弁》 環境生活部長
 県太陽光条例の運用については、これまで何度も本会議も含めてお答えしているところである。
 委員から県が不備なものを受け付けているというような発言があったが、そのようなことはない。
 事業者から、条例に基づき適正に必要な書類が提出されている場合には、全て受け付けるのが当然のことである。
 その中身について、精査した上で、あるいは住民の方々の意見をもらった上で、内容については不十分であるとか、あるいは、この内容については安全性が担保されていないと考えたときには、事業者に対して、再度、それを説明する資料を提出するよう指示している。その資料に基づいて、審議会に諮って、専門的な見地から、審査判定をしているので、決して不備なものを受け付けたりはしていない。

《要望》奥村規子 委員
 紀美野町の太陽光発電事業案件については、住民からいろんな意見がでていることを踏まえて、しっかりと厳しい対応をしていただくよう要望する。
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《質問》奥村規子 委員
 紀の川市で水道料金を18%値上げするとの資料を見た。
 県は水道ビジョンで取り組み方針を示したが、県内市町村の水道事業の現状はどうか。

《答弁》 食品・生活衛生課長
 水道事業は、本県水道ビジョンで示したとおり、老朽化が進む水道施設や水道管の更新に多額の費用が必要となる一方、人口減少に伴い給水収益は減少し続けるため、今後、厳しい経営状況となることを予測している。
 こうした課題解決に向け、各市町村で健全で持続可能な水道事業を実現するため水道事業の現状や料金改定の必要性について議論が始まっている。
 県では今後も、本県の水道が直面する課題を市町村と共有し、例えば水道施設の更新において最もスケールメリットが得られる浄水場の統廃合などのシミュレーションの実施とその効果の比較分析を行う「水道広域化推進プラン」を策定するなど、リーダーシップを発揮して水道事業の広域化に向けて取り組んでいきたいと考える。

《要望》奥村規子 委員
 水道料金の引き上げなど大変な状況になってくると思うので、国や県でのバックアップをお願いする。
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議案に対する採決
議案第174号 令和元年度和歌山県一般会計補正予算
議案第185号 和歌山県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案可決



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