2020年2月県議会 文教委員会 杉山俊雄委員の質問概要記録


2月25日 補正予算等審査
《質問》杉山俊雄 委員
 先程のLAN整備だが、高校の次は中学校、小学校と順次やっていくことになっているのか。

《答弁》 教育総務課長
 順次ではなく、小中学校も、基本的には国の経済対策で一気にやっていくことになっている。
 パソコンについては、県立学校と同じような形で来年度に整備し始め、3カ年で整備していくことになっている。小中学校については、1人1台パソコンを目指している。
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議案に対する採決
議案第18号 令和元年度和歌山県一般会計補正予算
議案第21号 令和元年度和歌山県修学奨励金特別会計補正予算
議案第28号 令和元年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
は全会一致で原案可決


3月12日 付託議案等審査
《質問》杉山俊雄 委員
 新型コロナウイルス感染症対策について、安倍首相の判断で、全国一斉に学校を休業することになったが、科学的根拠も合理性もなく、現場は大変混乱している。近所の親たち何人かと、学童保育をしている私の先輩の話を聞くことによって、すごく実態が分かってきたので聞いてほしい。
 私が聞いたのは紀の川市だが、全国一斉で実施したため、学校と学童がともに子どもたちを見ましょうとの話し合いをしたが、教育委員会から、学童で見てほしいと言われ、学校では、最初子供たちを見てもらえなかった。最初8時半から学童で見てくれるよう言われたが、年配の方が多いため、システム的にできないため、通常通り14時半から子どもたちを見ることになった。2~3日して、学校の方で子どもたちを見るということで、学童も14時から行うことになった経緯がある。
 ある学校では、朝8時半になると先生がやってきて門を開けて事情を聞き、親が申込用紙に必要事項を記入して受け入れてもらっている状況である。申込書を書かないといけないのは、後に問題が起こらないようにするためだと考える。
 申込用紙を記入すると子どもたちは、教室に入る。ある学校では人数は少なく、低学年で4~5人。2メートル間隔で座らされてマスクをして、私語が禁止されており、移動も禁止されている。移動ができるのはトイレに行くときだけとなっている。また、質問にも一切答えてもらえず、先生が後ろで見張っているような状況である。校舎の中にはコーンを置いて、ここから向こうは行ってはいけませんというような状況にもなっている。開くのが8時半からということで、1人親は8時半に送ると仕事に間に合わないので、友達に子どもを毎日預けに行ったり、または、おじいちゃん、おばあちゃんのところへ預けに行ったりしている。
 また、ある学校では、3日間だけ開けて、置いてある荷物や通知表を親が取りに行くことになっている。その3日間も8時半から17時までで、校舎には入れてもらえない。グラウンドから行って、校舎の外からノックして、学年とクラスと氏名を伝え、荷物を取ってきてもらう。普通であれば、懇談をして「どうですか」というようなことがあっていいのに、そういう話がないようである。
 学校の受け入れは、最初は子どもが少し多かった。しかし、今は厳しい状況で、いつも優しい先生が厳しい感じになり、低学年の子どもたちは、それに恐怖を感じて、泣いて帰るような子も出てきており、キャンセルが続いている。現在は、4~5名になっている。また、家庭訪問はしないそうだ。
 それから、テレビで和大附属中学校がインターネットで授業を行っている放送を見た保護者から「私たちの学校の子どもたちの教育って一体どう保障してくれるのだろうか」「エリートだけ保障されるのか」「一般庶民の子どもは保障されないのか」と言われた。
 学童はここではあまり関係ないが、学童も、普段は80名いるそうだが、今は10数名ぐらいという話をしていた。遊具は絶対に触らさない。本を触ると、触った所を消毒する。消毒をするのに子どもたちが疲れるくらいの状況だそうだ。学童はグラウンドを使えるので、グラウンドで少し遊ばせる。しかし、ある学校は、体育館はだめ、グラウンドもだめ、図書館もだめ、音楽教室もだめというような状況であることを知ってもらいたい。
 国会で、日本共産党の小池晃参院議員が3月3日、萩生田文部科学大臣に、設置者が学校を開くと判断すれば尊重しますかと質問していた。和歌山県では、九度山が今もずっと開校しているし、日高町が16日から学校を開くということである(当時)。尊重しているところもあるので、必ず休まなければならないということにはなっていないと思う。
 3月6日に吉良よし子参院議員が萩生田大臣に質問したときに、体育館も図書室も文化施設もグラウンドも使える。低学年の子どもが一切の私語厳禁に耐えるのは困難なので、柔軟に対応してほしい。一部誤ったメッセージになっているので、大至急、正しく伝えていくという答弁をしている。
 文部科学省の答弁に対して、県教育委員会はどのような対応をしているのか。学校再開を検討している市町村はあるのか。学校を再開した時の受け入れの準備を学校にしておくよう伝えているのか伺いたい。

《答弁》 義務教育課長
 今回の一斉休業に伴い、県の要請を受けて、各市町村教育委員会それぞれで対応していただいているところである。特に、今あった、保護者がどうしても仕事を休めない場合、自宅等で1人で過ごすことができない児童の居場所の確保についてもお願いをしている。その状況については、委員から指摘があったが、市町村によって、学童保育の方で全面的に受け入れているところと、学童は昼からで午前中は学校でというように様々である。
 国会等の答弁のことがあったが、このことについては、文部科学省の方から、一斉休業に関するQ&Aが出ている。これは、国会等の答弁を踏まえて、何回か更新版が出ている。これらは、文部科学省のホームページでアップされているが、出てくるたびに、市町村教育委員会に、「更新版が出ているので、また新しいところをしっかり見てください」と連絡をしている。

《要望》杉山俊雄 委員
 通知等を出しても学校の方には伝わっていないことがあると聞いている。今でも体育館が使えない学校があり、子どもがじっとしていて学校ではすごく賢くしているが、家に帰るとストレスで爆発するという。わがままし放題で、そのような状況でいいのかどうか。特に低学年は、優しい先生が鬼みたいになり、学校がトラウマになってしまうのではないかと、今後の子どもたちの成長を心配している。
 柔軟な対応が必要で、「移動はだめ」など、低学年では無理なことをさせられている。また、支援学校の場合は、スクールバス厳禁になっている。学校で受け入れを実施しているが、使っている生徒は県内で2校、6名ぐらいだと聞いている。スクールバスを動かし、給食も実施して、障害のある子どもたちには、いろいろなサービスをしてほしい。このようなことをしている府県もあるので、行ってほしい。かつらぎ町は、学校へ子どもを送迎できない親がいるので、スクールバスを運行している。このような対応を、特別支援学校でもお願いしたい。

《質問》杉山俊雄 委員
 市町村で再開する学校はあるのか。

《答弁》 健康体育課長
 現状も含めて説明する。県立学校については、3月24日までの臨時休業、3月25日から春季休業の予定である。市町村については、25市町村が同じように、3月24日まで臨時休業の予定である。ご承知のように九度山町は、今臨時休業の措置はとっていない。2市町が臨時休業期間を確定していない。それ以外の2町については、臨時休業を少し早めに終える予定と聞いている。

《質問》杉山俊雄 委員
 今のままでは、長期化が予想される。様々なテレビを見ると、新学期が始まっても、このまま続くのではないかと心配している。素人の考えかもしれないが、九度山町のように休業しなくても感染者は出ていないということは、休業しなくてもよいのではないか。県として見通しを立てているのかどうか。本当に新学期になれば、きちんとやれるのか伺う。
 小学校で、4月が始まってからとなると、進級する準備ができない。終業式前に日数をかけ、子どもたちの今までのストレスの軽減や子どもたちと先生方との関係を構築しながら進級できる準備をする必要がある。臨時休業を終業式がある24日までとして、そこから春休みに入るのではなく、終業式前に日数をかけ準備をするようにお願いしたい。
 学校が始まると、学力保障をするということで1カ月近くの未履修部分を始まりの2週間程度で一律に押し付けるようなことがないか心配である。学校によって未履修の範囲も違う。遅れた部分を取り返すノウハウを教師は知っていると思うので、一律に「こうしろ」「ああしろ」と指示しないようにしてほしい。

《答弁》 健康体育課長
 まず見通しについては、刻々と状況は変化している。あくまでも現時点で3月24日まで臨時休業ということである。ただ、国でも3月20日あたりで若干の見通しも出ると聞いている。それらを見ながら、県としての今後の方針を立てながら進めていきたいと思っている。

《答弁》 義務教育課長
 再開した後のスムーズな学校での教育活動については、今、各市町村で、各学校の状況等の把握をしているところである。県教育委員会でも心配であるところを示し、連携を取りながら対応している。
 例えば、未履修の問題であれば、年度が明けると必ず同じ教員が担当するとは限らないので、学校できちんと整理をして、次の学年に引き継ぐことも必要だと思う。また、再開してからどのような計画で未履修の部分を含めた次の学年の学習内容を進めていくのかというような準備も必要であり、市町村教育委員会と連携を密にして、具体的に取り組んでいきたいと思っている。

《要望》杉山俊雄 委員
 義務教育課長の回答について、押しつけにならないようにだけお願いしたい。学校の自主性に任せていただきたい。
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《質問》杉山俊雄 委員
 変形労働時間制について、今後のスケジュールが分かっていれば教えていただきたい。

《答弁》 学校人事課長
 変形労働時間制については、令和3年4月施行で法律が国の方で改正されている。文部科学省へ問い合わせると新型コロナウイルス感染症の対応が優先され、国からの説明や書類が届いていない状況である。今後、そういったものを確認した上で働き方改革の1つの方法として研究していきたいと考えている。

《質問》杉山俊雄 委員
 この間題については、議員の方からも一般質問されたが、変形労働時間制は、選果場みたいに農閑期と農繁期がある職場では許容できるというが、県教育委員会は学校の閑散期と繁忙期の時期をどうとらえているのか。夏休みは閑散期で繁忙期はいつなのか。

《答弁》 学校人事課長
 各学校によって忙しい時期と比較的そうでない時期というのは違っており様々な学校行事が入っている時期や、年度当初、年度末などは、業務量が多くなり忙しい。夏休みなどの長期休業期間については、様々な行事が現在入っているが、行事はできるだけ少なくするように国からも通知が来ているので、今後検討していきたいと考えている。

《質問》杉山俊雄 委員
 ガイドラインで超過勤務時間が月45時間以内ということも言われており、勤務時間がきちんと徹底管理されているか疑問を持っている。和歌山県において、勤務時間をタイムカードやパソコン等できちんと時間管理している市町村は何割ぐらいあるのか伺いたい。

《答弁》 学校人事課長
 勤務時間の把握のやり方は市町村によって違いがあるが、タイムカードやパソコンの電源の入り切り、表計算のソフトに時間等を入力するなど、現在、全ての市町村で何らかの形で勤務時間の管理はしてもらっている。

《質問》杉山俊雄 委員
 何らかの形で記録をしているというが、紙に書いて提出しているところもまだまだある。時間管理をパソコンの入り切りやタイムカードを導入して行わなければ管理はできないと思う。
 全国の調査では、勤務時間が週51時間ぐらいであるが、45時間以内に収めることができるのかどうか、収めるためには教員を増やすか、増やせないのであれば業務量を大幅に減らさないとできない。そのための具体的な手立てを示せるのかどうかの見通しをお願いしたい。

《答弁》 学校人事課長
 業務の削減については、数年前から教育委員会としても校務の効率化に向けた取組指針等を策定し、様々な工夫で学校別で取り組んでいる。スクールサポートスタッフについては、来年度に向けて約30名程度増員するよういま国の方にも要求している状況である。各学校でもそれを活用しながら勤務時間の軽減に役に立てている。しかし、まだ不十分な部分もあるので今後しっかりと進むように考えていく。

《要望》杉山俊雄 委員
 SSS(スクールサポートスタッフ)ではなかなか本質的に業務を削減することにならない。一番大事なのは、子どもと向き合える時間を取ることだと思う。教材研究もして向き合う時間を1日の中に作る。そのためにそれ以外のことはバサッと削る。そうしないとなかなか出来ないと思うし、そういう方向で放り組んでいただきたい。
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《質問》杉山俊雄 委員
 教育のICT化について、和歌山大学教育学部附属中学校が休みでもパソコンで授業できるという部分はいいと思うが、それ以外の県内の学校はできていないと思う。ICT化やGIGAスクールについてのメリット、デメリットについて聞きたい。

《答弁》 義務教育課長
 教育のICT化についてのメリットとデメリットだが、メリットは、授業等で活用することによって、児童生徒がより深く理解をし、お互いの考えを共有しながら、学び合いをすることができるということがある。また、個別に最適化したような課題にも対応できると考えている。デメリットについて、大きなデメリットはないと思うが、GIGAスクールということで、1人1台のパソコンの話も出ており、パソコンが使える環境をスムーズに整えることができるのか、スムーズに教員が対応できるのかなどの課題がある。

《意見》杉山俊雄 委員
 効果的なことや遠隔操作みたいなこともできるが、心配しているのが、個別化になって、集団で学ぶことが疎かにされるのではないかと危倶する。あるいは、公教育へ企業が参入しやすくなると、民間で公教育が解体して、民間でできるというような心配をしている。
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《質問》杉山俊雄 委員
 12月から何回も言っていると思うが、今年度、正規教員が減って非正規が増えている。
 前回の文教委員会では、定数内講師の半減を目指すと答弁しているので、来年度は定数内講師は減るのかどうか、見込みとして正規教員を減らさずに、定数内講師と非正規が増えないというところを聞かせてほしい。

《答弁》 学校人事課長
 定数内講師については、できる限り減らす方向で採用計画を立てて、この4月に400名近い新規採用を予定している。
 しかし、定年延長が国会の方でも議論されている。早期退職者等、再任用の希望者も変動がある。
 また、非常勤講師が多いというような話もあったが、特別支援学級がここ数年、小中学校で非常に増加している。6人、7人という特別支援学級については1人の担当だけでは大変であるということで、非常勤措置等もしている関係から、非常勤も若干増えているということを理解してもらいたい。

《要望》杉山俊雄 委員
 定数内講師が減って正規が増えることをお願いする。

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議案に対する採決
議案第60号 教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
議案第61号 市町村立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
議案第62号 義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関
       する条例の一部を改正する条例
議案第63号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
議案第64号 和歌山県修学奨励金貸与条例の一部を改正する条例
議案第65号 わかやまスケートパーク設置及び管理条例
議案第66号 根来寺遺跡展示施設設置及び管理条例
議案第67号 和歌山県立学校等職員定数条例の一部を改正する条例
議案第81号 和歌山県と岩出市の根来寺遺跡展示施設の管理に関する事務
       の委託について
は全会一致で原案可決


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