2020年4月臨時県議会
 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録
                                 4月23日

《質問》奥村規子 委員
 アルコール消毒剤とマスクについて、病院など医療機関が優先ということは分かるが、なかなか県民の手に入らない状況をどのように考えているか。

《答弁》 薬務課長
 マスクと消毒薬について、現在確かに不足状態が続いている。県では医療機関を最優先としてマスクと消毒薬を確保できるよう努めているところである。
 マスクについては、従来の流通ル一卜で手に入れづらい状況のため、中国など独自の確保ルートを持った業者を探し、まとまった量を確保できる見通しが立っているところである。
 アルコールについても、国からの優先供給などにより、医療機関や福祉施設にも供給されているところである。
 県においても、今後、独自に確保できるよう製造業者などを探し、医療機関や福祉施設において確保できるよう努めていきたいと考えている。

《質問》奥村規子 委員
 医療機関や感染病床が最優先ということは大事なことだが、そこに安定供給できる見通しは立っていると考えてよいのか。

《答弁》 薬務課長
 県民への安定供給という点については、流通状況を把握し、県全体の中でどう取り組んでいくべきか考えていきたい。
 現在、マスクやアルコールは十分ではないが、全くないという状況ではないので、医療機関や福祉施設を優先すべきではないかと考えている。

《質問》奥村規子 委員
 無症状の感染者もいる中で、感染防止のためには手洗いが非常に大事だと思っている。
 しかし、町中で消毒液やマスクも確保できない状況である。国からは各家庭に2枚ずつマスクが支給されると聞いているが、全県民に行き渡るようにしてこそ、感染防止ができると思っている。感染防止のため、県が独自に県民に支給するというような取組を考えていないのか。

《答弁》 薬務課長
 県民に支給するという点について、県の予算の範囲の中で、優先すべき点を考えた上で、医療や福祉への供給を見ながら考えていく。

《答弁》 福祉保健部長
 誤解のないように補足したい。
 県の立場として医療機関や福祉施設を前提にするということでは決してない。もちろん、県民に行き渡るような手立てを講じたいと考え、とにかく毎日毎日、どんな業者があるか、躍起になって探している。
 現状、感染患者が増えてきた中で、医療機関が逼迫しているため、今そこを集中的にやっているが、もちろん県民の皆さんに行き渡るよう流通ルートを探している状態である。

《要望》奥村規子 委員
 最善を尽くしてくれている中で、県民にできることは正しく手洗いをすることが大事だと思っている。広報など基本的なところをしっかり取り組んでいただきたい。
 また、国から各世帯にマスクを2枚支給することに対して、意見がたくさん寄せられている。国が責任を持って全国民に支給となればいいのだが、そのような状況にないので、県としても独自で取り組んでほしいということを要望しておく。

《注意》 玉木委員長
〔奥村委員に対して質疑は付託案件の内容を中心にするよう注意〕

《質問》奥村規子 委員
 今、アメリカの感染状況が大変であるが、ニューヨークにある病院のICU病床で働く看護師さんの話を少し紹介する。
 重症でICUに入院された患者の多くがお亡くなりになるので、ご遺体を包む袋も不足している。霊安室はご遺体が山積みで、フォークリフトで霊安室から外に出され、トレーラーで別の場所に運ばれていて、それを見た人たちがショックを受けている。重篤な患者で助かる見込みがない場合は人工呼吸器のスイッチを切ることになる。医療従事者はオーバーワークで次々に体調を崩している。
 このような実態が、アメリカのニューヨークで起こっているとのこと。
 日本でも起こらないとは限らない。医療崩壊は防がなければならない。患者を受け入れている病院での医療従事者の働き方の実態はどうか。

《答弁》 医務課長
 感染症指定医療機関で勤務されている方の話を聞く限りでは、今紹介されたような状況にはない。通常、病院では3交代で勤務される看護師が2交代で勤務したり、また他の患者と感染症の患者を同時に見ることができないので、限られた医師と看護師が感染症病棟を担当している。
 緊張感を強いられ勤務も長時間になるため、心身のストレスも溜まるような現場ではあるが、病院全体が支援して対応している。
 まずは、医療崩壊という事態にならないよう、集団感染を起こさないよう、県民の方々にご協力をお願いしている。先はどの説明のとおり、優先順位をつけてPCR検査をして、肺炎像のある方などを早く発見して重症化させないということに全力で取り組んでいる。
 その上で、不幸にも重症化された方については、そこに医療を集中して、今できる最大限の医療を施すよう頑張っている状況である。

《質問》奥村規子 委員
 今の病院の実態に合わせて、保健所での相談など、保健所に集中するシステムになっていると思う。そういった中での働き方、働いている状況など、ぜひきちんと掴んでいただきたいと思うが、その点でどうか。

《答弁》 健康推進課長
 新型コロナウイルスの関係について、保健所の果たす役割というのは非常に大きいと認識している。
 相談センターでの相談対応も1つの業務として、帰国者・接触者外来への調整、検査が必要であれば、検体を確保して検査機関にまわしていく。
 そこから、陽性が判明した場合には、患者への聞き取り調査やその後の経過観察、入院対応など、いろいろな業務が発生して、本当に業務量として多くなっているというのが実態だと思っている。
 国からも、保健所の業務が過重になる中で、業務の検証や見直しを進めるよう負担軽減のための通知やチェックリストが出ている。
 県としても、そうした保健所の業務で先送りできるものや縮小できるものについては、負担を軽減するという意味で、積極的に取り組んでいきたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 保健所へ集中している認識を持たれていると理解したが、今後の課題でもあるので、そうした点も含めて保健所体制の強化を図っていただきたいと思う。

《質問》奥村規子 委員
 次に、危険手当や特別手当等について、対象者に看護職員を含めてもらいたい。
 病棟で働く看護職員には、看護補助者の方や事務の方も含め、いろいろな職種の方がいらっしゃる。その点も併せて、ぜひ考えていただきたいと思う。
 感染症対策の予算は3億1905万円であるが、病院で十分な対応をしたいということであれば、この枠についてどのように考えたらよいのか。
 3億1905万円という全体の額にはめて、病院が考えていかなければいけないということではないのか。本来は不足とか積上げの話ではないかと思うが、いかがか。

《答弁》 福祉保健部長
 全般的な予算であるが、緊急的に国が経済対策も含めて対策を講じ、それを受けて、我々も取り組んでいる。
 積算等は手探りの部分は多々ある。行動しながら、対応していく部分で不足する場合もあるかもしれないが、状況に応じ、また以後の見直しも含め対応するために、まずはスタートしたいという意味合いの予算を計上した。

《要望》奥村規子 委員
 私が言いたいのは、この枠の中で考えるということではなくて、現実に即して、病院の意見や現場の意見等も十分聴いてやってほしいという思いで質問した。
 今後の検討も含めてということなので、よろしくお願いしたい。
 そして、感染患者の対応のために医師等がホテルで滞在する場合の宿泊支援がある。皆さんに知っていただきたいのは、現場で働いている看護職や医療職に携わる人は使命感で頑張っているが、その家族の方に家に帰ってくるなと言われている中で、そのような医師以外の方にも、ぜひ対象を広げて考えてほしいということを要望する。

《質問》奥村規子 委員
 国民健康保険制度のことについて‥‥‥

《注意》 玉木委員長
〔奥村委員に対して質疑は付託案件の内容を中心にするよう再度注意〕

《質問》奥村規子 委員
 感染症病床について、45床から120床以上に増やすということであるが、各医療圏の数はどうなっているか。

《答弁》 医務課長
 45床のうちの32床は感染症指定医療機関の感染症病床で、それぞれ二次医療圏ごとの人口割に応じて定められた基準に基づいて設置している。
 今後、発生状況を見ながら、必要なところで病床を増やしていくため各病院に協力いただいている。その合計の数字が124床以上程度まできたところであるが、地域の発生の状況を見ながら、各医療圏で増やすようなお願いをしていきたいと考えている。

議案等に対する採決
議案第89号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
は全会一致で原案可決
報第1号 令和元年度和歌山県国民健康保険特別会計補正予算
は全会一致で承認


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