2020年4月臨時県議会
 総務委員会 楠本文郎委員の質問概要記録
                                   4月23日

《質問》楠本文郎 委員
 国庫支出金の中で国庫補助が中心であり、地方創生臨時交付金の財源という形になっている。国庫補助金と国庫負担金の仕分けの基準について教えてほしい。

《答弁》 財政課長
 国庫補助金については、地方公共団体が特定の施策を行うことを奨励したり、財政援助を行う場合に国から交付されるものであり、奨励的または援助的な性質を有するものである。
 一方で国庫負担金については、国と地方公共団体の双方が実施責任を有する事業に対して国が義務的に負担する性質のものであり、その負担割合については個別の法令で定められている。
 今回の地方創生臨時交付金については、地方公共団体が実施する感染症対応に関する事業に対する財政援助的な性質を有するものであるので、今回の補正予算においては、国庫補助金として、歳入計上している。

《質問》楠本文郎 委員
 今後も予算化が必要な事業がたくさんあると思うが、その点について伺いたい。

《答弁》 財政課長
 今回、4月補正予算では、国の緊急経済対策や本県の感染状況を踏まえて、現時点で必要と見込まれる感染症対策に係る予算を可能な限り計上させていただいている。
 ご指摘のどおり、今後の感染状況によっては、更なる対応が必要となる場合も想定されるほか、経済活動の回復のための支援など今回の4月補正予算には計上できていない事業もあるので、今後の感染状況も踏まえて追加の対応策をその都度、講じていく必要があると考えている。

《質問》楠本文郎 委員
 臨時交付金として1兆円が国で用意されているが、これでは足らないという意見が知事から出ていると報道されている。
 今回の補正予算で示されているように、いろいろな幅広い使われ方ができるものだということがよくわかった。:国の臨時交付金の経費配分について内示があるのか。その基準についてお示しいただきたい。

《答弁》 財政課長
 国の交付金がどのぐらい交付されるかについては、まだ国の方から示されていない状況である。
 一方で、配分基準については、人口や各団体の財政力、累積の感染患者数などの感染状況等を踏まえて、その交付限度額が算定されることになる。今回の4月補正予算においては、地方創生臨時交付金を約25億円計上させていただいているが、国の補正予算の額からすると、十分に国から交付される範囲内ではないかと判断した上で、予算計上を行っている。

《質問》楠本文郎 委員
 その地方創生臨時交付金だが、25億円というのは、国から内示を受けたわけでもないが、大体これぐらいは間違いなく確保されるだろうということで、今回、上程されており、近々、臨時国会が開かれて、そのあと額の確定という形だと思う。
 同じような形で、市町村にも出されると思うが、この市町村の地方創生臨時交付金の額というのは、県がこうで、市町はこれだけで連携するのか、県は県、市町村は別という形になるのか、情報があればお示しいただきたい。

《答弁》 財政課長
 交付金の交付に係る手続について、今、想定されているのは、国の補正予算が成立した後に、各団体で実施計画を作成し、それに基づいて交付決定が行われるというものである。その交付決定額というのは、国から示される交付上限額の範囲内で行われるが、都道府県、市町村それぞれに対して交付上限額が示されその範囲内で都道府県と市町村に対して別々に交付決定されると認識している。
 市町村と都道府県の連携については、それぞれの団体で実施計画を作成して、国に審査いただくことになるので、その中でしっかり連携するような形で申請していくものと考えている。

《質問》楠本文郎 委員
 県によっては、臨時議会を開かないところもあると聞いた。
 市町村で、臨時議会を予定しているところと、まだ県から何の連絡もない、音沙汰もないというような言い方をしているところもある。県から臨時議会を開かないといけないというような指導は、財政上必要はあるのか。

《答弁》 財政課長
 例えば、県の補正予算の中の事業で、市町村負担を要するものがある場合は、当然、市町村でも予算化が必要なので、議会を開いたり、専決処分して予算化が必要になると思うが、今回の県の補正予算については、基本的には、全て県の事業であり、県単独で行えるものであると思っている。

《答弁》 総務部長
 追加的に説明すると、今議会に提案している補正予算については、先はどの答弁にあったが、市町村に負担を求めるといったものはなく、併せて、市町村に臨時議会を開くようにという点はないが、報道されている1人10万円給付される定額給付金については、国から市町村に対し、早急に交付できるようにするため、臨時議会を開くなど予算化の手続を早めに進めてくれという話があると聞いている。

《質問楠本文郎 委員
 国庫負担金になると県の負担がでてくる。そのことと、一般財源との関わりについて説明してほしい。

《答弁》 財政課長
 今の質問は、臨時交付金の使途はかなり幅広いにもかかわらず、:なぜ財政調整基金を取り崩しているのかという趣旨だと思うが、今回の地方創生臨時交付金については、地方単独事業のほか、国庫補助事業に伴い生じる地方負担についても充当できることとなっている。例外的な取扱として、その中でも法令で国の負担割合が定められているもの、すなわち、先ほど説明した国庫負担金が国から支出される事業については、地方創生臨時交付金ではなく、特別交付税により措置される整理とされている。特別交付税については、交付時期が年度後半になっているため、4月補正予算においては、特別交付税が交付されるまでの間の措置として、財政調整基金の取崩しにより対応しているとごろである。

《答弁》楠木文郎 委員
 諸収入の歳入補正について、県として予定している予算規模をどのように見越しているのか。

《答弁》 財政課長
 今回の諸収入の歳入補正については、裏側の歳出において、中小企業への制度融資枠の拡大を行うことに伴うものである。具体的には、融資枠を150億円分拡大することを企図するものであり、その対応による生じる歳入として補正させていただいているものである。なお元々当初予算で確保している融資枠は、リーマンショック時の融資額を参考に900億円の枠を設定しているが、今回はそれに150億円を上乗せし、さらなる充実を図っているということである。

《質問》楠本文郎 委員
 予算には、予算の枠がなくなるまで申請可能な補助金や貸付金もある。しかし、これは全く予算枠を気にしなくてもよい。必要な人が必要なだけ申請でき、予算が足らなければ国の方で貸付金の元利という形で、もっと増額してもらうように県としても要請していく、こういう性格のものと捉えてよろしいか。

《答弁》 財政課長
 予算上は、一定規模の融資を行うという前提に基づき予算計上しているため、今の予算でいくらでも対応できるかというと、そうではない。しかし、今回増額補正しているのは、足下の状況を見て、さらなる追加の措置が必要であるということで予算を増額させていただいており、追加の措置については今後の中小企業の資金繰りの状況等を勘案しながら、引き続き検討していくことになると考えている。

《質問》楠本文郎 委員
 国の今回の補正メニューの中で、県が全く関わってないと思うものが、税の部分である。
 税金の部分というのは、予算化されていないので、県税及び市町村民税がどのような形になっているか説明をいただきたい。

《答弁》 税務課長
 新型コロナウイルス関連の税制度の支援策については、4月6日に緊急経済対策における税制上の措置として臨時の税制改正大綱が出されている。この主な内容については、国税ではテレワークなどのための中小企業の設備投資税制の拡充である。
 また、地方税では、県及び市町村において、自動車税・軽自動車税環境性能割における臨時的軽減の6ヵ月延長、売上高が減少している中小事業者に対する令和3年度の償却資産、事業用家屋にかかる固定資産税及び都市計画税の軽減措置の創設である。
 また国税、地方税の共通事項として消費税や法人税、固定資産税などほぼ全ての国税及び地方税のほか、国税に準じる社会保険料において収入に相当の減少があった事業者の方等に対して、無担保かつ延滞金なしで1年間徴収猶予するという制度の創設及びイベント中止に伴うチケット代の払戻しを受けなかった者への寄付金控除の適用等がある。
 これらの内容については、今後近いうちに国会に地方税法などの関係法の改正法案が提出され審議される見込みとなっている。

《質問》楠本文郎 委員
 県税と市町村民税のすみ分けが明確でないと混乱してしまう。固定資産税は市町村民税なので、県としてはノータッチであるが、こういう国からの通知等についての周知徹底は、県として関わらざるを得ないのではないか。

《答弁》 税務課長
 今回の税制改正については、コロナウイルス関連で被害を受け収入が減少している人たちのための制度であり、県のホームページなど様々な媒体で広報していきたいと考えている。

議案に対する採決
議案第89号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致で原案可決

知事専決処分報告採決
報第2号 和歌山県税条例の一部を改正する条例
報第3号 和歌山県地方活力向上地域における県税の特別措置に関する条例の一部を改正
     する条例
は、全会一致で承認



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