2020年12月県議会 文教委員会
 杉山俊雄委員の質問概要記録

                               
20201214

《質問》杉山俊雄 委員
 「きのくに教育審議会の答申」の高校再編整備について、2点聞きたい。
 1つは30人学級の問題で、30人になっても十分対応できるという話だったが、15年後に高校が30人学級になったら、どのぐらいクラス数が増えるのか。今の40人から10年、15年先に30人に国がしたという時に学級数はどれだけ増えるのか、十分シミュレーションをして対応もできていると話を聞いたし、前期、中期、後期の全3段階に分けて計画していると聞いたが、15年後どれだけ増えるのか。
 多分6,000人で2割ぐらいは私立に行くので、8割ぐらいではないか。

《答弁》 教育企画監
 何学級というピンポイントの数は申し上げられない。委員がおっしゃるように、6,000人の中で県立高校の生徒が何人いるかというと、現在でも100%の充足ではないことを踏まえ、単純に考えると30人学級で20%ぐらいの学級数増は必要であろうと想定しているが、その時には現在よりかなり学級数が減っているので、差し引きをしても現在の状況を超えることは全くないと考えている。

《質問》杉山俊雄 委員
 仮に4,800人とし、1学年6クラス40人学級が30人学級になることをシミュレーションすると、40クラス分ぐらいは増えると思う。 40クラスとなると6、7校分ぐらいは必要になる。
 1学年8クラスぐらいにして、1学年2クラスの空き教室、3学年合計で6クラスぐらいの空き教室がある状態で、再編計画を進めれば何とかなるだろう、というようなシミュレーションをしているのかどうかを聞きたい。

《答弁》 教育企画監
 6クラスではなく7クラスとか8クラスになる可能性は考えていないのかといえば、それは学校や地域によって状況が異なる。
 また、15年後の想定が30人学級になることによって、15、17、20年後とずれていくこともある。
 いずれにしても、生徒たちの教育環境が低下しないように、そういうシミュレーションは非常に大事なことなので行っていきたいと考えている。

《質問》杉山俊雄 委員
 私は、教育委員会の説明の中で、シミュレーションで大丈夫だというような答弁があったので、その真意を聞いただけである。
 もう1つ、学習権のところで、個に応じた学びに必要なものを整備することが、学習権保障であるとの答弁があったが、個の学びについて、憲法26条の教育のところの「能力に応じて」というところで、個に応じた教育とか、個の学びという場合、一人一人の課題はみんな違う。能力も違うから、その適性によってそれぞれ教育をするという考え方である。高校もすぐれた能力を十分に発揮できるような高校で、難関大学へ行くような高校、それからアスリートに対する高校、それから支援学校では高等支援学校をつくり、出てすぐに働いて税金を納めるような子どもたちをつくるとか、あるいは、学び直しで10人学級をつくるとか、そういうものに沿って、高校をつくろうとしているのではないかと思う。それはちょっと違うと思うがどうか。

《答弁》 教育企画監
 何が違うのかはご指摘いただきたいのだが、答弁に関しては、様々な子どもたちの将来の希望をかなえられるような高等学校教育を整備していくことが、子ども一人一人の学ぶ権利を保障することになるということに尽きると思う。そのためには様々なニーズに学校が対応し、あるいは教員が対応する力を身につけていくことが必要だと思っている。

《質問》杉山俊雄 委員
 学び直しをする10人程度の学級を、普通高校に設置するという問題がある。そういう学び直しの生徒に対して、普通高校に学び直しのクラスを設置して、学び直しができるだろうか。学び直しに来る生徒はどんな生徒なのか。

《答弁》 教育企画監
 学び直しで想定しているのは、小・中学校段階で様々な課題があり、学校に在籍はしていたが十分に学べていない子どもたちの学び直しである。そういう子どもたちの多くが、今どういうところで学んでいるかと言うと、一例では、分校や夜間定時制で学んでいるということがある。それも非常に大事なことだと思っている。
 ただ、分校や夜間定時制になると非常に金銭等の負担もかかることが想定される。そうなれば、できるだけ居住地に近いところで、そういう子どもたちの教育を可能にすることも一つ考えてもよいのではというのが今回の答申だろうと思っている。その中で、そういう子どもたちは課題があって小・中学校時代に学べていないわけなので、40人学級の教室やその隣の教室で学ぶことは困難だと思う。
 そういうことにも配慮して、すぐには難しいかもしれないが、一定の独立した校舎で配慮しながら、その子どもたちにどういう学びの環境を用意することが重要かを考えているところである。

《意見》杉山俊雄 委員
 答申を読んだときには、今言ったような独立した教室をつくるという説明はなかった。不登校の子や発達障害で学力が十分についてない子たちを集めて、普通高校の別教室に10人ぐらい集めて、落ち着いて勉強できるかというと、それは絶対できない。不登校の子が、そういうところに行けるわけがない。実現させたいと答弁したが、そういう学級は成り立たない。
 私も過去に担当した不登校の生徒を何名か紀の川高校に送ったが、そこでゆったりと学んで、大学まで進学した。経験上、そういう独立したものをつくらないと無理だと思って質問した。

…………………………………………………………………………………………………………………………
議案に対する採決
議案第161号 県民交流プラザ和歌山ビッグ愛・和歌山ビッグホエール・武道・体育
        センター和歌山ビッグウエーブの指定管理者の指定について

は全会一致で原案可決



  2020年12月議会   杉山俊雄プロフィール、質問一覧
  日本共産党県議団HOME