2020年12月県議会 建設委員会
 高田由一委員の質問概要記録

                               
20201214

《質問》高田由一 委員
 富田川の河川整備に当たり、河道内に生えた樹木の利用募集があったが、結果について教えてほしい。

《答弁》 河川課長
 富田川の公募伐採については、河川管理上課題となる河川内の樹木について伐採処分等を行う方を公募で選定し、実施してもらうことで河川管理に要する費用の低減を図ることを目的に実施していたもので、11月2日から30日まで公募を行ったが、結果としては応募者はなかった。

《質問》高田由一 委員
 応募者がいなかったということだが、国土交通省や他の府県でも公募伐採と、自らの利用の取組をしていると思う。木質バイオマスの発電に使用するところもあるようだが、上富田町にも木質バイオマス発電所ができているので、そういう方向も考えているか。

《答弁》 河川課長
 近隣のバイオマス発電事業所など、需要となる業者もあるので、サウンディング等を行いながら、必要に応じて公募条件を見直すなどし、再度公募を行っていきたい。

《質問》高田由一 委員
 利用促進し、河川の管理費を縮減していただきたい。ただ、他のバイオマスの発電の事例をみると、FIT法の縛りの関係、買取り単価が折り合わない事例もあるようなので、その辺りも検討いただきたいのと同時に、国土交通省では出る刈草や樹木の量も多いため、チップ化して堆肥化する取組もされている。
 9月に国土交通省和歌山河川国道事務所を訪問したが、紀の川は堆肥化して市民に配っているという話だったが、そういう方向も検討の課題の中に入るのか。

《答弁》 河川課長
 現在のところ、樹木の伐採、処分をこれまで検討してきた。具体的に堆肥化をこれまでは検討してきていないが、色々と勉強していく中でどういう形で処分ができるか、今後も研究していきたい。
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《質問》高田由一 委員
 公共事業への木材の利用について、河川の土木工事に木材を利用するのは、量を使うという点でも大変意義があると思う。公共事業での利用計画、指針も出ていると思うが、今の状況、特に河川の部分についてはどうなっているか。

《答弁》 河川課長
 木材の利用については、県土整備部の事業について、具体的な工法等を定めたマニュアルを策定している。河川工事においては、自然公園区域内など、周辺環境に配慮する必要がある工事において、木材の利用に努めることとしている。
 一方、水があり流速が速いところや転石が多い箇所では、なかなか使えないなど使用する場所が限られており、木材の利用が河川工事の中で具体的に進んでいないのが実情である。木材の積極的な利用については、2月議会、9月議会でも委員から質問があった。積極的な木材使用は、河川工事についても、試験的にではあるが、県管理河川の堤防裏法面に草木の繁茂防止を目的とした丸太伏工を昨年度に施行している。試験施工箇所のモニタリングを行いながら、効果や課題について検証して、河川工事への活用についても検討していきたいと考えている。

《質問》高田由一 委員
 河川の土木工事へ木材を使うことは、古来から続いてきた日本の土木技術である。水面の中に入っている木材は絶対に傷まない。そこに使われる工法としては、マニュアルにもあったと思うが、木工沈床、木で枠を組んで石を詰める工法があり、非常に大事だと思う。その上で、マニュアルを見て思ったのが、自然公園の区域内でそういう工法をやっていこうということで位置づけられているが、川の流域で自然公園の区域がどこかとなると非常に範囲が限られてくる。適用範囲の見直しも必要ではないか。

《答弁》 河川課長
 木工沈床の課題としては、費用がかかる。まずは限定的なところでやっていくとマニュアルでは整理している。なかなか適用が進んでいないということで、どういったところであればできるのか、試験的にできる箇所はないかなど、今後も研究をしていきたい。

《要望》高田由一 委員
 マニュアルも大事だが、先ほど紹介のあった堤防裏法面丸太伏工もそうだが、いろいろなところで、試験的にモデル的にやっていくことも大事である。柔軟に対応して、研究をしていただきたい。
 島根県だったか、鳥取県だったか、公共土木工事に1億円当たりの予算が付いたら、確か12立方メートルだったかと思うが、木材は必ず使うようにマニュアルで取り決めをしている県があったと思うので、そういうことも研究しながら取り組んでいただきたい。
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《質問》高田由一 委員
 3つ目が、議案第147号の港湾施設管理条例の一部改正についてである。日置港の方は良いが、特に日高港で心配をしているのが、特例の料金を後5年間継続していくということで、条例で定められた料金と日高港の今言われている特例料金を比較すると、例えば、荷さばき地の使用料では4分の1から5分の1ぐらいの大変安い設定になっている。このことから言えば、5年たったときに4倍、5倍と上がることになり、もともと定められた料金と言えばそうなのだが、かなり業者の方に負担となるので、5年後を見据えてこの料金を考えているかというのを聞きたい。

《答弁》 港湾空港振興課長
 今指摘された日高港については、現在、泊地のしゅんせつ工事が行われているので、港の利便性が十分に確保されていないということから、使用料を低く設定している。この特例期間が満了する令和3年3月時点には、まだ工事終了の見込みが立っておらず、令和7年3月まで特例期間の延長をお願いしているが、令和7年3月の段階で工事が無事に終了したときには、条例の金額を元にしながら、その時点での社会情勢などを勘案しながら総合的に判断したいと考えている。

《質問》高田由一 委員
 ということは、条例でも日高港はこれぐらいと部分的な設定をするのか。それとも、港湾管理条例全体がそういう見直しの対象となると理解したらよいのか。

《答弁》 港湾空港振興課長
 現在の条例では、別表で県内の港の使用料を定めており、日高港について特例を設けている形になっている。令和7年の時点でこの特例期間が満了するので、これの見直しをするのがまず基本となる。他の港の分をどのように扱っていくのかというのは、その段階での社会情勢や経済情勢などを見ながら考えていくことになる。

《要望》高田由一 委員
 コロナ禍での業者の方への支援というのが、いろいろな意味で少し多いが、その辺りも考えて取り組んでほしいと思う。


議案に対する採決
議案第133号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
議案第147号 和歌山県港湾施設管理条例の一部を改正する条例
議案第148号 令和2年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
議案第151号 平成29年台風第21号により発生した広域農道を含む斜面崩落に伴
        う損害賠償の額について

議案第152号 平成29年台風第21号により発生した広域農道を含む斜面崩落に伴
        う損害賠償の額について

議案第155号 和歌浦漁港指定漁港施設の指定管理者の指定について
議案第156号 和歌山県和歌山マリーナの指定管理者の指定について
議案第157号 和歌山県和歌山マリーナの指定管理者の指定について
議案第158号 和歌山県田辺漁港海岸扇ケ浜ビーチハウスの指定管理者の指定につい
        て

議案第159号 宇久井港物揚場の指定管理者の指定について
議案第160号 加太みなとまちの指定管理者の指定について
議案第164号 工事請負契約の締結について
は全会一致により原案可決

請願に対する採決
議請第5号 和歌山、奈良、三重の三県をまたがった景観を重視する道路への木製ガー
      ドレールの積極的採用を求める請願

は賛成全員により採択すべきものと決定

意見書(案)採決
建設委員会から「公共事業における木材の活用を求める意見書(案)」
を提出することに賛成全員により決定



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