2.新型コロナ感染症防止対策について
(1)検査体制の拡充について
(2)保健所体制の充実について
4.カジノを含むIR誘致問題について
(1)県民への説明について
1.ジェンダー平等のとりくみについて
《質問》奥村規子 県議
一般質問をさせていただく前に、この間、今年に入ってからも亡くなられた方がいらっしゃいます。心からご冥福をお祈りいたします。新型コロナウイルス感染症の罹患によりお亡くなりになられた方々に心からご冥福をお祈りいたします。また、療養中のみなさまに一日も早く回復されることを願うとともにお見舞い申し上げます。
それでは議長のお許しを得たので通告に従い一般質問させていただきます。
本日3月8日は、おりしも3.8国際婦人デーの記念日でございます。この婦人デーは、1904年3月8日にニューヨークで起きた婦人参政権を求めるデモを記念し、1910年の国際社会主義女性会議で提唱されたといわれています。アメリカによるベトナム侵略戦争が激化するなか、世界中の女性たちが、侵略戦争に反対して連帯しようと声を上げた歴史があります。
2015年9月、ニューヨークの国連本部にて193カ国の合意のもと、2030年までにすべての国が達成すべき17の「持続可能な開発目標」を採択しました。日本政府もその達成を約束しています。1は貧困をなくそう、2は飢餓をゼロに、3はすべての人に健康と福祉を、4は質の高い教育をみんなに、5はジェンダー平等を実現しよう、となっています。
日本のジェンダー平等は、世界水準から大きく立ち遅れた現状にあります。最近では、日本オリンピック・パラリンピック組織委員会前会長の森喜朗氏が、女性蔑視と思われる発言によって辞任に追い込まれました。また、新型コロナ禍において全国的にいっそうジェンダー格差が浮き彫りになっています。失職、家事育児の負担増大、DVなど様々な困難に直面し、自殺者の急増など報道されています。
一方、国において男女共同参画基本法に基づき、第5次計画が策定されました。パブリックコメントが5,600件以上寄せられたということです。ジェンダー平等をめざす世論、運動のかつてない高まりを感じます。そこで県としては、第5次計画を策定することになっていることから、ジェンダー平等の取り組みについて質問させていただきます。
(1)男女共同参画に関する県民意識調査の結果について
まず、先日「令和2年度男女共同参画に関する県民意識調査」について資料提供がありましたが県民意識調査の結果を踏まえ、和歌山県の男女共同参画の現状をどのように認識しているか環境生活部長にお尋ねします。
《答弁》
環境生活部長
令和2年度男女共同参画に関する県民意識調査は令和2年8月から9月にかけて、県内全市町村から無作為に抽出した、満20歳以上の男女各1,500人、合計3,000人を対象にアンケートを実施したもので、1,402人の方から回答をいただきました。
アンケートの結果、男女の地位の平等感については、学校教育の場では、半数以上の方が平等であると回答し、男性が優遇されていると回答している方は10%程度にすぎませんが、社会全体でみると男性が優遇されていると回答した方が約3分の2にのぼるなど、男性の方が優遇されていると感じている割合が依然として高くなっています。
また、「男は仕事、女は家庭」という固定的役割分担意識につきましても男女ともに否定的な意見が増加しておりますが、4分の1程度の方は賛成と回答しており、未だこうした意識が根強く残っていることが分かりました。
さらに「家庭生活」、「子育てや子どもの教育」、「就労」などの質問項目においても、報告書に記載のとおり、男女共同参画社会の推進に向けて、いくつもの課題が残されていることを認識させられる結果となりました。
また、男女共同参画の言葉についての認知度を問う設問において、県の施策である「和歌山県男女共同参画推進条例」、「和歌山県男女共同参画センター『りいぶる』」、「性暴力救援センターわかやまマイン」などの認知度が低かったことから、それぞれの取組や広報の在り方について再検討していかなければならないと考えているところです。
(2)第5次和歌山県男女共同参画基本計画策定にあたっての基本的な考え方について
《質問》奥村規子
県議
ただいま答弁があったように、和歌山県の男女共同参画については進んでいる面がある一方、まだまだ課題もあります。男女間の賃金格差の問題や、ひとり親家庭に対する支援の面についても今後、取り組みが必要となってくると思います、令和4年度からの5か年を計画期間とする「第5次和歌山県男女共同参画基本計画」の策定作業が来年度に行われるということですが、計画策定にあたっての基本的な考え方についてお尋ねします。
《答弁》
環境生活部長
県では、これまでの4次にわたる和歌山県男女共同参画基本計画に基づき、仕事や家事、育児、介護、地域活動などのあらゆる分野に男女がともに参画できる社会の実現に向け、固定的役割分担意識の払拭のための啓発、各分野での女性の登用促進等さまざまな施策を展開してまいりました。
来年度には、令和4年度からの5年間を計画期間とする第5次の基本計画の策定作業を行うこととしております。
近年、女性の就業率が上がっていることなど、多くの分野で女性の活躍が進んできている一方で、固定的な性別役割分担意識を背景に、家事、育児、介護等、家庭生活における女性の負担が依然として大きいことや、長時間労働を前提とした働き方などにより、仕事と家庭の両立が難しい状況が残されています。
次期基本計画につきましては、今後、和歌山県男女共同参画審議会においてご審議いただくとともに県民の皆様のご意見も伺いながら決定することとなりますが、あらゆる分野で女性の参画を推進するとともに、議員からお話がありました賃金格差の問題やひとり親家庭に対する支援を含め、就業環境の整備や子育て・介護支援の充実など、ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和が実現できる環境整備を目指し、より実効性のある計画にしてまいりたいと考えております。
《要望》奥村規子 県議
意識調査で特に着目すべきことは、女性の理想の生き方として「結婚や出産にかかわりなく、職業を持つ」を理想とする女性の割合が調査開始以来、初めて50%を超えました。
一方、実際になりそうな生き方、現実にそうなっている生き方の問いに対して、これまで同様「結婚または出産を機に一時仕事を辞めるが、その前後は職業を持つが約40%となっています。厚生労働省の2018年「賃金構造基本統計調査」では、和歌山県では全産業で決まって支給する現金給与額は男性約33万円、女性約25万円で8万円の差があり、年間賞与他特別給与額は男性88万円、女性57万9千円となっています。30万円の差があります。2017年の「就業構造基本調査」で非正規の割合が男性22%、女性58%となっていることなどが影響しているのではないかと思います。さらに母子世帯の平均所得は、一般世帯の平均所得の約50%です。非常に大きな差が出ていると「和歌山県子供の貧困対策推進計画」に述べられています。
世界経済フォ―ラムが毎年公表しているジェンダーギャップ指数によると、日本は153カ国中121位です。とりわけ、政治(144位)、経済(115位)の分野での後進性が際立っています。
国の「第5次男女共同参画基本計画」に、賃金格差の解消へ「女性が多い職種における賃金の実態等について調査分析を行う」という新たな計画も盛り込まれています。ぜひ、県としても意識調査をもとに実態調査を行っていただき、県民参加の基本計画に取り組んでいただきたくお願いいたします。
2.新型コロナ感染症防止対策について
(1)検査体制の拡充について
《質問》奥村規子
県議
コロナ検査体制の拡充についてお尋ねします。
今日から新型コロナワクチンの第1弾、約4,000人分が医療従事者など優先的に、順次接種が行われるということです。ワクチン接種は新型コロナの収束への有力な手段として期待がある一方、不安の声も聴こえてきます。ワクチンの安全性・有効性、副反応などのリスクについて、国内外のデータを迅速かつ徹底的に県民に明らかにしてゆくことが大事だと思っています。ワクチン接種が始まっても、社会全体に効果が確認されるまでは、かなりの時間がかかると専門家の指摘があります。感染防止対策とワクチン接種を同時並行して、2つの大事業に取り組まなければなりません。県民含め、自治体は大変です。
第3波では、クラスターの発生が増えました。現在、下火になっている時にこそ、徹底して感染を拡大させないことが重要です。医療機関・福祉施設への「社会的検査」を国の責任で行うよう強く求めていただきたいと思います。医療・福祉施設でのクラスター発生を防止する検査は、重症者を減らし、医療への負担を軽減するうえで、決定的に重要です。そのためには、医療機関・高齢者施設・障害者施設等が、民間機関も活用した自主検査を定期的に行う必要があると思います。また、昨年夏の「第2波」に至った教訓からも、クラスター対策だけでは感染が少し下火になると検査も減らすことになり、感染を抑え込むことはできないと考えます。濃厚接触者に限定せず、感染リスクのある接触者を広く検査できるようにすることが大事だと思います。厚労省は、今は接触者について広く行政検査の対象とすることを可能としています。
今後、検査体制の充実をどのようにとりくむのか、福祉保健部長にお尋ねします。
《答弁》
福祉保健部長
本県においては、早期発見、早期隔離、徹底した行動履歴の調査を保健所の統合ネットワークシステムにより進める取組により、感染拡大の防止に努めてきました。
早期発見に不可欠となるPCR検査は、感染者を早期に発見し、早期に入院させて隔離するための検査であり、希望するすべての人を対象に実施するものではなく、感染すると集団感染に繋がり、重症化して病床を逼迫する恐れがある医療・介護施設等の関係者についてもトリアージを行い、十分に必要性を判断しながら取り組んでいくものです。
11月から始まった第三波では、首都圏で抑えきれなかった感染が次々に爆発し、京阪神等に飛び火した結果、県内の感染者が急増し、1月下旬には1日あたりの新規感染者数、入院患者数ともに最多を数えたほか、高齢者施設等でのクラスターが多数発生するなど、県内の感染状況は非常に厳しい状況となりました。
こうした感染状況等も踏まえ、今後の取組としては、救急医療機関に対し、迅速に検査が可能な簡易型検査機器の配備支援を行うとともに、環境衛生研究センターに遺伝子解析機器を新たに導入し、感染経路の早期究明への活用を図るなど、更なる検査体制の充実に努めているところです。
加えて、これまでも申し上げてきたとおり、重症化リスクの高い高齢者等が入所する施設や、入院医療機関での集団感染を防ぐことが極めて重要であることから、同施設に簡易に検査できる抗原検査キットを配付し、新規入所者等を対象とするスクリーニング検査を実施することで、施設内での感染拡大を徹底的に防止するよう取り組んでまいります。
《要望》奥村規子
県議
政府は「医療体制を充実する」といいますが、逆に医療従事者の給料が減らされるなど、支援の手が届いていません。同じ医療従事者として、大変憤りを感じます。医療機関ではどこにコロナ陽性者がいてもおかしくない状況の中、職員も患者・利用者も「陽性かもしれない」との前提で感染を広げない対応をしており、緊張感で疲労が積み重なっています。患者や利用者の家族への面会制限もつらいといいます。家庭内感染も心配です。
クラスターを防ぐため、医療・介護福祉現場で公費での定期的なPCR検査を求めます。また、無症状者を発見する点でも、重ねて検査体制を拡充することを求めます。
(2)保健所体制の充実について
《質問》奥村規子
県議
感染症が発生・流行した場合、実際の治療・予防の拠点となるのは、地域の専門医療機関や保健所ですが、「医療費削減」「採算重視」を求める政府の路線のもと、感染症指定医療機関は100施設・3,400床も削減され、保健所も地域保健法改定前の1994年では847カ所から、2019年では472カ所と、ほぼ半減させられました。空港・海港などでの水際検疫の体制もこの間、検疫官の定数増が図られてきましたが、海外渡航者の激増には追い付いていないのが現状です。世界的規模で拡大する感染症を予防するための抜本的な対策の必要性が、コロナ感染症によって明らかになったと思います。
県は保健所職員が疫学調査や感染者等の健康観察など、感染拡大防止に専念できるような体制を維持するための応援体制を中心にお考えですが、保健師の増員や保健所の役割が大変重要なことから、保健所体制の充実についてどうお考えですか。
《答弁》
福祉保健部長
地域保健法の施行に伴い、全国的に保健所の再編が進められる中、本県においては、地域住民の生活に不可欠となる保健予防、公衆衛生の水準を維持することが重要と考え、保健所を各圈域単位に設置する体制を堅持するとともに、保健師をけじめとする職員の配置についても、その必要性を十分認識の上、適正な配置に努めてきました。また、今年度から、多様化する保健・福祉ニーズにより的確に対応するため、保健所の組織改正を行い、機能強化を図ったところです。
感染症への対応にあたっては、保健所は、疫学調査や感染者等の健康観察など、最前線において感染の拡大を食い止める役割を担う非常に重要な機関です。
今般の新型コロナウイル不感染症への対応では、県立保健所間での相互応援などによる体制強化を図るとともに、検体搬送など特に専門性を要しない業務については、他部局の職員が後方支援を行うほか、和歌山県看護協会や県内市町村とも保健師派遣体制を構築するなど、職員が疫学調査など専門的な感染拡大防止対策に専念できる体制を整備しているところです。
今後も引き続き、感染の状況を見極めながら、保健所間の相互応援や市町村等との連携体制などの取組により、保健所が有する保健・衛生などの専門性を十分発揮し、地域住民の安心・安全の拠点としてその機能を十分に果たすことができるよう、全力で取り組んでまいります。
《要望》奥村規子
県議
今後も予想される、様々な感染症の発生・流行に備え、拠点病院の専門医・看護師の配置、公立病院の統廃合の中止と体制強化、医療機器の整備、保健所の体制強化、ワクチンの研究・製造システムの確立を国及び県に求めます。
3.コロナ禍における高い国保料(税)の負担軽減について
《質問》奥村規子 県議
コロナ禍における、高い国保料の負担軽減についてお聞きします。
2018年4月から国保の財政運営が都道府県単位となり、政府は毎年3400億円の財政支援を拡充しております。子育て世帯の経済的負担となっている子どもの均等割の軽減措置や、コロナ感染症により収入が減少した場合の保険料の減免措置など、経済的に困窮している方や家庭について、負担軽減措置の拡大・継続を考えるべきと思いますがいかがですか。
《答弁》
福祉保健部長
国民健康保険における子どもに係る均等割については、国民健康保険制度が被保険者全体の相互扶助で支えられていることから、応分の保険料を負担していただく必要があるため、世帯員数に応じて、均等に賦課されているものであります。
そのため、子どもの数が多い世帯ほど保険料負担が増加し、経済的負担が大きくなります。
県としましては、子育て支援等の観点から軽減措置の導入について、これまでも全国知事会を通じて国に要望してきたところです。
国は、少子高齢化が急速に進む中で、全ての世代の安心を全ての世代で支えあい、持続可能な社会保障制度を構築することを目指し、その一環として子育て支援を拡充するため、軽減楷置を導入することとし、現在、国会に関連法の改正案が提出されております。
内容については、令和4年度から未就学児を対象に一律5割を公費により軽減するものであり、軽減措置の導入について一定の前進があったものと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症に係る保険料の減免制度については、感染症の影響により主たる生計維持者の収入が前年と比べて3割以上減少するなど、一定の要件を満たす場合に保険料を減免し、国がその費用の全額を特例的に財政支援を行うものです。
この措置は令和2年度限りですが、令和3年度における保険料減免の財政支援については、国において、今後の感染状況等を踏まえながら、検討していくとされているところです。
県としましては、被保険者の負担軽減について、これまでも全国知事会等を通じて国に要望してきたところですが、今後も引き続き働きかけてまいります。
《要望》奥村規子
県議
国保料(税)が、協会けんぽなどの被用者保険と比べて著しく高くなっている大きな要因は、世帯員の数に応じかかる「均等割」、各世帯に定額でかかる「平等割」という、国保独自の保険算定式です。低所得者には一定の減額があるものの、子どもの数が多いほど国保料(税)が引きあがる均等割には、「まるで人頭割」「子育て支援に逆行している」という批判の声があり、全国知事会などからも「均等割」の見直し要求が出されていました。来年度予算で一部実現するようですが、対象は就学前の子どもとなっています。
全国で「均等割」「平等割」として徴収されている保険料(税)額は、およそ1兆円です。公費を1兆円投入すれば、均等割・平等割をなくすことができ、多くの自治体で協会けんぽ並みの保険料(税)にすることができます。
そのうえで、所得割の保険料率の引き下げや、低所得世帯に重い資産割がかかる問題の改善などを行い、各自治体の負担軽減の取り組みとも合わせて、所得に応じた保険料(税)への改革に踏み切るよう国に求めていただきたいと思います。
4.カジノを含むIR誘致問題について
(1)県民への説明について
《質問》奥村規子
県議
カジノを含むIR誘致問題についてお聞きします。
県は1月7日に実施方針を確定し、15日に事業者の応募を締め切りました。現在は、優先権者の選定作業を行っている状況とお聞きしています。応募したのは①クレアベストニームベンチャーズ株式会社と、②サンシティグループホールディングスジャパン株式会社の2者と発表されています。
県民の反対の声があるにもかかわらず、県はIR誘致を進めていることには大変残念です。現在の取り組み状況を踏まえた上で、事業者の選定、具体的な事業計画の内容などについて、いつ頃県民に示され、県民への説明をどのように行ってゆくのかお聞きします。
《答弁》
企画部長
まず、IR誘致に関する現在の取組状況ですが、事業者公募の締め切りである本年1月15日に、2者から提案審査書類が提出され、現在、事業者選定委員会において審査を行っており、春頃を目途に優先権者の選定を行う予定となっております。
議員ご質問の事業者選定の内容につきましては、優先権者選定後に、提案審査の結果を「選定方法及び評価の過程並びに結果に応じた選定過程の透明性を示すための資料」と併せて速やかに公表いたします。
また、具体的な事業計画をお示しする時期につきましては、選定された事業者の提案内容を踏まえて、国へ申請する区域整備計画素案を作成する本年秋頃を予定しており、その際には、パブリックコメントの実施や公聴会の開催等県民の皆様からのご意見を反映するための手続を行ってまいります。
なお、事業者選定後、区域整備計画素案を作成するまでの期間におきましても、その時点においてお示しできる事業計画等につきましては、シンポジウムや市民向け説明会、県政お話講座などを通じて積極的に発信してまいります。
《再質問》奥村規子
県議
県としても透明性の確保について資料の公表やパブコメ・公聴会、シンポジウムや市民向け説明会、県政お話講座を進めてゆくといわれました。再度確認いたしますが、審査項目の中でも「安定的・継続的な事業運営及び区域全体の魅力維持・向上」に関して、「事業運営能力」について、選定後に、それに関する説明資料が公開されるのでしょうか。
《再答弁》
企画部長
只今、議員のご質問にもありました事業運営能力につきましても審査の評定項目に入っておりますので、当然その結果、どういう評価をしてどういう内容であったか、ということについては公表させていただく予定にしております。
《再々質問》奥村規子
県議
区域整備法第12条には、実施方針や民間事業者の選定、区域整備計画の作成について協議するための「協議会」を組織することができる、とされています。
「協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
一 都道府県等の長
二 立地市町村等の長
三 公安委員会
四 都道府県等の住民、学識経験者、関係行政機関その他の都道府県等が必要と認める者」
となっています。大事なのは、4番目の住民や学識経験者の参加できる規定ですが、それが生かされていません。この協議会は、すでに確定している実施方針の策定、現在行われている選定作業についても関与することになっています。現在行われている選考作業に係る選考委員会は、この協議会に代わるものではありません。第12条では「組織することができる」とされています。必ずつくらなければいけないということにはなっていませんが、住民の声を聴くという最も大事なことが軽視されていると考えます。これまでなぜ設置してこなかったのか、今後とも設置する考えがないのか、もう一度県当局の答弁を求めます。
《再々答弁》
企画部長
議員のご質問にございましたようにIR整備法には、知事、立地市の長、公安委員会、学識経験者、住民等で組織する協議会を作って、区域整備計画の作成等に当たって協議する、そういったことができるという、できる規定になっております。
和歌山県におきましては、あくまで任意設置の規定ですので設けておりません。その一つの理由としまして、例えば有識者に関しましては、事業者選定に当たっては先ほど答弁させていただきましたように、事業者選定委員会を設けておりますし、区域整備計画を作成するに当たっては、また別途有識者会議を設置しておりまして、そこで有識者の方のご意見を聞くというようなことを考えておりますし、住民に関しましては、もともと法の立て付け上、区域整備計画の案を作った段階で、先ほど答弁させていただきましたように公聴会ですとかパブリックコメント等で、広くご意見を聞くと、そういう仕組みになっておりまして、私どもとしては、その仕組みを使って広く住民の意見を聞いていきたいと、そのように考えております。
《再々々質問》奥村規子
県議
「協議会を組織することができる」とされているわけです。カジノを誘致することに賛成できないという住民の意見も、そちらのほうに届いていると思います。そういう住民の意見も含めて、協議会で協議を重ねていくことができるわけです。住民に説明するということで、これまでも説明会を重ねていただきましたが、カジノありきという形で一方的な進め方がされてきたと思います。
きちっとした組織的な仕組みとして、都道府県の住民も含めて構成される協議会を設置すべきだと思いますが、今後とも設置する考えはないかおたずねいたします。
《再々々答弁》
企画部長
先ほど申し上げましたように、今後とも協議会を設置することは予定しておりません。
議員にも想像していただきたいのですが、協議会を設置するとした場合、協議会に住民がどの程度選ばれるのか考えたときに組織上数名になるんですね。そういった数名選ばれた住民の方でもって住民の意見の代表にして良いのか我々は疑問に思っておりまして、むしろ先ほどから申し上げておりますように、広くパブリックコメントですとか公聴会の場で広く多くの方々のご意見を聞くと。こちらの方が意味があることだと思っておりますし、最終的には制度上住民の皆様の代表である議員の、県議会の皆様にご議論いただいてそこで賛否を問うと、そういう非常に民主的な仕組みになっておりますので我々はその法に定められた制度に従ってやっていきたいと、そのように考えております。
《要望》奥村規子
県議
私の手元にも、たくさんの疑問がよせられています。説明だけでなく「合意」していくことが書かれていると思います。住民の意見をしっかり聴いて、今後とも考えていただきと思います。ぜひよろしくお願いいたします。