2021年6月県議会 文教委員会 楠本文郎委員の質問概要記
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《質問》楠本文郎 委員
 4月以降6月中旬までに、新型コロナ感染のために休校した学校、学級閉鎖をした学校について、どのような状況か。

《答弁》 教育支援課長
 学校の臨時休業等は、保健所等の関係機関と連携して決めている。
 4月から6月中旬まで、県立学校においては延べ15校で臨時休業を行っている。市町村立については、県教育委員会への報告義務がないため、全て把握できている状況ではない。

《質問》楠本文郎 委員
 学校の部活動の取組も含めて、どのように取り扱っていくかということに関わるので、県立学校の状況はすぐに出せると思うが、可能な限り市町村の教育委員会の資料を、一覧表にして提供していただけるか。

《答弁》 教育支援課長
 市町村立については、クラスターと認定された場合は公表されているが、それ以外は、どこの市町村というのは公表していないので、詳細は提供できない。可能な範囲で校数などは言えるが、詳しいことは言えないことについてはご了解いただきたい。

《要望》楠本文郎 委員
 了解した。教育委員会としての資料提供をお願いする。
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《質問》楠本文郎 委員
 高校の部活動におけるコロナ感染症対策の現在の状況について示してほしい。

《答弁》 県立学校教育課長
 県立学校における部活動の状況についてであるが、6月17日付で新たな通知を出している。6月21日からは、感染防止対策を徹底した上で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、あるいは不要不急の外出自粛要請等の区域等を除いて、県外の学校との練習試合あるいは合同練習等を可能としている。
 しかしながら、今の感染状況も十分考えて、練習試合等の計画を立てるよう、学校長に依頼している。

《意見》楠本文郎 委員
 体育系の話になるが、これからどんどん交流試合をしたい季節であるため、その意味で質問した。21日から新たな環境に入ったということで了解した。

《質問》楠本文郎 委員
 小中学校の部活動については、市町村教育委員会にどのようにしてほしいと、県教委として要請されているのか。

《答弁》 義務教育課長
 中学校の部活動についてだが、県立学校に通知している文書の写しを各市町村教育委員会に通知している。そこで、感染症対策の徹底をお願いするとともに、県立と同様の対応をお願いする通知を出している。

《意見》楠本文郎 委員
 あくまでも市町村教育委員会に対しての要請で、県と同じようにということを付け加えてあるという理解をさせていただく。
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《質問》楠本委員
 スポーツキャンプの予算がとれていたが、事前キャンプが中止と聞いている。それに関して、オーストラリアとカナダがキャンセルとなったことによって、予算取りをしている金額はどのようになるのか。

《答弁》 プロジェクト推進室長
 スポーツキャンプの誘致については、カナダ、オーストラリア両チームの申出があり、中止になったところである。予算の執行については、コロナ対策ということで国の補正予算として8000万円強であるが、これは両キャンプとも中止となったので、現在のところ執行はなく、最終的には国へ返すという形である。

《質問》楠本文郎 委員
 使わなければ、返すのは当たり前であるけれど、何も使っていないのか。
 その誘致・運営がどうだったかということと、会場費、交通費、食費等々からの経済効果が見込まれた中、キャンセルになったことで、損失は発生しないのか。

《答弁》 プロジェクト推進室長
 この中止の申入れに関しては、始まる約1か月以上前であったので、幸い予定していたホテルや競技施設等のキャンセル料について発生していない。
 また、キャンプの国とは、メールを通じてやりとりをしていたので、そういう観点でも執行はない。

《意見》楠本文郎 委員
 公式な答弁なので信頼をしているが、経済的な損失があるかと思うので、それは教育委員会の範疇(はんちゅう)ではないが、そういうフォローというのも必要ではないかという心配だけ申し上げる。
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《質問》楠本文郎 委員
 ワクチンに関して、支援学校で次のような事例がある。
 病院と併設している支援学校で、病院と学校とを生徒は常時行き来しており、病院の中で授業をすることもある。その病院では、既に2回のワクチン接種が行われ、病院関係者は全て終わっている。支援学校の教職員だけは、ワクチン接種が全く行われていない状況。
 このようなケースの場合は、打った人も打っていない人も不安が出てくるので、接種を希望する方の優先順位を上げて早期にワクチン接種を行うなど、支援学校に対して配慮していくことが必要ではないか。

《答弁》 教育支援課長
 教職員が接種できる方法については、関係機関と協議、確認しながら現在検討しているところである。

《要望》楠本文郎 委員
 しっかりと検討をお願いする。
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《質問》楠本文郎 委員
 読書という問題であるが、私は2年前に初めて学校司書という問題を一般質問した。そこから2年が経ったことから、その後の学校司書の配置が進んでいるのかどうかを示してほしい。

《答弁》 義務教育課長
 学校司書の市町村での小・中学校への配置については、年々増加している。本年度の状況を市町村から聞き取りをしたところ、26市町で昨年度と比べると、昨年度の配置人数は72名であったが、今年度は76名になっている。委員ご指摘の2年前と比べると、63名から今年度76名になっている。今年度、昨年度から具体的に増員しているのは、和歌山市が4名から5名に1名増えた。紀の川市が8名から10名に2名増えた。日高川町が1名から2名に1名増員したと現時点では聞いている。

《要望》楠本文郎 委員
 また後ほど、市町村別の現状報告を頂きたい。
 学校の読書の活動を本当に豊かにしていくためには、学校司書の存在というのは欠かせない。この位置付けも教育長答弁でもはっきりしていると思う。
 ただ、できたら一人で学校の図書館を運営するというのは本当にうまくいきにくい。やはり複数配置が望ましいというところを、これは共通認識となっていると思うので、要望しておきたい。県はお金を出せないのであるから、よくなった経験を伝えるという役割をお願いしたい。
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《質問》楠本文郎 委員
 繰越使用報告書が出されている。これについて、2点質問する。
 一つは、県立学校関係の感染症経費を明許繰越しているということで、その概要を教えてほしい。
 もう一つは、ろう学校のトイレが明許繰越となっている。事故繰越ではなく明許繰越となっている点について、補足説明をしてほしい。

《答弁》 教育支援課長
 県立学校感染症経費の内容については、主に消毒液、マスク、空気清浄機、ハンドソープ等の消耗品、備品などである。これについて、在庫確詔等で時間がかかり、年度内で事業完結ができなかった。今年度、繰越分を執行することになっている。

《答弁》 教育総務課長
 和歌山ろう学校のトイレ改修についてだが、当初、令和3年度予算に計上を予定していたが、国の令和2年度三次補正学校施設環境改善交付金を活用するため、2月補正に前倒しして対応したものである。
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《質問》楠本文郎 委員
 小学校の35人以下学級への移行について、今年度の小学校1年生・2年生の状況はどうなっているのか。

《答弁》 教職員課長
 今年度の小学校1年生のクラス数は332学級、2年生が299学級となっている。義務標準法により、小学校1年生は平成23年度から、2年生は今年度から、35人以下学級となっている。なお、3年生から6年生については、国の加配を使うことによって、3学級以上の場合は、35人以下学級、それ以外は、38人以下学級になっている。今年度の法改正により、令和7年度までに、毎年1学年ずつ引き下げられることにより、令和7年度に、小学校全ての学年で35以下学級となる予定となっている。

《質問》楠本文郎 委員
 今後、35人以下学級によるクラス数は、どう推移していくことになるのか。

《答弁》 教職員課長
 令和7年度に小学校全て35人以下学級になる。中学校については、国の加配を使って既に35人以下学級を実施している。高等学校については、一部の学校では、学校独自に35人以下学級で行っているところがある。
 本年度、政府提案において、全ての中高生について35人以下学級を実現できるよう、法改正を要望している。

《質問》楠本文郎 委員
 1年生から始まって、中高まで少人数学級で行かないと、実現したことにはならないと思う。
 和歌山県は、既に35人以下学級を実現していると聞いた。加配を使い枠を取ってやってきたということが、ここに来て値打ちが出てきたのではないかと思う。少人数学級を目指して、和歌山県が努力してきたものが、全国的にそういう位置付けになったというように理解をしている。
 35人学級が法制化されたことによって、和歌山県としてのメリットはどんなところにあるか。

《答弁》 教職員課長
 法改正により標準化されることによって、教員の安定的、計画的な採用、配置を図り、きめ細やかな学習指導、生活指導を継続的に行うことができるものと考えている。

《質問》楠本文郎 委員
 加配ということは、加えるわけであるから、定数にはカウントされてない状態であり、少し状況が変われば、その加配を取り上げられることもあるという不安がいつもついて回る。そのため、正規の職員を増やせず、非正規の職員を増やさざるを得ないということが、和歌山県内でも非正規職員がなんなんとする。これが解消されないという状況になったのではないかというのが私の思いである。
 それが法制化によって、35人以下学級で基礎定数に入る職員が配置されるということは、それだけ正規の職員を雇えて非正規の職員を減らす方向性が見えてくるのではと、私はそう思うが、どうか。

《答弁》 教職員課長
 加配があることで正規職員を採用しにくいところもあったと思う。定数内講師を減らす一因になると思う。
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《質問》楠本文郎 委員
 学校の保健室や女子用トイレに生理用品を置かなければならないのではないかど思う。
 また、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課から各都道府県教委に対して、教育機関における連携を検討するよう通知が来ていると思うが、その通知に基づいて、既に対応を始めてくれているのか聞きたい。

《答弁》 教育支援課長
 県立学校において、女子用トイレに生理用品を常設しているかについては確認できていないが、保健室では、必要とする生徒については配付しているということは聞いている。市町村立学校についても同様だと思う。
 また、通知についでは、既に市町村教育委員会と県立学校に周知している。福祉部局等関係部局としっかりと連携して取り組むように考えている。

《質問》楠本文郎 委員
 コロナ禍では、学生がアルバイトできないという貧困問題が浮上しており、和歌山大学を中心として、アルバイトができない方が生きていくための「もってけ市」を始めた。私も御坊から60キログラムの米を運ぶために協力したが、学生は飛ぶように食料品を持っていく。2回目からは生理用品が置かれたが、それも即なくなった。生理用品が置かれていること自体やり過ぎという発想があったが、「そんな物(生理用品)がない」と言えない状況にあることが、今の社会の反映だということを学んだ。
 ジェンダー平等の視点で考えていくことが必要だと思い、さらに調べると、全国1,718自治体のうち、255自治体で既に取組が始まっている。埼玉県で31、東京25、愛知23、置かれている対策は防災備蓄で184件、予算措置が55件、寄付が44件である。このように間口を広げて取組が始まっている。
 和歌山県は255自治体の中には入っていないと思うが、とられている対策は、学校のところはどんどんアピールしてもよいか。今の状況は、まだこの時点かなということで追加があれば答えていただきたい。

《答弁》 教育支援課長
 言われた内容については、福祉部局の案件だと思う。連携の要請があった際には、連携して取り組んでいきたいと思う。

《要望》楠本文郎 委員
 福祉部門で大体集約されるが、未成年の子どももしくは大学生も含めたら、視野に入れていかないといけないのは、文教、子育ての分野だと思うので、緊密に連絡を取りながら進めていっていただきたい。
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議案に対する採決
議案第104号 令和3年度和歌山県一般会計補正予算
議案第116号 財産の取得について
は全会一致で原案可決


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