2022年2月和歌山県議会
  議案に対する反対討論 楠本文郎
     録画中継(13:20~)
                                     2022
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 日本共産党県議団を代表して、議案第43号「土地開発公社債務保証対策基金の設置、管理及び処分に関する条例」並びに議案第18号「令和3年度一般会計補正予算」に反対の立場で討論します。
 「コスモパーク加太」の負の財産の後始末については、平成15年11月25日、和歌山地方裁判所において「調停に代わる決定」がなされ、これを受けて「県が異議申し立てをしないことについて」の議案が、平成15年12月定例県議会において提案され、賛成多数で同意されました。
 当時、県議会内に設置された「コスモパーク加太対策検討委員会」の記録には「加太開発事業は、国家プロジェクトである関西国際空港の埋立用土砂の搬出を伴う地域整備事業であり、県政の重要課題として対応に努めてきたところであるが、いわゆるバブル経済の崩壊等社会経済状況の変化もあり、結果として今日の状況に至ったのは、県、公社、金融機関それぞれの見通しが十分でなかったものと考える。(後略)」と明確に報告されています。
 その議会で、日本共産党県議団は反対討論を行いました。反対理由として、関西国際空港第1期土砂採取事業の見通しの甘さによって、県の想定した土砂売却単価との差額が、莫大な赤字をうみだしてきたことが第1、第2に当時の開発公社所有の簿価と、金融機関が根抵当権を設定した有効活用地の時価額に400億円に近い格差が生まれており、計画が二転三転した対応と決断の遅れが債務を膨れ上がらせてきた、と指摘しています。
 その上で、当時の地価で売却できたとしても弁済を完了できないこと、債務保証分は長期返済となっているが、将来の土地高騰が見込めない限り県財政からの弁済は必至の状況にあるとして、「行政の失敗を県民に転嫁することにつながる議案には賛同できない」と、反対をしています。
 この「調停に代わる決定」にもとづいて、収益弁済分65億余円、根抵当権設定分108億円、債務保証対象分265億円という枠組みが設定されました。
 収益弁済分は、一般会計から「コスモパーク加太」対策事業として、毎年約6億円を20年間予算化しており、今年度も計上されています。
 根抵当設定分は、この間、土地の利活用で約21億円余りを債権者である銀行に支払いました。それでも残額はまだ88億6100万円です。
 債務保証対象分は、今回の議案第43号提案の基金設置となりました。平成15年の反対討論での指摘通り、残念ながら県財政からの弁済を保証するための基金です。
 大型開発の失敗が、いかに大きな損失を招くのかを見せつけられる思いです。平成15年12月議会同様「行政の失敗を県民に転嫁することにつながる議案には賛同できない」ことを申し上げます。
 次に、議案第18号 令和3年度一般会計補正予算についてです。
 先ほどの債務保証のための財源の提案です。令和3年度一般会計補正予算126億円中、その半分の約63億円が使われます。
 その原資は、普通地方交付税だとお聞きしました。当初予定より多い交付税算入がありそれを予算化したということです。
 普通地方交付税は、県民のための公益的性質の何にでも使える貴重な財源です。今はまさに「新型コロナ感染症対策」など県民のための施策に必要な財源であることを申し上げ反対討論とします。
 ご清聴ありがとうございました。


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