3月15日(付託議案審査等)
【福祉保健部】
《質問》高田由一 委員
高齢者施設等への抗原検査キットの配布状況と、今後の配布計画はどのようになっているか。
《答弁》
健康推進課長
抗原検査キットの配布状況について、まん延防止等重点措置区域に指定された地域にあっては、集中的実施計画に基づき、高齢者施設は328、障害者施設は23、保育所・学童保育等施設は399、幼稚園・小学校等教育関係施設は235、私立学校等は26施設に対し、計10万6,900セットを配布し、職員が随時検査できる仕組みをつくって進めている。
《質問》高田由一 委員
10万6,900セットは、配布済みの数という理解でよろしいか。
《答弁》
健康推進課長
購入済の数であり、順次配分し、高齢者施設をはじめ障害者施設等に配布している。
《意見》高田由一委員
しっかり活用できるよう進めていただきたい。
《質問》高田由一 委員
コロナ関係の2点目は、実際に新型コロナウイルス感染症で陽性となり、自宅療養されている要介護の高齢者や障害者の方が今回の第6波では増えた。
そういう方々のところへヘルパーさんが行ったときに、普通の介護へ行くときと一緒の賃金しか出ていなかったと聞いていたが、事業所が特別に手当をした場合、厚労省がそれに対して補助することを改めて通知したという新聞報道があった。
このことについて、県内で周知されているのか、また利用されているのか教えてほしい。
《答弁》
介護サービス指導室長
感染対策を徹底した上で、サービスを継続している介護サービス事業者に必要な支援を行うことは、非常に重要であると認識している。
委員ご指摘の、例えば、訪問介護事業所の職員が感染者や濃厚接触者に対応した場合に、職員に対し支払う割増し賃金、手当、あるいは超勤手当については、もともと国の補助金であるサービス提供体制確保事業の中で補助できる項目に入っており、改めて国から3月4日にQAという形で通知された。
県では、これまで補助金について周知するとともに、現在補助申請を順次受け付けており、これら割増し賃金などについても何件か申請があり、これからも申請があるものと考えている。
《意見》高田由一 委員
実は、この通知が出た後に相談を受けて、こんなに大変なんだ、手当はないのかと言われて、よく調べてみたところ、これが使えるということが分かった。
せっかくよい制度をつくっていただいていると思うので、この利用についての周知をぜひお願いしたい。
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《質問》高田由一 委員
ひきこもりの支援について、伺いたい。
ひきこもり支援の周知のため、和歌山県が約330万円の予算を使い、YouTubeでネット広告動画を作成した。
私もYouTubeで動画を拝見したが、その内容に当事者や支援団体から、かなりの批判があり、約2週間で配信が停止されるという事態になった。
この動画は、今は見られないので、少し内容を話すと、ひきこもりの当事者が、自分がひきこもり状態だという認識がなく、お気楽に近所のコンビニなんかには行っている様子が映し出されながら、同居する親が亡くなる段になって、自らの状態に気がつくという内容の動画であったと思う。親の手伝いをしながら好きなことをして「何も困ったことはない」というようなセリフを当事者の方が言われているという動画であった。
それを見た当事者あるいは支援団体からは、「この動画を見て、県に相談しようとは思えない」、「苦しみながら、ひきこもっている実態が全く理解されていない」、「親が死ななければ気付かないという演出は、脅しの手法であり、これまで積み重ねてきた、安心して相談できる場所づくりについて、県が理解していないのではないかと落胆している」などの意見が出された。
先日、3月6日だったと思うが、障害福祉課長が「きのくに21」のテレビ番組に出演し、この動画には様々な意見があって配信を停止したという経過を説明していたが、その肝腎の動画を見ていない視聴者の方からは、一体何のことを言っているのか分からないという意見があったり、既に動画を見ていた支援団体の方からは「当事者や家族などを傷つけたことの反省はなかったし、ひきこもりについて、あのような捉え方をしていること自体、侮辱しているのではないか」という厳しい意見も出された。
そこで3点について伺うが、動画配信が停止された理由は何だったのか。そして、どのような反省があったのか、という点をまずお伺いする。
《答弁》
障害福祉課長
ひきこもりに関しては、前々から潜在化しており、なかなか相談につながっていかないという現状があり、以前からも課題となっている。
そのため、今回、国の調査によると、ひきこもりの方の多数とされる「趣味の用事のときだけ外出される方」、「近所のコンビニなどには出かけられる方」が一人でも多く相談につながるようにというのが制作の趣旨、目的である。
しかしながら、動画には作成した目的や、ひきこもりの方全てがそのような状態ではないという説明が不十分であったため、様々なご意見をいただいたということで、現在、動画の配信を停止させていただいたというのが経緯である。
作成過程で、当事者の意見や支援者の方にも視聴はいただいているが、さらに幅広い方にも参画していただく必要があったという点では反省している。
動画への意見をいただいた支援団体の方とは、3月1日、2日の両日に意見交換をさせていただいている。
いずれにしても、当事者の方の社会参加に向けて、支援団体の方との連携を強化していきたいと思っている。
《質問》高田由一 委員
2点目は、この動画作成に支出された330万円という予算である。たった2週間で配信は停止されたが、この予算の行方というのは、どうなるのか。
《答弁》
障害福祉課長
予算が330万円で、現在も精算中だが、内容としては動画の作成にかかる費用は制作費と広告費の2つに分かれている。
広告費に関しては視聴状況に応じて発生するということになり、現在まで動画を停止しているので、停止した以降、費用は発生していない。
《質問》高田由一 委員
それでは、制作費は大体どれぐらいの規模感か。
《答弁》
障害福祉課長
現在、概数にはなるが、直接費と間接費の2つに分かれている。直接費が約110万円、間接費が最大で約16万5,000円ということで、精算中である。
広告費に関しては、約35万円程度で現在、精算している。
《意見》高田由一 委員
ひきこもり対策にしっかり取り組んでいただきたいということと、やはり貴重な県民の税金、予算を使っているので、ふいになってしまうと言ったら言葉は悪いが、こういうことにならないように、ぜひ課長も言われたような連携、それから意見交換というのが大事かなと思う。
《質問》高田由一 委員
最後に、当事者の方からは、県が開設している、ひきこもり地域支援センターで、普段、相談を受け付けてくれているが、電話対応する窓口はあるものの、結局は地域の支援団体へその当事者の方を紹介するだけという批判の意見も直接伺った。
こうしたことについて、今後どのように対応していくのか伺いたい。
《答弁》
障害福祉課長
ひきこもり地域支援センターで相談があった場合は、相談された方から生活状況をお伺いし、内容に応じ、支援団体が運営する居場所を紹介する場合がある。
その中で、支援団体の担当者の方から、相談者がセンターに相談した折に、居場所を紹介されただけだったという話は聞いている。
センターでは、年間約150件の電話相談があるが、相談者の方にはそのような受け止め方をされたという事実があるので、今後注意して対応するようにセンターには指示を出している。
《意見》高田由一 委員
今回の動画の問題は大変残念であるが、これをきっかけに課長も先ほどから言われているように支援団体や、そうした方と県行政の連携がもっとあってもいいと思う。
ここをしっかりやっていたら、今回のことも未然に防げたのかなと思うので、ぜひこれからの取組で反省を生かしていただきたい。
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議案に対する採決
議案第46号 和歌山県立高等看護学院設置及び管理条例の一部を改正する条例
議案第47号 修学資金等の返還に係る債務の免除に関する条例の一部を改正する条例
議案第48号 公立大学法人和歌山県立医科大学の役員等の損害賠償責任の一部免除に関する条
例
議案第49号 和歌山県国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
議案第69号 権利の放棄について
は全会一致で原案可決
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【環境生活部】
《質問》高田由一 委員
自然環境等にやさしい工事推進体制の整備について、詳しく教えてほしい。
《答弁》
自然環境室長
この取組は、希少生物の生息地や天然記念物など将来に向けて守りたい場所で行われる工事を事前に把握し、工事に伴う生態系への過度のダメージを抑制しようというものである。
具体的には、県地理情報システムを再整備し、自然公園や世界遺産などの地図情報をシステム内で重ね合わせ、工事予定箇所を一度に串刺しずるイメージで、守りたい場所に該当しないかをチェックする。このチェックで、例えば、自然公園内の貴重な生態系が残るエリアに該当した場合、自然公園法や条例に基づく手続とともに、必要に応じて専門家や工事関係者と生態系に配慮した工事方法について協議するという流れである。
《質問》高田由一 委員
自然公園以外にも、レッドデータブックに載っている生物の生息地域など希少生物の生息地域はあると思うが、こうした地域は守りたい場所として考えているのか。
《答弁》
自然環境室長
自然公園以外にも、例えば、国が選定している重要湿地に法規制はないが、貴重な生態系が残っているので、保全すべき地域として考えている。また、レッドデータブックの希少生物の生息情報についても、今後、保全すべき地域として加えたいと考えている。
《質問》高田由一 委員
白浜町にもレッドデータブックに載っている食虫植物のモウセンゴケやミズゴケの群落、ミカンの原木であるタチバナが生育している地域があるので、そういうところはぜひ保全の対象にしてほしい。
また、生息範囲が非常に小さい陸産貝類などの生物もいるので、そうした種の専門家と情報共有しながら、取組を進めたほうがよいと考えるが、どうか。
《答弁》
自然環境室長
委員お話しのとおり、取組を進めるにあたっては、県が持っている情報だけでなく、和歌山大学や県立自然博物館に加え、県内で研究調査を行っている専門家の方々などと連携しながら、希少生物の生息地等の情報を把握していきたいと考えている。
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議案に対する採決
議案第45号 和歌山県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」
は全会一致で原案可決