2022年6月県議会 建設委員会 楠本文郎委員の質問概要記録
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《質問》楠本文郎 委員
 マリーナシティの駐車場の問題について、私から見て大きな事件だと考える。県管理直営から指定管理に戻すことについて、前回こんな問題があったので、今回の指定管理のやり方はこのような方法に変えるという新たな提案がないと、過去の問題ではなくこれからの問題としての説明をいただきたい。

《答弁》 港湾空港局長
 駐車場の件については、再発防止策として証拠書類の保存期間を3年から10年に変更するであるとか、歳入金収納計算書に証拠書類の写しを添付するなど、そういった事務手続の見直しをしている。

《質問》楠本文郎 委員
 言われたように、刑事事件になるような証拠書類はなかったので、告訴はできなかった。再発防止のためには、きちんと書類と納入金額は合わすという単純な話で、そこをどのようにするのかということ。書類の保管を10年とするだけでは意味が通らない。

《答弁》 港湾空港振興課長
 現金徴収機から出るレシートを添付させることで納入金額と突合するよう、事務手続の見直しを行った。
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《質問》楠本文郎 委員
 議案の中で、第79号、第80号に、県の景観条例の一部改正と景観支障状態の制限に関する条例の一部改正とあるが、そこに入る前に空き家というフレーズで頭の中を整理したい。
 当初の計画の中でも、パンフレットも出していただいているくらいに、県行政としても魅方的な景観まちづくりの推進という方向に向かう意味からも、空き家をどうするかということが大きなテーマとなっている。和歌山の空き家率は平成30年調査で20.3%で全国第2位となっており、対象が9万8,000件で問題である。地元でも深刻な状況が続いているため、5点質問する。
 1点目は、これまでの空き家所有者への指導等の状況と改善状況についてどうか。

《答弁》 建築住宅課長
 令和4年5月末時点での現状だが、指導や助言等の件数は、全市町村で約3,600件行っている。そのうち除却等の対策が講じられた件数については約1,500件である。

《質問》楠本文郎 委員
 ボリューム的には小さくないと思うが、市町村が事業主体となるので、ポイントとしては、市町村が空家等対策計画の策定をしていないと国の補助金がもらえないということと、空家特措法に基づく協議会の設置というのも条件として出されている。これについては、県下30市町村の状況はどうか。

《答弁》 建築住宅課長
 空家等対策計画の策定状況だが、現時点で30市町村全てで策定している。次に、法定協議会の設置状況は、現在県内では4市町が協議会を設置済みである。なお、補助金については、空家等対策計画の策定が必須条件となっている。

《質問》楠本文郎 委員
 これだけばらつきがあるというのは、補助金を受けるためには必須だから30市町村全て計画は策定しているが、法定協議会については必要に迫られたところからどんどんつくっていくという流れということか。3点目は市町村の補助制度の状況と実施の市町村数についてはどうか。

《答弁》 建築住宅課長
 市町村では不良住宅等の除却に対する補助や活用のための改修補助を行っている。除却補助について、実施市町村数は25市町村である。続いて、改修補助を実施している市町村は13市町村である。

《質問》楠本文郎 委員
 御坊市は、除去の80方円の上限をつけてもらってから地域ではかなり進めやすくなってきた。県費の補助はないが国庫補助というところもあり、そういう点ではこの空家法において、都道府県の役割は市町村の応援ということになっているが、現時点での県による市町村支援の内容はどうか。

《答弁》 建築住宅課長
 県では広域的な観点から、あるいは、市町村が効率的かつ効果的に空き家対策に取り組めるよう、各種取組を行うこととしている。まず市町村への補助制度だが、個別の住宅ではなく、跡地活用など一定の要件を満たす大規模建築物の除却に対する市町村への補助を実施している。また市町村が取り組みやすい仕組みとして、協議会の運営や、リーフレットの作成、基準やマニュアルの整備、関係団体と連携した相談会の開催やセミナーの開催、不良住宅の現地確認などを行っている。

《質問》楠本文郎 委員
 具体的な支援の中身を聞いたが、包括的である。知恵を貸してもらえるという点ではいいが、それと今年度の新政策としての魅力的な景観まちづくりの推進という打ち出しの問題とのかみ合わせというのもあるが、魅力的な景観まちづくりの推進の進捗状況についではどうか。

《答弁》 建築住宅課長
 今まで説明した取組に加え、今年度から各振興局にワーキンググループを設置し、魅力的な景観まちづくりを推進するための重点エリアの設定に取り組んでいるところである。こういった重点エリアで、まちづくりの観点からも今後は市町村と共に当該エリアの空き家対策に統合的に取り組んでまいりたいと考えている。

《質問》楠本文郎 委員
 実はこのようなことを問題意識として持つのも、私が以前に町内会長・区長をしていたときに、学校の前に空き家があり、持ち主も分かっているがバンザイしている。地主も分かっているが、地主は地代ももらっていないため、除去費用を含めとても手がつけられない。しかし、小学校の前でとても危険であり、町内会長が何とかしろと言われ困った経験がある。それから御坊市に補助制度ができたので、第1号か第何号かで取り組んだ経験がある。
 こういうのが一つの典型だと思う。地域の中に、この空き家を何とかしたいというエネルギーというか、必要に迫られている。こういう話を振興局にも持ち込んで、市町村の担当課と協議しながら、この重点エリアでやっていこうという形になっていくのが素敵だと、進んでいきやすくならないか。そういう実例が出てきたら、私のところの地域でもこういう取組で力を貸してよという形でニーズがどんどん膨らんでいって、9万8,000件もの対象が少しは促進しやすくなるのではないか、という感想を持った。
 そうするためには、御坊市はまだ今年度は余裕があるが、2年、3年前は予算オーバーで、我慢してくださいと言われた時期もあった。
 隣町の状況は、そこまで補助を付けられないという状況もある。その点では県がそういう状況を俯瞰して、もう少し市町村への負担軽減が必要ではないかという問題と、もう一つは取り除くだけではなく、空き家を活用するのも県の役どころではないかと思う。特に不動産屋さんがよく知っているが、それら総合的な流れで考えていくことによって、魅力的な景観まちづくりの推進も進んでいくのではないかというのが、答弁を聞いてからの私の思いだが、そのような整理でよいか。

《答弁》 建築住宅課長
 そのような解釈で結構である。
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議案に対する採決
議案第76号 令和4年度和歌山県一般会計補正予算
議案第79号 和歌山県景観条例の一部を改正する条例
議案第80号 建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例の一部を改正
       する条例

議案第81号 和歌山県特定公共賃貸住宅設置及び管理条例の一部を改正する条例
議案第82号 和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例
議案第83号 令和4年度建築事業施行に伴う市町村負担金について
議案第84号 訴訟の提起について
議案第85号 和歌山県若山マリーナの指定管理者の指定について
議案第87号 工事委託契約の締結について
議案第88号 工事請負変更契約の締結について
議案第89号 工事請負変更契約の締結について
は全会一致で原案可決


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