2022年12月県議会
 令和3年度決算に対する反対討論
      録画中継920~)
                                                     
202212月14

 私は日本共産党県議団を代表して議案第126号「令和3年度和歌山県歳入歳出決算の認定について」および第127号「和歌山県公営企業決算の認定について」の反対討論をします。
 令和3年度、2021年度は、新型コロナウイルス感染症への対応が引き続く重要な課題として実施された年度でした。その影響で一般会計の決算額は対前年で181億円余の増加となりました。2021年度の和歌山県の新型コロナ対策はおおむね了解するものでありますが、県民の暮らしへの影響は、引き続いて大きなものがあります。
 とくに2021年度決算の特徴は、地方交付税がいわゆる上振れし、予想より約200億円の増となったことです。この税源を使って県債の繰り上げ償還を130億円以上おこない、くわえて後ほど述べる新たな基金を創設するなどしました。
 県政にとっての指標では、県税の大きな柱である個人県民税は、前年比で増加となっています。法人事業税も前年比で25億円も増加し、新型コロナ感染症で一度、減少した状態からの回復が一定程度見て取れます。ただ今後の県民のくらしや県内業者の経営は物価高騰が続く中、まだまだ心配です。
 この苦境から県民生活をいかに守るかということが今の県政に課せられた何よりの課題であると考えます。
 その観点から以下、個別の問題を指摘したいと思います。
 福祉の分野では、生活保護世帯数はほぼ横ばい状態ですが、新型コロナ対策の生活福祉資金の特例貸付等の制度で救われている世帯も多いため、今後が心配です。
 子ども医療費への県としての支援については、現時点で県内すべての市町村が最低でも中学校卒業までの子ども医療費を無料化しています。県の助成はこの16年間、就学前までのままになっており、改善が求められます。
 地域医療構想については新型コロナウイルス感染症の拡大のなかでも従来のベッドを2600床減らす計画がそのまま残っています。これは現場の実態と乖離しています。この際、いったん凍結をして見直すべきだということを指摘しておきます。
 決算委員会でも発言しましたが、この間の新型コロナ対策での保健師さんの残業はたいへんなものがあります。今年の1月時点、いわゆる第6波の入り口で一人あたり平均月101時間の残業となりました。その後も1か月で一人207時間の残業をされた方もおり、いつ倒れてもおかしくない状況でした。改めて業務への支援が継続して必要なことを指摘しておきます。
 教育の問題では、公立学校において、定数内の非正規の教職員を5年間で半減するとした第3期教育振興基本計画があります。実際は、小中学校、高校ともほとんど改善されていません。2022年度の本年度が計画の最終年度ですが、事実上、この計画は破綻しました。本当に真剣に取り組まれたのか疑わざるをえません。厳しく指摘し、改善を求めるものです。
 学力テストの問題では国のテストに加えて県独自のテストが続けられています。テスト漬けになるため、やめるべきだということを言い続けていますが、今年度は県テストを2回実施ということで、さらに競争教育を進めることになり、こうした対応を認めるわけにはいきません。
 毎回指摘しているコスモパーク加太の問題では、新たに土地開発公社債務保証対策基金を63億円積み立てました。2033年には231億円の債務保証が待っていますが、この基金積み立てで土地開発基金とあわせて、この県債務保証分の財源を確保したことになります。しかしこの基金の財源は、コロナ禍や物価高騰で大きな影響を受ける県民の福祉、暮らしを助けるために使える本来、自由な財源です。大型開発失敗の穴埋めにこうした財源を使うことは認められません。
 毎回指摘している、国直轄事業負担金は2021年度も135億円あり、県財政への大きな負担になっています。国に対してその廃止や軽減を引き続き求めていただきたいと思います。
 中小企業振興資金特別会計の問題では、収入未済額のほとんどが、かつての同和行政のゆがみによる中小企業高度化資金によるものです。その未償還額は依然として57億円以上にのぼっています。これまでの累積の債権放棄額は44億円以上となっており、取り組みはしていただいていますが、この状態を認める訳にはいきません。
 つぎに公営企業会計については、土地造成事業会計への一般会計からの毎年1億5700万円を繰り入ることや工業用水事業会計からの貸付金15億円が残っており、売れない造成地を抱えてきた総括と反省が必要であり認めるわけにはまいりません。
 以上で反対討論とします。


2022年12月議会   高田由一プロフィール、質問一覧
高田由一ホームページ   高田由一facebook 
日本共産党和歌山県議団HOME