2025年12月和歌山県議会
令和6年度決算の認定に対する反対討論
奥村規子
録画中継(9:00~)
2025年12月18日
日本共産党のわたくし奥村規子より、議案第136号及び議案第137号に対する反対討論を行います。
議案第136号は「令和6年度和歌山県歳入歳出決算の認定について」です。
令和6年度、2024年度の普通会計は歳入6620億円で過去3番目、歳出6440億円で過去最高額です。その大きな要因として、1985年に計画された「コスモパーク加太」構想が残した借金を県が代位弁済したことが、歳入歳出の押し上げになりました。
「コスモパーク加太」は、関西国際空港建設の埋立土砂の採取跡地に、レクリエーション施設や産業用地、住宅用地などの複合施設を整備する計画でした。ところが2001年、土地需要の低迷や先行き不透明な経済状況から事業を凍結することが表明されました。2003年に県土地開発公社が特定調停を申し立て、和歌山地方裁判所による「調停に代わる決定」で438億円の借金を弁済することになりました。その内訳は65億円を開発公社が分割弁済し、108億円を開発公社と金融機関との間で根抵当権を設定して土地を売却した都度、弁済し、残る265億円を県が債務保証するというものです。2006年にオリックスに17億円を一括償還したことで39億円が債務免除となりましたが、231億円の債務保証が残ったままとなっていました。
そこで県は、既設の「土地開発基金」168億円との不足63億円を補うために「土地開発公社債務保証対策基金」を新たに設置しました。基金が設置された2021年度は新型コロナ感染拡大時にあり、国庫支出金とともに地方交付税も増額されていました。新たな基金の財源は全て地方交付税の上振れ分です。その2つの基金から、返済期限である2033年度末を待つことなく、開発公社の借金231億円を代位弁済したのが2024年の4月です。
40年近く前の巨大プロジェクトの失敗が残した多額の借金返済を県民が肩代わりすること、ましてやコロナ禍で県民生活が大変苦しいなかで、コロナ対策にいっそう力をいれるべき地方交付税をその財源にするなど、とても許されることではありません。また元金だけでなく、2003年度以降の利子は合計34.6億円になります。
さらに、一般会計から「コスモパーク加太対策事業」として、開発公社へ支払った土地賃借料などが165億円になることも指摘しておきます。
また、2023年2月に発出された「財政危機警報」により、既存事業の精査や予算の組み換えなどで政策的経費に一律15%ものシーリングをかけて予算編成されたのが2024年度でした。
その影響の事例として、前年度に新型コロナ感染症が2類相当から5類に移行されたことから、PCR等無料検査やコロナ病床確保料など、あらゆるコロナ対策事業が容赦なく打ち切られました。5類に位置づけられたとしてもウイルス自体が変わったわけではありません。コロナ対策を維持・強化するべきであったと考えます。
また教育では、教職員の旅費が削減されたため、部活動の試合が近隣の相手校に限られたり、遠足や見学などの引率者数や、各学校の教職員が集まる研修なども制限されました。
政策的経費の一律15%シーリングは、現場を無視したあまりにも強権的なやり方ではなかったでしょうか。
「地域医療構想」の名で、2024年度だけで191床、これまで1,626床もの病床が削減されました。赤字経営が続いている地域医療体制を維持・存続させるためにも、新たな感染症拡大に備え医療体制にゆとりを持たせるためにも、「地域医療構想」の撤廃を求めます。
来月から実施される田辺市を含めると県内全市町村が高校卒業まで医療費を無料にしています。就学前までになっている県の対象年齢が引き上げられなかったことは残念です。
大阪・関西万博へは、パビリオン設置や機運醸成などに約6億円が費やされました。事故の危険や災害時の避難に問題がある夢洲で開催されたことや、学校行事としてこどもたちまで動員したこと、その先にはカジノIRを誘致するためのインフラ整備に公費を投入するための大阪・関西万博の開催に反対してきた立場から、24年度決算にも賛成できません。
マイナンバー法の改正により、和歌山県でも2024年度にはパスポートのオンライン申請や運転免許証との一体化を進める条例改正が行われました。また24年12月から、従来の健康保険証の新規発行が停止され、マイナ保険証を利用する仕組みに移行されました。マイナ保険証の利用により、医療機関では窓口でのエラーで本人確認できないトラブルや、個人情報漏えいなどの問題が相次ぎました。
マイナンバー導入の最大のねらいは、税・保険料の負担額と社会保障給付費を比較し、「負担に見合った給付」の名で給付費を抑制することです。マイナンバーの利用拡大には反対します。
国直轄事業負担金は、2023年度で前年度比24.1%増額の161億円、24年度も162億円にのぼり、県財政の将来の大きな負担となります。国に負担金の減額や廃止を引き続き求めていただきたいと要望します。
地域子ども会活動支援事業では、2018年度に平井児童館に配属された和歌山市の職員が、補助金を不正受給している実態を告発し、不正文書作成を拒否する理由で休職願いを届け、その2年後に自死されました。13年度の和歌山市包括外部監査は「市内全児童数の1割にも満たない13地域の子ども会への補助金がほかの子ども会への補助金と比べ多額のうえ、実態と違う単位への交付が行われており、公平性に問題がある」と指摘しています。地域子ども会への補助金は県の要綱に基づき、県も市町村と同額の補助金を出す仕組みであり、不正な補助金を交付してきた責任は県にもあります。24年度でも、地域総合活動に1530万円を補助する一方、それ以外の子ども会活動への補助金は314万円となっており、子ども会への県の補助金のあり方に問題があると指摘します。
教育では、教員の不足と長時間労働が深刻です。小・中・高とも少人数学級を推進するとともに、長時間労働を解消してこども一人ひとりと向き合えるよう、教員の増員を県独自で進めるべきです。同時に、非正規教員である定数内講師を正規教員に置きかえていくよう求めます。児童・生徒が増え続けている特別支援学校・学級の教室と教職員を早急に増やすべきです。
中小企業の割合が全国で3番目に高い和歌山県では、中小零細企業・個人事業主への直接支援が不可欠です。県の支援は融資制度を中心としていますが、融資である限り返済が必要です。最低賃金の引き上げとともに、社会保険料や税の負担軽減、「住宅・店舗リフォーム助成」などの直接支援が求められます。
また、インボイス制度の導入により、売上1000万円以下の事業者やフリーランスが、消費税納税の負担と実務、取引排除に苦しめられています。インボイス制度の廃止を県の政府要望や全国知事会で求めるようお願いします。
中小企業振興資金特別会計の収入未済額約41億円のうち、96%が中小企業高度化資金貸付金です。その57%が同和行政のゆがみによる貸付金であり、貸付残高は22億5300万円にのぼります。さらにそれとは別に、2024年度までに16件、54億3800万円の債権を放棄してきました。償還に向け懸命に取り組まれていることは承知していますが、とても県民理解を得られません。
国民健康保険特別会計の2024年度決算は50億円の黒字です。一方で保険料は、夫婦40歳代、こども2人のモデルケースにおいて16市町村で引き上げられ、県平均でも引き上げとなりました。県の主導でこどもの均等割の負担軽減や無料化などを進め、保険料の引き下げを検討するよう求めます。
また、さらなる値上がりを引き起こす保険料の統一化方針は撤回するべきです。
議案第137号は「令和6年度和歌山県公営企業会計決算の認定について」です。
土地造成事業会計では、呼び込み型開発失敗で出た損失に、2009年度より毎年一般会計から1億5700万円を繰り入れています。同年度に、工業用水道事業会計から借り入れた長期借入金15億円は返済できず、2029年9月30日には償還期限を迎えます。売れない土地を抱えてきた総括と反省が必要であり、認められません。
以上で、決算の認定に対する反対討論を終わります。
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